児童手当の所得制限における年収の目安|子育て世帯が知っておきたいその他の支援やお金の知識

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

児童手当は、子どもを養育する家庭に毎月決まった額が支給される制度ですが、所得制限が設けられています。一定額を超える高所得者は支給額が減ったり、支給対象外となったりするので注意が必要です。

この記事では、児童手当の所得制限について解説し、所得制限によって手当が受けられないときの対策を紹介します。

児童手当の所得制限は2段階

児童手当とは、中学校卒業まで(15歳の誕生日のあとの最初の3月31日)の児童を養育している人に対して支給される手当です。児童手当を受け取るためには、所得の要件を満たす必要があります。

児童手当の所得制限には、「限度額」と「上限限度額」が設けられています。

所得が「限度額未満」の場合には、通常通り支給されます。支給月額は以下の通りです。

  • 0~3歳未満:一律1万5000円
  • 3歳~小学生:1万円/第3子以降は1万5000円
  • 中学生:一律1万円

「限度額以上、上限限度額未満」の場合は、特例給付として一律5,000円がもらえます。

「上限限度額以上」の場合は手当は支給されません。

なお、現在の所得制限は、2024年10月の制度改正により撤廃される予定です。

児童手当の所得制限「限度額」と「上限限度額」

児童手当の所得制限における限度額、および上限限度額の目安を紹介します。

限度額および上限限度額は、扶養親族等の数によって変動します。共働き世帯の場合、世帯収入ではなく、夫婦どちらかの所得が高い方が基準となります。

限度額と収入の目安

児童手当の所得制限における限度額と、対応する収入の目安は、下表の通りです。

扶養親族等の数 限度額 収入の目安
0人 622万円 833万3000円
1人 660万円 875万6000円
2人 698万円 917万8000円
3人 736万円 960万円
4人 774万円 1002万円
5人 812万円 1040万円

※扶養親族の数は、年収が103万円以上の配偶者も含みます

出典:内閣府「児童手当制度のご案内

所得制限限度額は子どもの人数に応じて高くなっています。例えば、子どもが4人いる家庭は年収1000万円以上でも児童手当が支給されることがわかります。

上限限度額と収入の目安

児童手当の所得制限における上限限度額と、対応する収入の目安は、下表の通りです。

扶養親族等の数 上限限度額 収入の目安
0人 858万円 1071万円
1人 896万円 1124万円
2人 934万円 1162万円
3人 972万円 1200万円
4人 1010万円 1238万円
5人 1048万円 1276万円

※扶養親族の数は、年収が103万円以上の配偶者も含みます

出典:内閣府「児童手当制度のご案内

収入の目安はいずれも1000万円以上となっており、子どもの数が多いほど金額は高くなっています。

児童手当の所得限度額の計算については、「児童手当の所得限度額の計算方法と所得制限ギリギリのときの対策」も参考にしてください。

共働き世帯における児童手当の所得制限

共働き世帯の数は年々増加しており、2022年には1262万世帯にまで増えています。

共働き世帯における児童手当の所得制限は、世帯収入ではなく、夫もしくは妻どちらか収入が高い方が基準になります。そのため、世帯年収が高い家庭でも児童手当を受けられることもあれば、世帯年収が低いにもかかわらず片方の収入が高いために児童手当を受けられないケースもあります。

共働きで子どもが1人の世帯の例

共働きで子どもが1人の世帯に関して、夫婦の年収パターン別に児童手当の支給状況を見てみましょう。

所得制限上限額(児童手当をもらえない年収・所得額)
夫の年収 妻の年収 世帯収入 児童手当
700万円 600万円 1300万円 満額支給
900万円 400万円 1300万円 特例給付
1200万円 100万円 1300万円 支給停止

世帯収入が同じ1300万円でも、満額もらえる家庭と特例給付の家庭、さらには児童手当が支給されない家庭に分かれることがわかります。

共働きで子どもが2人の世帯の例

では、共働きで子どもが2人の世帯ではどうでしょうか。

所得制限上限額(児童手当をもらえない年収・所得額)
夫の年収 妻の年収 世帯収入 児童手当
850万円 800万円 1650万円 満額支給
1000万円 500万円 1500万円 特例給付
1200万円 300万円 1500万円 支給停止

世帯収入が同じ1500万円でも、特例給付の家庭と、手当が支給されない家庭に分かれます。

また、世帯収入がより多い1650万円の家庭でも、児童手当を満額受けられるケースがあることもわかります。

所得制限で児童手当が受けられないときの対策

所得が多いからといって、子どもにかけられる資金に余裕があるとは限りません。収入が多ければそれだけ支払う所得税や住民税が高くなり、家庭によっては住宅ローンの支払いなどの支出が家計を圧迫している可能性もあります。

