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出産手当金とは?早く欲しい場合の申請方法やいつもらえるのかわかりやすく解説

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

会社に勤務し、健康保険に加入している場合、産前および産後休業を取った際には「出産手当金」を受け取れます。とはいえ、「受給するにはどのように申請すればいい?」「自分は本当に出産手当金を受け取れるの?」「出産手当金の支給が遅いと生活できない?」といった疑問を抱える人もいるのではないでしょうか。

出産手当金は申請日によって支給日が変わります。また、要件を満たさずにもらえないケースも存在します。

この記事では、出産手当金の概要や申請方法について解説します。出産育児一時金との違いや、出産手当金によくある質問について紹介するので、参考にしてください。

この記事でわかること
  • 出産手当金の概要
  • 出産手当金と出産一時金の違い
  • 出産手当金の申請方法

出産手当金とは

出産手当金とは、出産を理由に産前および産後休業を取得した際、その間に支払われなかった給与を補填する目的で健康保険から支払われるものです。対象は、企業に勤務し、その企業の健康保険に加入している被保険者です。

事業主は従業員である女性が出産するにあたって、産前および産後休業を取得させる義務があります。

「使用者である企業は、6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合、これを認めなければならない。また、産後8週間(女性が請求した場合は産後6週間)を経過しない女性の就業を禁ずる」(引用:労働基準法第65条)

ただし、休業中の給与の支払いについては特に決まりはないため、無給の場合もあれば、通常通り支払われる場合もあります。勤務先の就業規則で確認してください。

出産手当金と出産育児一時金の違い

出産の際に受け取れるものとしては、出産手当金のほかに、出産育児一時金もあります。出産育児一時金と出産手当金は混同されやすいため、間違えないようにしておきましょう。

出産手当金と出産育児一時金は、それぞれの条件にあてはまれば両方もらうことができます。

両者の違いについて、下表にまとめます。

  出産育児一時金 出産手当金
目的 出産にかかる費用負担を減らす 出産のために休業した際の収入の減少を補填する
対象者 国民健康保険の加入者および健康保険組合の被保険者または被扶養者 勤務先の健康保険の被保険者
金額 50万円 (1日あたり)支給開始日以前1年間の平均標準報酬月額÷30日×2/3
申請先 加入している健康保険の窓口(直接支払制度の場合は病院) 勤務先もしくは加入している健康保険組合の窓口

出産手当金と出産育児一時金は併用可能です。

出産育児一時金は、国民健康保険および健康保険組合に加入している人が出産した場合に受け取れます。一方で出産手当金は、勤務先の健康保険組合に加入している被保険者しか受け取れません。

つまり、出産育児一時金はほぼすべての人が受け取れるのに対し、出産手当金は要件を満たした人だけが受け取れるという違いがあります。

出産手当金の対象者

出産手当金がもらえるのは、以下の条件を満たす場合です。

  • 勤務先の健康保険に加入していること
  • 妊娠4ヵ月以降の出産であること
  • 出産のために休業していること

一方、以下に該当する人はもらえません。

  • 国民健康保険の被保険者である
  • 扶養家族である
  • 休業中に給与の支払いがあり、その額が出産手当金の額を超えている
  • 任意継続被保険者である

出産手当金を受け取るためには、健康保険の被保険者本人で、その他の要件を満たす人でなければなりません。

出産手当金がもらえないケースについては、下記の記事で詳しく解説しています。合わせて参考にしてみてください。

出産手当金が受けられる期間と支給日は?

