出産を理由に会社を休んだ際に受け取れるのが出産手当金です。「出産手当金を受給できる条件は?」「受け取れないケースもあるの?」など気になる人もいるのではないでしょうか。
出産手当金を受給するためには条件を満たす必要があります。
この記事では、出産手当金がもらえないケースを解説します。
- 出産手当金を受け取れる条件
- 家族が増えることによって必要になるお金
【監修】株式会社RKコンサルティング
河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のマネー相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
出産を理由に会社を休んだ際に受け取れるのが出産手当金です。「出産手当金を受給できる条件は?」「受け取れないケースもあるの?」など気になる人もいるのではないでしょうか。
出産手当金を受給するためには条件を満たす必要があります。
この記事では、出産手当金がもらえないケースを解説します。
出産手当金とは、企業が加盟している健康保険組合に加入している被保険者が、出産のために休暇を取得した際に、健康保険組合から支給される手当です。
出産を理由に休暇を取得している場合の給与の支払いについては、企業によって異なります。休暇中の給与が支給されない場合はその期間収入が途絶えてしまい、家計に影響を及ぼします。出産手当金は、そのような収入の減少をカバーする目的で用意されています。
出産手当金を受け取るには、条件を満たす必要があります。対象者の条件は、以下の通りです。
申請方法は以下の通りです。
1日当たりの支給額:(出産手当金の支給開始日以前12ヵ月の標準報酬月額平均額÷30日)×2/3(※産前産後休暇期間にあたる日数分支給)
申請後、約1~2ヵ月で指定口座に振り込み
注意したいのは、申請期限が2年となっていることです。産前産後休暇が終了した時点で申請を行いましょう。
出産手当金については、こちらの記事『出産手当金とは?支給条件・支給額や申請方法』も参考にしてください。
出産手当金を受給するためには、条件を満たさなければなりません。出産手当金がもらえないのは、以下のようなケースです。
出産手当金は、勤めている会社の健康保険組合から支給されます。そのため、個人事業主などで、国民健康保険に加入している人は出産手当金を受け取ることができません。
国民健康保険では、出産手当金と似た制度も設けられていません。
出産手当金を受け取れるのは、健康保険組合の被保険者です。扶養されている家族の場合は、被扶養保険者の扱いになるため、出産手当金を受け取ることはできません。
夫が被保険者であっても、妻(扶養家族)が出産したからといって出産手当金の受給対象にはなりません。同様に親の健康保険の被扶養保険者である場合も、受給対象外です。
会社を退職し、その後転職の予定がない場合は、現在加入している会社の健康保険組合の任意継続被保険者になる、あるいは国民健康保険の被保険者になるかどうか選択しなければなりません。
任意継続被保険者の保険料は、会社に勤めていた場合と異なり、全額自己負担です。ただし、健康保険組合の方が保障は充実しているため、任意継続被保険者になることを選ぶ人もいるでしょう。
任意継続被保険者は出産手当金の対象外ですが、以下の条件に当てはまる場合に限り受給できます。
出産手当金を受け取れる条件には、「産前産後休暇中に会社から給与の支払を受けていないこと」も含まれます。そのため、休業中に給与を受け取っている場合は、出産手当金支給の対象外です。
ただし、休業中に給与を受け取っていたとしても、出産手当金の金額よりも少ない場合は差額が支給されます。
出産手当金を受け取れる権利は、「出産のための休暇を取得した日の翌日」から2年間で消滅します。
例えば、2023年7月1日から産前産後休暇を取得した場合、出産手当金の申請可能期限は2025年7月2日です。
産休からそのまま育児休業に入るのが一般的です。この場合、業務に復帰したときに申請可能期間を過ぎている場合もあるので、産前産後休暇(出産日後56日)が終わった時点で申請することを忘れないようにしましょう。
有給休暇を使っている場合は、会社から給与が支払われている状態になるので、出産手当金を受け取れる条件に該当しません。産休中に有給休暇を使った場合、その有給休暇によって給与を受け取った日数分の出産手当金は支給されないことになります。
産休中に有給休暇を利用する場合は、適用される期間が短くなる点に注意してください。
子どもが産まれ、家族が1人増えることによって、夫婦2人だけの生活とは支出の面で大きく変わります。
具体的な例として、夫婦2人だけの暮らしから子どもが1人増えた場合の支出の違いや、子どもの年齢別に必要となる費用を紹介します。
夫婦生活の生活費と比較して、子どもが増えることで生活費の負担はどのように変化するのでしょうか。子どもが増えた場合の支出の違いは、以下の通りです。
費目 | 夫婦暮らし | 3人家族 |
---|---|---|
食費 | 7万64円 | 7万8639円 |
水道・光熱費 | 2万2356円 | 2万4295円 |
家具・家事用品 | 1万1293円 | 1万2473円 |
服飾費 | 7,145円 | 9,517円 |
保険医療費 | 1万5641円 | 1万5083円 |
交通・通信費 | 3万7049円 | 4万3594円 |
教育費 | 14円 | 1万2439円 |
教養・娯楽費 | 2万4233円 | 2万7791円 |
その他の支出 | 5万9706円 | 5万6426円 |
1ヵ月あたりの生活費合計 | 24万7501円 | 28万257円 |
夫婦2人だけの暮らしに比べ、ほとんどの項目で支出が増えていることがわかります。
保健医療費やその他の支出など若干減っているものもありますが、注目すべきは教育費の増加です。夫婦だけではかからなかった教育費が、1ヵ月あたり1万円以上発生しています。
