その結果、「手数料や口座維持費などのコスト」(36.2%)が最も多く、「ポイント還元があるか」(21.9%)、「取り扱い商品のラインナップの幅広さ」(19.8%)と続きました。
ここでは同アンケートの結果をもとに、証券口座の選び方について下記項目を解説します。
- 手数料などのコスト
- ポイント還元があるか
- 取扱商品の種類
- 希望する決済方法に対応しているか
- 特典やキャンペーンを実施しているか
- 外国株の種類
- 最低取引金額
- NISA・iDeCoといった制度への対応
- 投資情報やセミナーの充実度
- 投資スタイルに合う機能の充実度
- 管理画面の使いやすさ
手数料などのコスト
証券会社を選ぶ際、手数料が無料または安い会社を選ぶようにしましょう。
手数料にもさまざまな種類がありますが、特に初心者が利用する投資信託の買付手数料をまとめると、下表の通りです。
証券会社名 |
投資信託の買付手数料 |
楽天証券 |
無料 |
SBI証券 |
無料 |
マネックス証券 |
無料 |
auカブコム証券 |
無料 |
野村証券 |
銘柄ごとに異なる |
SMBC日興証券 |
0~2.1% |
松井証券 |
無料 |
PayPay証券 |
無料 |
大和コネクト証券 |
無料 |
みずほ証券 |
ファンドごとに異なる |
GMOクリック証券 |
無料 |
岡三オンライン |
無料 |
主要ネット証券会社はすべて、投資信託を無料で買付できます。店頭型証券だと手厚いサポートが受けられる反面、手数料がかかる傾向があります。
もし、頻繁に売買するのであれば、手数料が安い証券会社を選ぶのがおすすめです。反対に、取引回数が年に数回であれば、手数料よりも商品のラインナップなどを重視した方がよいでしょう。
証券会社によっては、取扱商品や「25歳以下」などの条件によって手数料が無料になるものもあります。また、新NISA開始に合わせて楽天証券・SBI証券・マネックス証券・auカブコム証券・松井証券はNISA関連の手数料を無料化しました。
取引したい商品や、自分の条件によって手数料が安くなる会社を選ぶのも1つの手です。
ポイント還元があるか
証券会社によっては、投資金額に応じて特定のポイントが貯まります。
証券会社ごとで貯まるポイントをまとめると、下表の通りです。
証券会社名 |
貯まるポイント |
楽天証券 |
・楽天ポイント |
SBI証券 |
・Vポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALポイント ・PayPayポイント |
マネックス証券 |
・マネックスポイント |
auカブコム証券 |
・Pontaポイント |
野村証券 |
なし |
SMBC日興証券 |
・Vポイント ・dポイント |
松井証券 |
・松井証券ポイント |
PayPay証券 |
・PayPayポイント |
大和コネクト証券 |
・dポイント ・Pontaポイント |
みずほ証券 |
なし |
DMM株 |
・DMM株ポイント |
GMOクリック証券 |
なし |
岡三オンライン |
・dポイント |
Vポイントやdポイント、Pontaポイントが貯まる証券会社が多く、SBI証券は貯めるポイントが選べます。
ポイントを貯めたり、使ったりしながらお得に投資をしたい人は、普段よく利用するポイントに注目して選ぶのがおすすめです。
取扱商品の種類
取扱商品とは、国内株式・外国株式・信用取引・債券・IPO(新規公開株)・FXなどのことです。購入できる商品の種類の幅が広い証券会社は、下表の通りです。
証券会社名 |
取扱商品 |
楽天証券 |
・国内株式 ・外国株式 ・投資信託 ・FX ・債券 ・金、プラチナ、銀 ・おまかせ資産運用サービス ・CFD ・先物、オプション ・バイナリーオプション ・NISA ・iDeCo |
SBI証券 |
・国内株式 ・外国株式 ・投資信託 ・おまかせ資産運用サービス ・債券 ・FX ・先物、オプション ・CFD ・金、銀、プラチナ ・保険 ・NISA ・iDeCo |
岡三オンライン |
・現物株式 ・ETF ・ETN ・REIT ・信用取引 ・投資信託 ・FX ・CFD ・IPO(新規公開株) ・NISA ・iDeCo |
証券会社によって取扱商品が異なるため、自分が取引したい商品があるかは必ずチェックしましょう。
希望する決済方法に対応しているか
株式や投資信託で積立投資をする場合、クレジットカードで決済する「クレカ積立」を利用できる証券会社があります。
クレカ積立ができれば、決済額に応じたポイントをもらえるので、お得に投資ができます。クレカ積立ができる証券会社・対象クレジットカード・ポイント還元率をまとめると、下表の通りです。
証券会社名 |
対象クレジットカード |
ポイント還元率 |
楽天証券 |
楽天カード |
最大1.0% |
SBI証券 |
三井住友カード |
最大5.0% |
マネックス証券 |
マネックスカード |
最大1.1% |
auカブコム証券 |
auPAYカード |
1.0% |
PayPay証券 |
PayPayカード |
0.7% |
大和コネクト証券 |
セゾンカードUCカード |
最大1.0% |
例えば、三井住友カードを持っている人がSBI証券で投資積立をすると、最大5.0%のポイントが貯まります。毎月5万円のクレカ決済で2,500ポイントが貯まり、年間なら3万ポイント、20年投資を続ければ60万ポイントも貯まります。