出産手当金の対象となる受給期間は、出産日前42日から出産後56日の間です。

1日あたりの支給額は、以下の方法で計算されます。

[支給開始日以前1年間の平均標準報酬月額]÷[30日]×[2/3]

例えば、支払開始日以前1年間の標準報酬月額の平均額が28万円だった場合、1日当たりの支払い金額は、以下の通りです。

28万円÷30日間×2/3=6,222円(1円未満切り捨て)

出産日が予定よりも前後した場合の支払期間の取り扱いは、以下の通りです。

出産日が予定よりも前になった場合

出産予定日前42日間+出産後56日=合計98日間

出産日が予定よりも後になった場合

出産予定日前42日間+出産予定日から遅れた出産日までの日数+出産後56日=合計98日+出産予定日から遅れた出産日までの日数

支給日は申請するタイミングによって異なります。産前および産後休業分をまとめて休業明けに申請すると、その後に一括で支払われます。一方、産前と産後に分けて申請すると、産前分は出産後すぐに申請するため、まとめて申請するよりも早く受け取れます。

出産手当金を早く欲しい方は、出産前に申請書類の準備をしておきましょう。

加入している健康保険組合によって異なりますが、一般的には申請から支給までの期間は1ヵ月程度です。

出産手当金の申請方法

出産手当金の申請は、以下の手順で行います。

  1. 健康保険出産手当金支給申請書をもらう
  2. 病院と勤務先で申請書を記入してもらう
  3. 書類を郵送する

健康保険出産手当金支給申請書をもらう

加入している健康保険組合から健康保険出産手当金支給申請書を受け取ります。健康保険組合から直接もらうか、会社を経由してもらうことができます。また、健康保険組合のサイトからダウンロードできる場合もあります。

もらうタイミングは、産前および産後休業分をまとめて申請する場合と、分けて申請する場合で異なります。まとめて申請する場合は産後でも構いませんが、病院の医師の記入欄があるため、産前休業に入る前に入手しておきましょう。

健康保険出産手当金支給申請書には、被保険者の情報や手当金の振込口座情報などを記入します。

産院と勤務先で申請書を記入してもらう

健康保険出産手当金支給申請書には、勤務先および病院に記入してもらう欄もあるので、それぞれに依頼しましょう。

また、支給開始日以前1年以内に事業所に変更があった場合は、以前の事業所の名称や所在地、そしてその事業所に使用されていた期間がわかる書類が必要です。万が一、被保険者が亡くなり、相続人が請求する場合には、被保険者との続柄がわかる戸籍謄本などを用意しなければなりません。

書類を郵送する

記入箇所がすべて埋まったら、健康保険組合の窓口に郵送で提出します。中には自分や病院側の記入箇所が埋まった時点で勤務先に提出し、勤務先が記入後、健康保険の窓口に提出してもらえるケースもあります。

マイナンバーを記載した場合は、マイナンバーが確認できる書類(マイナンバーカードのコピーなど)の提出が必要です。

申請には期限があり、出産のために休業を開始した日から2年以内です。そして、申請後1ヵ月程度で指定した口座に出産手当金が振り込まれます。

出産手当金についてよくある質問

ここでは、出産手当金についてよくある質問について紹介します。

  • 会社を退職する場合でも受給できる?

    会社を退職する場合でも、受給できる可能性があります。会社を退職しても出産手当金を受給するためには、以下の要件をすべて満たさなければなりません。
    ・退職した日までに継続して1年以上の被保険者期間があること(ただし、任意継続を除く)
    ・退職した日の翌日に出産手当金を受けている、もしくは受ける条件を満たしていること
    ただし、退職日に勤務した場合は、退職日の翌日以降の出産手当金が受け取れなくなる点に注意してください。

  • 出産育児一時金と併用できる?

    出産手当金と出産育児一時金の併用は可能です。
    出産手当金の方が満たさなければならない条件が多くあるものの、要件を満たしていれば、出産手当金と出産育児一時金は併用できます。
    ただし、手続きは異なるので、申請先や申請方法を確認してください。

出産で受け取れるその他のお金


出産にあたっては、出産手当金以外にも受け取れるお金があります。ただ、属性によって受け取れるお金が異なる点に注意が必要です。

以下に出産に関して出産手当金以外に受け取れるお金について、受け取れるかどうかと、受け取るための条件を記載するので参考にしてください。

  会社員 専業主婦・自営業 受け取り条件
出産育児一時金 健康保険の被保険者もしくは被保険者の扶養者であること
育児休業給付金 × 育児休暇を取得する前の2年間に11日以上働いた期間が1年以上あることなど(入社して1年未満は不可)
児童手当 15歳までの児童を養育しており、所得制限を満たすこと
医療費控除 生計を1つにする家族および親族が1年間に支払った医療費が10万円以上を超える場合(確定申告の必要あり)
高額療養費 月の1日~末日までにかかった医療費が所得に応じて定められた上限額を超えていること