生活費は、子どもの年齢によっても変わります。
費目 | 0~2歳 | 3~5歳 | 6~11歳 | 12~14歳 | 15~17歳 | 18~21歳 |
---|---|---|---|---|---|---|
食費 | 4万9738円 | 5万7854円 | 6万8711円 | 7万5540円 | 8万299円 | 7万6284円 |
水道・光熱費 | 1万6102円 | 1万7560円 | 1万8630円 | 2万872円 | 2万1848円 | 2万1841円 |
家具・家事用品 | 9,683円 | 8,673円 | 8,936円 | 8,804円 | 1万122円 | 1万2154円 |
服飾費 | 1万2795円 | 1万4287円 | 1万5586円 | 1万6043円 | 1万6041円 | 1万9266円 |
保険・医療費 | 1万1865円 | 1万777円 | 9,656円 | 8,657円 | 9,909円 | 1万831円 |
交通・通信費 | 4万7077円 | 4万1780円 | 3万6424円 | 3万9432円 | 4万5612円 | 5万4506円 |
教育費 | 487円 | 1万8831円 | 8,606円 | 2万4639円 | 3万7794円 | 3万7697円 |
娯楽費 | 2万3816円 | 3万1551円 | 4万1941円 | 3万381円 | 3万1630円 | 3万1545円 |
その他の支出 | 5万644円 | 5万3746円 | 5万4704円 | 6万4292円 | 7万2504円 | 9万1945円 |
生活費合計 | 23万4158円 | 25万5059円 | 26万3254円 | 28万8660円 | 32万5689円 | 35万6033円 |
上表は、夫婦と子ども1人世帯の支出額を記載しています。最も大きな割合を占めるのが食費です。次いで「その他の支出」「交通・通信費」となっています。教育費が子どもの年齢が大きくなるにつれ増えている点も見逃せません。
子どもの教育費は高額なため、どのように捻出すればいいのか悩む人もいるでしょう。教育費を貯めるために行うべきことは、以下の通りです。
まずは、子どもの教育方針や進路について夫婦で話し合いましょう。
夫婦間で認識が違うというケースは多いです。高校まで公立に通わせるのか、中学から私立にするのかでは必要な費用は大きく変わってきます。
幼稚園から大学までの学費の平均は、下表の通りです。
私立 | 国公立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 約92万7000円 | 約49万8000円 |
小学校 | 約1000万2000円 | 約211万8000円 |
中学校 | 約431万1000円 | 約161万7000円 |
高等学校 | 約316万5000円 | 約153万9000円 |
大学 | 文系:約363万8000円 理系:約497万6000円 |
約242万6000円 |
家計管理の方法の見直しとは、現状の収入と支出のバランスを把握し、教育費用として貯蓄できる余裕があるか、なければどこか節約できる箇所がないかを確認することです。
まず、どのくらいの貯蓄額が必要なのかを決め、それに近づけるためには毎月どのくらいの貯蓄が必要か、そのために節約できることはないか考えましょう。そのうえで、生活に必要な支出に優先順位をつけるとともに、無駄な支出がないかチェックしてください。
無駄な支出を見直すためには、通信費などの固定費の見直しが効果的です。携帯電話のキャリアを変えるだけでも節約になる可能性もあるので、検討してみることをおすすめします。
資産形成とは、長期間に渡って資産を増やしていくことです。そのための手段として、株式や債券、投資信託といった投資が挙げられます。超低金利が続くいま、預貯金ではほとんどお金が増えないですが、投資なら効率よく貯めていくことができます。
注意すべきなのは、長期的な視点で行うことです。前述したように、特に大学進学には多額の費用がかかるため、早い時期から準備していくとよいでしょう。
教育費用を貯める方法としては学資保険もありますが、返戻率が低いことやインフレに対応できないという理由から、あまりおすすめできません。詳しくはこちらの記事『学資保険をおすすめしない理由』も参考にしてください。
教育費用の捻出に悩んだ際には、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談もおすすめです。FPには家計の見直しや教育資金の準備方法のほか、資産運用、税金対策など幅広い分野での相談が可能です。
資金計画については、夫婦でしっかりと話し合いながら決めていくことが大切です。自分たちだけではお金の悩みを解決できないと感じた際には、早めにFPに相談するようにしましょう。
FP相談には有料のものと無料のものがあります。無料でのFP相談なら、こちらから申し込むことが可能です。
この記事では、出産手当金がもらえないケースについて解説しました。
これらのケースでは、出産手当金がもらえません。申請には期限があるので、忘れずに手続きを行うようにしてください。
子どもが生まれると、生活費が増え、教育資金も必要になります。家計を見直したり、資産形成をしたりして計画的に教育費を準備するようにしましょう。お金の悩みが生じた際は、FPに相談するのもおすすめです。
ファイナンシャルプランナー(FP)に相談したことありますか?
FP相談で具体的にどんなことを相談できるのか、解説します。FP相談のきっかけや内容、相談できるお金の悩みなど、具体的な相談の流れを知ることができます。
お金に関する悩みを抱えている方、FP相談を考えている方、ぜひご覧ください。
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