ポイント還元率が高い証券会社や、普段から使っているクレジットカードでポイントを貯められる証券会社を選ぶとよいでしょう。
特典やキャンペーンを実施しているか
証券会社によっては、特典やキャンペーンを用意しているところがあります。特に口座開設でポイント還元やプレゼントがもらえるキャンペーンは、条件が少なく誰でも取り組みやすいです。
2024年6月現在で口座開設キャンペーンを実施している証券会社と、キャンペーン内容をまとめると下表の通りです。
証券会社名 |
キャンペーン内容 |
適用条件 |
楽天証券 |
2,000円相当の株ギフトプレゼント |
クイズに正解&口座開設等 |
マネックス証券 |
4,200ポイントのdポイントプレゼント |
クイズに正解&エントリーして新規口座開設・NISA口座開設・アンケート回答 |
auカブコム証券 |
NISA口座開設と投信取引で、もれなく最大5,000Pontaポイントプレゼント |
NISA口座開設と投信取引 |
松井証券 |
松井証券ポイントを2,000ポイントプレゼント |
新規で松井証券総合口座およびNISA口座を開設&クイズに正解 |
PayPay証券 |
1,000ポイントのPayPayポイントプレゼント |
クイズに正解してPayPay証券口座&NISA口座開設 |
大和コネクト証券 |
1,000ポイントのdポイントまたはPontaポイントプレゼント |
大和コネクト証券の口座開設とdアカウントまたはPonta会員IDの連携 |
岡三オンライン |
最大5,000ポイントのdポイントプレゼント |
新規口座開設と条件達成 |
決められた期間内に条件をクリアできるかをチェックしたうえで、キャンペーンおよび証券会社を選ぶようにしましょう。
外国株の種類
外国株は、証券会社によって取り扱っている国や銘柄が大きく異なります。外国株を購入したいなら、取扱数が多い証券会社を選びましょう。
外国株を多く取り扱っている証券会社は、以下の通りです。
証券会社 |
取扱可能国 |
銘柄数 |
SBI証券 |
アメリカ |
6,000超 |
中国 |
1,301 |
韓国 |
68 |
ベトナム |
303 |
ロシア |
29 |
インドネシア |
74 |
シンガポール |
38 |
タイ |
77 |
マレーシア |
44 |
楽天証券 |
アメリカ |
約4,680 |
中国 |
約1,600 |
ASEAN (シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシアなど) |
約250 |
マネックス証券 |
アメリカ |
5,000超 |
中国 |
2,000超 |
auカブコム証券 |
アメリカ |
1,799 |
SBI証券では、米国株が5,190銘柄超と種類がかなり豊富にあります。また、韓国やロシアなど、珍しい国の株式投資も可能です。
銘柄数を重視するなら、SBI証券を選ぶとよいでしょう。
最低取引金額
株式の売買単位のことを1単元といい、日本の上場会社では基本的に100株を1単元としているため、最低取引金額は株価×100株で計算できます。
株式の最低取引金額
最低投資金額=株価×1単元(基本的に100株)
ただし、証券会社によっては1株から購入可能です。1株単位で購入できれば、数百円から数千円で株式投資を始められます。
1株単位で購入可能な証券会社の例
- SBI証券
- マネックス証券
- LINE証券
- auカブコム証券
- 岡三オンライン
NISA・iDeCoといった制度への対応
投資をする際には、譲渡益や分配金、配当金などに税金がかからないNISAや、税制優遇のメリットが多いiDeCoといった制度の活用もおすすめです。
ただし、NISAやiDeCoはすべての証券会社で取り扱っているとは限らないので、各社の対応状況を確認しておきましょう。
NISA口座におすすめの証券会社は、こちらの記事「NISA口座のおすすめ証券会社10選!初心者におすすめの投資信託も紹介」も参考にしてください。
投資情報やセミナーの充実度
各証券会社では、投資の基礎知識・投資に関連するニュース・投資に役立つアナリストのレポート・目的別セミナーなど、さまざまな情報を提供しています。
ただし、情報量は証券会社によって違いがあります。投資に関する情報収集を効率的に行いたい人は、投資情報やセミナーが充実した証券会社を選びましょう。
取引用口座とは別に、情報収集用の口座を開設するのも手です。
投資スタイルに合う機能の充実度
一口に投資といっても、主に日本株の取引をしたい人や外国株の取引をしたい人、IPO狙い、信用取引中心など投資スタイルは人それぞれです。
外国株の取引をしたい人は外国株の取扱銘柄が多い証券会社など、自分のスタイルに合った会社を選ぶことが大切です。
投資スタイルに合った証券会社選びの例
- 外国株の取引をしたい:SBI証券、マネックス証券など
- IPO狙い:SBI証券、野村證券、大和証券など
- 信用取引中心:松井証券、LINE証券など
管理画面の使いやすさ
投資をするなら、管理画面や取引ツールの使いやすさも重要です。シンプルすぎても情報が足りず、機能が多すぎても初心者には難しく感じる場合があります。
管理画面が見づらかったり、デザイン性が良くなかったりすると、スムーズに操作ができずに取引のタイミングを逃す可能性もあるでしょう。
無料で口座開設して試しに使ってみたり、デモトレードができる証券会社であれば、デモトレードで使いやすさを試してみたりするのがおすすめです。