出産に関して受け取れるお金は出産手当金以外にも多くあります。また、自治体独自で用意されている制度もあるので、住んでいる自治体のホームページを確認しておきましょう。

出産したとき国からもらえるお金については、下記の記事で詳しく解説しています。合わせて参考にしてみてください。

産休・育休中に考えておきたいお金のこと

出産によって家族が増えるのは喜ばしいことです。しかし、子どもを産み、育てるには想像以上にお金がかかります。

特に、子どもの教育資金をどのように用意するかは大きな課題です。子どもの進路によって必要となる金額は異なるため、計画的に準備する必要があります。

お金に関して、産休・育休中に行っておきたいことは以下の通りです。

  • 子どもの進路を夫婦で話し合う
  • 家計について見なおす
  • 資産運用を検討する
  • FPに相談する

子どもの進路を夫婦で話し合う

子どもの教育資金を準備するためには、子どもの教育方針や進路について夫婦で話し合うことが大切です。

夫婦間に考えの相違があると、目標とする費用が定まりません。例えば、夫は「高校まで公立」と考えていたのに、妻が「中学から私立に通わせたい」と考えていた場合、かかる費用が変わってきます。

幼稚園から大学までの学費の平均は、以下の通りです。

私立 国公立
幼稚園 約92万7000円 約49万8000円
小学校 約1000万2000円 約211万8000円
中学校 約431万1000円 約161万7000円
高等学校 約316万5000円 約153万9000円
大学 文系:約363万8000円
理系:約497万6000円
約242万6000円
出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」「国立大学の授業料その他の費用に関する省令

それぞれの進学課程において、私立と国公立でどのくらい費用が異なるのか相場を把握しておく必要があるでしょう。

家計について見直す

教育費を捻出するためには、まずは家計を見直すとよいでしょう。節約ができれば、貯蓄額を増やすことにつなげられます。

家計を見直す際には、現在の収支がどのようになっているか把握したうえで節約できる部分を見つけましょう。そのためには、毎月の預貯金額など、目標を立てることも大切です。

また、家計を見直す際には、固定費に注目してください。固定費とは、住居費や通信費、水道・光熱費など毎月かかる費用のことです。固定費は一度見直すとその効果が長く続きます。

家計の見直しを具体的に行うための方法や節約アイデアについては、家計の見直し方法や節約アイデアを参考にしてください。

資産運用を検討する

家計の見直しによって、貯蓄できるだけの見通しが立ったら、次に資産運用も検討しましょう。投資信託や株式などを購入することにより、資産を増やせる可能性が広がります。

資産運用は、早くから行うことで、その効果がより大きくなります。教育費用についてはできるだけ早く、可能であれば子どもが産まれる前からどのような方法で準備していくか考えることが大切です。

FPに相談する

出産のタイミングは、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのに理想的なタイミングです。

FPには、家計の見直しや教育資金のほか、資産運用、住宅購入、保険、節税など、さまざまな分野の相談ができます。FPに相談することで自分たちに合った資産形成方法をアドバイスしてもらえます。

FPへの相談には有料のものと無料のものがあります。おすすめのFP相談は、以下の記事も参考にしてください。
FP相談おすすめ一覧!お金の相談ができるサービスを無料・有料別に紹介

まとめ

出産手当金とは、出産に関して休業した際に、健康組合から支給してもらうものです。そのため、企業に勤務している、健康保険の被保険者でなければ受け取れません。

出産手当金の申請にあたっては、健康保険出産手当金支給申請書を提出する必要があります。書類の受け取り方法や提出方法については企業で異なるため、流れを確認しておきましょう。病院の医師の記入欄があるため、できれば産前休業に入る前に入手しておくことをおすすめします。

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