妊娠・出産、そして育児。嬉しいはずのこの期間に、『お金がない…』と悩んでいるママ、パパも少なくないのではないでしょうか?
特に、貯蓄がほとんどない状態で産休・育休を迎えた方は、毎月の生活費がどうにかこうにか…という状況かもしれません。
「生活費が足りなくて本当に困っている!」という方に向けて、この記事では、産休・育休中の世帯が利用できる制度や、無理なく続けられる節約法を解説します。
出産を機に、家計の見直しをしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
妊娠・出産、そして育児。嬉しいはずのこの期間に、『お金がない…』と悩んでいるママ、パパも少なくないのではないでしょうか?
特に、貯蓄がほとんどない状態で産休・育休を迎えた方は、毎月の生活費がどうにかこうにか…という状況かもしれません。
「生活費が足りなくて本当に困っている!」という方に向けて、この記事では、産休・育休中の世帯が利用できる制度や、無理なく続けられる節約法を解説します。
出産を機に、家計の見直しをしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
産休・育休中は収入が減り、支出が増えます。会社員は産休・育休中でも一定額の手当ては受け取れますが、働いているときの収入には及びません。自営業者の場合は働かないと収入がゼロになるため、パートナーの理解が必須です。
また、子どもが生まれることで細々とした費用が必要になります。あくまで一例ですが、子どもが生まれることで増える支出は以下の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
妊娠中の検査費用 | 1回あたり1,000~5,000円程度 |
出産費用 | 50万円程度 |
ベビー用品 | 11万円程度 |
マタニティ用品 | 2万円程度 |
出産内祝い | 受け取った金額の3分の1~2分の1程度 |
妊娠・出産時には、以下の手当・給付金を利用できる可能性あります。
出産育児一時金とは、勤務先の健康保険組合や国民健康保険の被保険者が出産したときに受け取れる一時金で、出産時の医療費を補助するためのものです。
支給される金額は、妊娠22週以降に出産した場合は50万円、22週未満だと48.8万円です。また、産科医療補償制度に未加入の医療機関等で出産した場合も48.8万円となります。
手続きは受け取り方によって異なります。健康保険組合や市区町村が医療機関に直接支払う「直接支払制度」を用いた場合の流れは、以下の通りです。
出産育児一時金について詳しく知りたい方は、『出産育児一時金とは?もらえる金額や条件をわかりやすく解説』の記事をご覧ください。具体的な金額や申請方法などを詳しく解説しています。
会社に勤めている人が出産のため仕事を休み、その間給与が支払われなかった場合、出産手当金を受け取れます。
収入減少を補てんする意味合いがあり、1日につき「支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)」が受け取れます。出産予定日前42日(多胎妊娠の場合は98日)+産後56日について支給が受けられますが、実際に出産したのが予定日より遅かった場合は、遅れた日数分も支給されます。
なお、会社を退職した場合でも、次の2点を満たしていれば出産手当金が受け取れます。
ただし、退職日に出勤した場合、退職日の翌日以降の出産手当金が支払われなくなるため要注意です。
出産手当金について詳しく知りたい方は、『出産手当金とは?支給条件・支給額や申請方法』の記事をご覧ください。具体的な金額や申請方法などを詳しく解説しています。
児童手当とは、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の子どもを育てている家庭に対して支給される手当です。
支給額(月額)は以下の通りです。
児童手当には所得制限があり、所得が一定額以上の場合、受け取れる額が減ったり、児童手当自体を受け取れなくなったりします。例えば、「片働き(妻は夫の扶養に入っている)+子ども1人」の場合、所得が934万円を超えると児童手当は受け取れません。
児童手当の所得制限については、『児童手当の所得制限における年収の目安』で詳しく解説しています。
なお、児童手当は2024年10月に制度改正が行われる予定です。支給対象が高校生まで延長になり、所得制限も撤廃されます。
育児休業給付金とは、育児休暇中は給与が支給されないことによる収入源を補うための手当です。受給期間は、原則子どもが1歳になるまでです。なお、受給するには以下の条件を満たさなくてはいけません。
雇用保険に加入し、条件を満たしているならパート・アルバイト、契約社員でも受給できます。なお、受給できる金額は以下の通りです。
180日目まで:休業開始時賃金日額×支給日数×67%
181日目以降:休業開始時賃金日額×支給日数×50%
育児休業給付金について詳しく知りたい方は、『育児休業給付金とは?いくらもらえる?』の記事をご覧ください。具体的な金額や申請方法などを詳しく解説しています。
「貯金ゼロ」など経済的に厳しい状態で出産を迎えた場合、お金が足りなくなる可能性も出てくるかもしれません。
出産や育児は、想像以上に費用がかかるもの。「お金がない」「生活費が足りない」と悩んでいる方も少なくありません。
どうしても対処が難しい場合は、国の制度も活用して乗り切りましょう。