所得制限によって手当の支給が受けられない人は、税金をどのようにしたら少なくできるか、自分たちに合った資産形成の方法について理解を深めておきましょう。

所得制限がない子育て支援制度もある

自治体の子育て支援の中には、所得制限が設けられていない制度もあります。

所得制限がない子育て支援の例は、以下の通りです。

  • 子どもがいる家庭への給付金
  • 高校生までの子どもの医療費無料
  • 第2子以降は保育料完全無料
  • 公共施設の入場料が無料

ただし、子育て支援の内容は自治体によって異なります。例えば子どもの医療費については、自己負担額や無料となる対象年齢は全国一律ではありません。住んでいる地域の自治体がどのような支援を行っているか確認してみましょう。

所得制限により手当が受けられないときの税金対策

所得制限で児童手当が受けられない人におすすめの税金対策は、次の通りです。

  • 配偶者控除
    配偶者の所得が48万円(年収103万円)以下であれば、最大38万円の所得控除が受けられます。ただし、納税者の所得が1000万円以下である必要があります。
  • 扶養控除
    配偶者以外の親族で生計を一にしており、所得金額が48万円以下であれば、年齢によって扶養控除の対象になります。控除額は一般の扶養親族が38万円、特定扶養親族(19歳~23歳)が63万円、老人扶養親族(70歳以上)が48万円、同居老親が58万円です。
  • 生命保険料控除
    生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払っている場合は、年間の支払保険料に応じた控除が受けられます。控除額は最大12万円です。
  • 地震保険控除
    地震保険に加入しており、保険料を支払っている場合、支払った年間の保険料に応じて最大5万円の控除が受けられます。
  • 医療費控除
    年間に支払った医療費(生計を一にする人が支払った医療費の合計)が10万円を超える場合、10万円を超える部分について控除の対象になります。
  • 特定支出控除
    給与所得者で、業務にかかる経費と認められた支出を特定支出とし、一定の計算式で求めた金額を所得控除できます。

控除を受けるためには、要件を満たさなければならないもの、確定申告を行うことで適用されるものなどさまざまです。控除を受けるための条件をあらかじめ確認しておきましょう。なお、ふるさと納税や住宅ローン控除は、児童手当の所得制限の算出においては控除の対象外となります。

所得制限により手当が受けられないときの資産形成の手段

所得制限のため、児童手当の支給が受けられない場合もあります。そのため、教育資金や子育て資金を作るには、以下の方法などで資産形成しておくとよいでしょう。

  • NISA
  • 不動産投資
  • 株式投資

投資を行うためには、ある程度の知識が必要です。また、投資方法によっては元本割れする可能性があるため、リスクコントロールをしながら運用することを心がけましょう。

NISA

定められた年間上限額以内で、購入した運用商品を一定期間非課税で運用できる制度です。一般NISAとつみたてNISAがあります。

一般NISAは年間120万円まで、最大5年間非課税で運用できます。つみたてNISAは年間40万円まで、最大20年間非課税で運用可能ですが、金融庁が認めた投資信託しか購入できません。

NISAは2024年1月に新制度に移行予定です。一般NISAとつみたてNISAの併用が可能になり、年間の非課税投資枠が360万円になり、非課税運用期間は無期限となります。

不動産投資

現物の不動産を購入して賃料収入を得る方法と、不動産に投資する投資信託(REIT)を購入して運用する方法があります。

現物の不動産を購入した場合、市場の動きによっては売却益を得ることも可能です。ただし、初期投資の額が大きく、不動産投資に関する知識がある程度求められます。

株式投資

株式を購入し、株価が購入時よりも値上がりしたときに売却することで売却益が得られます。また、株式を保有していることで、配当金が得られる可能性もあります。

銘柄によっては株主優待を用意しているものもあり、特別なサービスを受け取ることが可能です。

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子どもの教育資金や子育て資金で悩みがある場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談もおすすめです。FPとは、家計相談や資産運用、ローン、保険などについてアドバイスしてくれるお金の専門家です。

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まとめ

児童手当には所得制限が設けられており、所得によって減額されたり、支給されなかったりします。また、共働き世帯の場合、夫婦で収入の多い方の所得を基準とするため、世帯年収が同じでも、手当の支給を受けられる世帯と受けられない世帯が生じます。

所得制限によって児童手当を受けられない人は、この記事で紹介したほかの支援制度を利用したり、NISAなどを活用して資産形成することも検討してみましょう。

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