【2023年】NISA口座おすすめの証券会社は?選び方のポイントも解説

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング

河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

NISAに興味はあるものの、「何から始めればいいのかわからない」「どの証券会社に口座を開設するか迷っている」人も多いのではないでしょうか。

この記事では、NISA口座を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説し、NISA口座開設におすすめの証券会社7社を紹介します。NISA口座を開設する際の参考にしてください。

NISA口座選びのポイント

NISA(少額投資非課税制度)とは、株取引などの投資で得た利益が非課税になる制度です。

通常の株取引では利益に対し約20%課税され、そのぶんが差し引かれますが、NISAの場合は利益の全額を受け取ることができます。

NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があり、どちらか1つしか利用することができません。それぞれ非課税投資枠の年間上限や非課税保有期間が異なるので、目的に合ったものを選んでください。

つみたてNISA 一般NISA
対象者 18歳以上 18歳以上
非課税保有期間 最大20年間 最大5年間
非課税投資枠 年間40万円 年間120万円
投資対象商品 投資信託(金融庁が指定する銘柄) 国内株式、海外株式、投資信託
投資方法 積立投資 一括投資、積立投資

NISAを始めるためには、専用のNISA口座が必要です。証券口座や銀行口座などは、金融機関ごとに別の口座を作ることができますが、NISA口座は1人1つしか持てません。

NISA口座は銀行や郵便局、証券会社などさまざまな金融機関で開設できますが、開設した金融機関によって取扱商品や手数料、NISAでできることが異なります。

NISA口座の開設先を選ぶポイントは、次の5点です。

  • 口座開設数で選ぶ
  • 取扱商品で選ぶ
  • 手数料で選ぶ
  • IPO実績で選ぶ
  • 積立方式で選ぶ

口座開設数で選ぶ

NISA口座は1人1つしか持つことができませんが、証券口座は複数持つことが可能です。口座開設数の多い証券会社は、それだけたくさんの人々のニーズに合ったサービスを提供していると考えられるでしょう。

利用者数の多さは、サポート体制やサービス面の充実につながるので、そうした点でも安心して選ぶことができます。

取扱商品で選ぶ

取扱商品とは、証券会社で購入できる商品(銘柄)のことです。NISA口座で購入できる商品は、国内株式、海外株式、投資信託など多岐に渡ります。それぞれのメリット・デメリットは、下表の通りです。

メリット デメリット
国内株式 ・情報が多い
・株主優待がある
・株式市場に時差がない
・通貨が円
・値幅制限がある
・元本保証がない
・売買手数料がかかる
・初心者には難しい
海外株式 ・世界的な大企業に投資できる
・未知数の新興国に投資できる
・リスクを抑えて投資が可能
・高配当が期待できる
・1株から少額投資できる
・為替変動の影響を受ける
・株式市場に時差がある
・元本保証がない
・売買手数料がかかる
・初心者には難しい
投資信託 ・分散投資でリスクの軽減が可能
・取扱商品(銘柄)が豊富
・運用の手間がかからない
・少額から始められる
・長期保有が前提
・信託手数料がかかる
・元本保証がない

国内株式

国内株式とは、日本国内の証券取引所に上場している企業の株式のことです。

国内株式の最大のメリットは、ニュースなどから情報を得やすく、値動きの傾向がつかみやすい点です。株主優待がある会社が多いのも魅力といえるでしょう。

また、株式市場に時差がないのでリアルタイムでの取引が可能です。取引通貨が円なので、為替変動の影響を受けません。

さらに、株価の暴騰・暴落を防ぐために、株価が1日に変動できる上下の幅を制限する「株価制限」(いわゆるストップ高・ストップ安)があるのも安心材料の1つです。

一方でデメリットとしては、売買手数料がかかることや、元本保証がないことなどが挙げられます。

海外株式

海外株式とは海外企業が発行し、主に海外の証券取引所に上場している株式のことです。

海外株式のメリットは、世界的な大企業や未知数の投資できること、外貨資産を持つことで円高や円安のリスクを分散できることなどです。

海外株式は国内株式と比べて高配当で、最少1株から購入できます(国内株式は単元株制度で、通常100株単位で購入する必要があります)。

デメリットは、為替変動の影響を受けること、株式市場に時差があることなどです。売買手数料がかかる点や、元本保証がない点は国内株式と同じです。

投資信託

投資信託とは、プロの投資家が選んだ株式や債券などの複数の資産をパッケージ化したものです。

多くの資産に分散投資することでリスクヘッジできることが、最大のメリットです。運用をプロに任せられる安心感があり、少額から始められるため、初心者に向いています。

デメリットは、株式のようなタイムリーな売買取引ではなく、複利効果を得やすい長期保有が前提なので、資金を動かしにくいことが挙げられます。また、運用を任せるための信託報酬がかかる一方、プロに任せたからといって元本保証があるわけではない点に注意が必要です。