生活が苦しい場合に利用できる国の制度は、以下の通りです。
出産費貸付制度とは、出産育児一時金が支給されるまでの間に利用できる無利子の貸付制度です。以下の条件を満たす人が利用できます。
申し込みをする際は、出産費貸付金申込書に必要事項を記入し、次の書類を添付して全国健康保険協会(協会けんぽ)の各支部に提出します。
実際には、勤務先の担当部署を通じて手続きをしてもらうことになるでしょう。
生活福祉資金貸付制度とは、国(厚生労働省)が主体となって実施する貸付制度です。以下の4分野でさまざまな資金の貸付を行っています。
なお、この制度を使うためには、以下のいずれかに該当しなければなりません。
原則として連帯保証人が必要ですが、立てられない場合は利息を払うことで利用できます。
自治体による妊婦健診費の助成も利用しましょう。一定の条件に当てはまる人に対し、妊娠中の検診の費用の一部を助成する制度です。
具体的な助成内容は自治体によって異なるため、ここでは東京都中央区の制度を紹介します。
なお、里帰り出産などで区が提携している医療機関以外で健診を受けた場合は、「里帰り出産妊婦健康診査費用助成制度」も利用できます。
産休・育休中は収入が減り、出費がかさむため、家計も苦しくなりがちです。
子どもの成長に合わせて出費も増えるため、「生活費はどうしよう?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
これまで通りの生活を送るのは難しく、家計が苦しくなることもあります。生活費が足りないと諦める前に、ぜひ家計管理を見直してみましょう。
以下のポイントを意識して家計管理を見直し、上手にやりくりしましょう。
固定費の見直しは、優先的に取り組みましょう。固定費とは、毎月一定額(もしくはそれに近い額)が発生する費用のことで、具体的には以下の通りです。
固定費は一度見直すと節約効果が長期にわたって続くため、ぜひ取り組みたいところです。
家計簿をつけて毎月の収入と支出の変化を把握すると、「何をすればより節約できるか」がわかりやすくなるでしょう。
固定費を節約するためのアイデアをもっと詳しく知りたい方は、『家計の見直し方法や節約アイデア』をご覧ください。より具体的な節約方法が紹介されています。
家賃を見直すには、家賃が安いところに引っ越しをするか、大家と値下げ交渉をするかのいずれかが考えられます。引っ越しとなると手間がかかるうえに、まとまった費用も必要になるので、まずは家賃の値下げ交渉を進めましょう。
家賃の値下げ交渉が成立するかどうかはケースバイケースです。交渉の際に押さえておきたいポイントは以下の通りです。
水道・光熱費は生活する以上必ず支払わなくてはいけませんが、工夫次第で減らせる余地はあります。比較的簡単にできる工夫は、以下の通りです。
通信費の見直しも節約効果が高いため、ぜひ試したいところです。以下の工夫を取り入れてみてください。
保険の見直しも、節約効果が高い方法の1つです。新しい保険に切り替えるだけでなく、現在の保険のまま保障内容を変更するなど、さまざまなやり方が考えられます。以下のポイントを踏まえ、加入している保険をチェックしてみてください。
保険の切り替えをする際は、無保険期間を作らないために、新しい保険の保障期間が始まってから、古い保険を解約するようにしましょう。
保険の見直しについては、『保険の見直しのタイミングとは?必要性や検討のポイント』で詳しく解説しています。
変動費(毎月支出する額が変わる費用のこと)も、やり方次第では節約できます。費目ごとの節約のコツは、以下の通りです。
子どもが大きくなるにつれ、教育費も必要になってきます。そたのめ、将来について夫婦で話し合い、教育資金をどのように準備していくかを検討しましょう。
必要な費用は、大学に進むか否か、どのような大学・学部を選択するかによって異なります。国公立大学および私立大学文系学部・理系学部(医療系学部は除く)の平均的な学費は、以下の通りです。
進学大学の種類 | 入学費 | 授業料(年間) |
---|---|---|
国公立大学 | 約28万円 | 約54万円 |
私立大学文系 | 約23万円 | 約82万円 |
私立大学理系 | 約25万円 | 約114万円 |
仮に、私立大学文系に行った場合は4年間で約350万円かかる計算になります。お金のことで進路の希望を断念させることがないよう、計画的に準備してください。
妊娠・出産、そしてその後の育児にはお金がかかります。「貯金ゼロ」、もしくはそれに近い状態で産休・育休を迎えた場合、金欠状態は想像以上に長く続く可能性があります。
まずは利用できる制度をすべて使いましょう。そのうえで、家計の改善に取り組み、節約の余地がないかを検討するのが効果的です。
無理な節約は長続きしません。金欠が原因でストレスが溜まり、心身ともに参ってしまうこともあります。
タイミングを見てFPに相談し、家計管理の方法や、将来のライフプランについて考えてみるのもよいでしょう。金欠から抜け出すための具体的なステップを専門家に教えてもらうことで、安心して育児に専念できるようになるかもしれません。
育休中や産休期間中におすすめの在宅ワークについては、こちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:育休中や産休期間中におすすめの在宅ワークと給付金の紹介|代理店募集・フランチャイズ募集専門サイト【カケハシ】
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