手数料で選ぶ

NISAでかかる手数料とは、株式や投資信託を売買する際に発生するお金のことです。「1注文あたりの取引額ごと」「1日の合計取引額に応じる」など証券会社ごとに手数料の金額や設定が異なるので、取引回数や金額に合わせて考えることが大切です。

ネット証券の多くが「NISA口座は手数料無料」と謳っていますが、「国内株式のみ」「25歳以下のみ」など条件付きがほとんどなので、よく確認してください。

IPO実績で選ぶ

IPO(新規公開株式)とは、「Initial(=最初の) Public(公開の) Offering(売り物)」の略で、未上場企業が新規に株式を証券取引所に上場することです。

新規上場時の公募価格は、売れ残りが出ないように企業と証券会社が協議します。多くの場合、割安に設定されて売り出されるため、上場直後は値が上がりやすくなります。しかし、購入できるのは「幹事」という上場予定会社のサポートを務める会社に限られ、購入も抽選制です。

IPOの取扱い実績数が多い証券会社に口座を作れば、IPOを購入できるチャンスも訪れやすいでしょう。証券会社ごとにIPO購入の抽選方法が異なるので、その内容も判断基準にしてください。

積立方式で選ぶ

積立方式とは、証券会社で一度に注文する金額と頻度を前もって設定することです。金額は100円から設定できる証券会社もあり、少額から運用をスタートできます。積立頻度は「毎日」「毎週」「毎月」などから選ぶことができ、これも証券会社ごとに異なります。

積立方式を選ぶメリットは、金額を少なく、頻度を多くすることによって投資のリスクを軽減できることです。リターンも少なくなりますが、自分の投資可能金額やライフスタイルによって投資内容を変更できるのは魅力の1つです。

NISA口座のおすすめ証券会社7社を徹底比較

NISA口座の開設におすすめの証券会社を7社紹介します。

口座開設数 手数料 取扱商品
国内株 海外株 投資信託
SBI証券 1000万口座 無料
楽天証券 864万口座 無料
マネックス証券 220万口座 無料
松井証券 143万口座 無料 ×
GMOクリック証券 50万口座 無料 ×
auカブコム証券 151万口座 無料 ×
DMM.com証券 77万口座 無料 ×

(※)2023年3月現在

口座開設数は大きな違いがありますが、手数料は7社とも無料です。取扱商品は各社異なり、口座開設数に比例して充実している傾向が見られます。

SBI証券

SBI証券は国内株式、海外株式、投資信託ともに取りそろえており、取扱商品のラインナップが豊富です。2023年3月に、国内初となる証券総合口座1000万を達成しました。

IPO対応も他社に比べて圧倒的に多く、取扱商品の充実度、手数料の安さ、サポート体制(早朝夜間取り扱い可能)など必要条件がバランスよく整っており、初心者から上級者まで幅広くおすすめできる証券会社です。

SBI証券のおすすめポイント

  • 豊富な商品ラインナップ
  • 口座開設数1
  • 手数料無料
  • 貯められるポイントの種類が多い
口座開設数 1000万口座
手数料 無料
国内株
海外株 ○(9ヵ国)
投資信託 ○(2,691本)つみたてNISA:172銘柄
IPO対応 ○(122回)
最低積立金額 100円
積立頻度 毎日・毎週・毎月
貯まるポイント Tポイント、Pontaポイント、dポイント、Vポイント
公式サイト https://www.sbisec.co.jp

楽天証券

楽天グループの証券会社である楽天証券は、SBI証券と同じように取扱商品のラインナップが豊富なこと、口座開設数が多いことが魅力です。トレードツール「マーケットスピードⅡ」の使い勝手や、申し込み手続きのわかりやすさなどにも定評があります。

手数料の安さに加えて、投資信託の積立に楽天キャッシュ(電子マネー)や楽天カードが使え、楽天ポイントを効率よく貯めることができます。ポイントは投資にも利用可能です。

楽天証券のおすすめポイント

  • 豊富な商品ラインナップ
  • 手数料無料
  • 楽天ポイントが利用できる
  • 会員向けコンテンツやトレードツールなど
口座開設数 864万口座
手数料 無料
国内株
海外株 ○(6ヵ国)
投資信託 ○(2,633本)つみたてNISA:170銘柄
IPO対応 ×
最低積立金額 100円
積立頻度 毎日・毎月
貯まるポイント 楽天ポイント
公式サイト https://www.rakuten-sec.co.jp/

マネックス証券

マネックス証券は、国内株式、海外株式、投資信託など取扱商品のラインナップが豊富なこと、手数料が安いことが魅力です。

米国株取扱数はネット証券で最多となっており、「1株から買える」「円安・円高での為替差益も狙える」などのメリットがあるため、米国株式に興味がある人に特におすすめです。

IPO(新規公開株式)の抽選が完全平等抽選である点もメリットです。

マネックス証券のおすすめポイント

  • 豊富な商品ラインナップ
  • 手数料無料
  • 米国株の取扱数が多い
  • マネックスポイントが貯まる
口座開設数 220万口座
手数料 無料
国内株
海外株 ○(2ヵ国)
投資信託 ○(1,204本)つみたてNISA:151銘柄
IPO対応 ○(66回)
最低積立金額 100円
積立頻度 毎日・毎月
貯まるポイント マネックスポイント
公式サイト https://www.monex.co.jp/

松井証券

松井証券は、国内株式と投資信託の取扱商品のラインナップが豊富で、投資信託の手数料が安いことが特徴です。

一般口座の国内株式の取引でも25歳以下は無料、26歳以上も50万円まで無料である点がほかの証券会社にはないメリットです。

専用のオペレーターに銘柄探しや取引のタイミングを相談できる「株の取引相談窓口」や、投資を学べる情報メディア「マネーサテライト」などのサポート体制が充実しており、初心者でも安心して取引を始められます。

松井証券のおすすめポイント

  • 手数料無料
  • Webや電話での充実したサポート体制
  • 豊富な商品ラインナップ
口座開設数 143万口座
手数料 無料
国内株
海外株 ×
投資信託 ○(1,646本)つみたてNISA:170銘柄
IPO対応 ○(56回)
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月
貯まるポイント 松井証券ポイント
公式サイト https://www.matsui.co.jp/

GMOクリック証券

GMOグループのネット証券会社であるGMOクリック証券は、国内株式と投資信託の取扱いがあり、投資信託の手数料が安いことが魅力です。

一般口座では27歳以下の現物取引手数料が無料で、IPOにも対応しています。無料で使える取引ツール「おまかせ通知」を通じてタイムリーな情報が得られ、同社独自の分析ツールも利用可能です。

「投資チャンネル」ではスペシャリストの視点で投資情報が視聴できるなど、情報コンテンツが充実しています。

GMOクリック証券のおすすめポイント

  • 手数料無料
  • 取引ツール、分析ツールなどの投資情報コンテンツが充実
  • IPO対応がある
口座開設数 50万口座
手数料 無料
国内株
海外株 ×
投資信託 ○(129本)
IPO対応 ○(1回)
最低積立金額
積立頻度
貯まるポイント
公式サイト https://www.click-sec.com/

auカブコム証券

三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社であるauカブコム証券は、信頼性の高さが魅力の1つです。

NISA口座の手数料が無料なのはもちろん、NISA口座の開設で、一般・特定口座での現物株式取引手数料が最大5%割引になる「NISA割」が利用できます。au PAYカードによる投信積立で、Pontaポイントが貯まり投資にも使えます。

auカブコム証券のおすすめポイント

  • 手数料無料
  • 「NISA割」が使える
  • 三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社
口座開設数 151万口座
手数料 無料
国内株
海外株 ×
投資信託
IPO対応
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月
貯まるポイント Pontaポイント
公式サイト https://kabu.com/

DMM.com証券

DMMグループの証券会社であるDMM.com証券は、口座開設や取引ツールの操作方法をはじめ、株式に関する知識の問い合わせもできる平日24時間サポートがあり、初心者におすすめです。

一般口座では25歳以下の国内株式の取引手数料が無料となっています。米国株式は年齢にかかわらず取引手数料が無料で、米国株に興味がある人に特におすすめです。また、IPO(新規公開株式)の対応があるところもうれしいポイントです。

DMM.com証券のおすすめポイント

  • 手数料無料(米国株も無料)
  • 初心者にも安心な平日24時間サポート
  • IPO対応がある
口座開設数 77万口座
手数料 無料
国内株
海外株
投資信託 ×
IPO対応 ○(5回)
最低積立金額
積立頻度
貯まるポイント
公式サイト https://securities.dmm.com/

まとめ

NISA口座を開設するのにおすすめの証券会社を7社紹介しました。NISA口座は1人1つしか持つことができないので、どの証券会社で開設するかが重要です。証券会社によって取扱商品やサポート内容が違うので、口座選びのポイントを踏まえたうえで、自分に合った証券口座を選んでください。

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