学資保険をおすすめしない理由|教育費用を貯める別の方法を紹介!

執筆者:マネーFIX 編集部

学資保険は、教育資金を準備する方法として人気のある商品ですが、「返戻率が低い」「お金の出し入れができず不便」「インフレに弱い」などといった特徴もあるため、条件によってはおすすめできない場合があります。

本記事では、学資保険をおすすめしない理由、学資保険以外の教育資金準備方法などについて紹介します。

「学資保険以外に何か教育資金を準備する良い方法はないか?」と探している人は、ぜひ参考にしてください。

学資保険って本当に必要?

学資保険は、教育資金を積み立てる目的で加入します。

契約者(通常は親)や被保険者(子ども)の年齢、性別によっては、払い込んだ保険料よりも受け取れる金額の方が大きくなる場合もあるため、効率的に学費を準備したい人に向いています。

日本における小学校から大学卒業までにかかる教育費用の目安は、全て公立の場合は約957万円、全て私立で大学・文系に進学した場合は約2,361万円、全て私立で大学・理系に進学した場合は約2,492万円です。

このように、教育費用は、公立・私立いずれにおいても多額の準備が必要となるため、効率的に学費が準備できる学資保険を利用した方がメリットはあります。

ただし、貯蓄状況、教育方針、資産形成の考え方などによっては、学資保険がデメリットに感じられる場合もあります。

以下、学資保険のメリット・デメリットについて紹介します。

学資保険の検討で直面する悩み

学資保険を検討したことがある人に、「悩んだ点や大変だった点」の調査を実施しました。

主に、教育資金を貯める方法として学資保険がベストなのか、保険料を払い続けることができるのか、そもそもどれくらいの資金が必要なのか、という悩みが多く見られました。その一部を紹介します。

学資保険がベストの方法なのか

40歳・男性・会社員/技術系・既婚

まず最初に悩んだことが、学資保険に加入することが効率的な方法であるかということでした。
保険に加入するよりも他の方法で資金を運用したほうが、利回りも高くなる可能性があるので、なかなか加入に踏み切れませんでした。
しかし、学資保険であれば、確実に子供にお金がかかる時期にお金が戻ってくるので、将来の子供の進学時に焦らなくて済むと考えて加入を決めました。

40歳・女性・会社員/事務系・既婚

学資保険に加入するかジュニアNISAの投資信託を利用して毎年80万円を非課税で運用するか、とても迷いました。
しかしジュニアNISAは2023年で制度が終了する為、2024年以降新たな買付ができない点と確実に手元に入る金額がその時にならないと分からない点で不安だったので学資保険に加入する事にしました。

保険料を払っていけるのか

35歳・女性・会社員/事務系・既婚

当時は、マイホームを購入したばかりだったので家計に余裕はあまりありませんでした。
その中で学資保険に加入して、しっかりと毎月支払っていけるのかどうか悩みました。
また、学資保険も色々と種類がありどのプランが一番自分たちのライフスタイルに合っているのかどうか考える必要があり家族会議を重ねたりと大変でした。

40歳・女性・自営業・既婚

生命保険での支払いもそこそこ大変なのに、その上学資保険の支払いも発生するということで悩みました。
ただ学資保険の方は、お金がまとまって戻ってくるので、貯金するのだという風に解釈して毎月の支払いを行っていました。

38歳・女性・パートアルバイト・既婚

学資保険にどこまで加担をしておいたら、安心なのかというのがわからなかったのが、大きかったです。。
子供が生まれてすぐに加入したのですが、18年後のことなど、想像もつかなかったので、果たして、18年間、支払い続けられるのかを悩みました。
子育て給付金を学資保険の支払いに回しているのが現状で、現金での貯金ができていないことが、大変です。

26歳・女性・会社員・既婚

途中で、支払いが厳しくなったりして解約したいとなった時に元本割れしてしまうところは少しデメリットかなと思います。
あとは、貯蓄性を重要視するのであれば、正直学資保険に関してはとても良いわけではないと思うので、外貨建て保険とかの方がいいなと思いました。
収入が不安定な人は、あまり向かない商品だと思いました。

十分な教育資金の額がわからない

48歳・男性・会社員/事務系・既婚

そもそも大学を卒業するのにどれだけの費用がかかるのか、習い事等を加味した場合にどれだけの費用がかかるのかがよくわからなかったところです。
単発で学資保険だけを考えてもなかなかすべてのライフスタイルを加味して考える事は難しいなというのが正直なところです。

52歳・男性・会社員/技術系・既婚

一番悩んだのは、満期時に支払われる保険金で、足りるのかどうかをシミュレーションすることでした。
生まれてすぐに契約すると決めていたので、18年後にどのような学校に進学するのかどうかを想像するのはとても困難でした。
また、18年間支払い続ける必要があるため、月々や年間支払っても生活に余裕がある金額を考えるのが難しかった。

調査概要
  • 調査実施会社:株式会社ウェブクルー
  • 調査方法:
    ①「保険スクエアbang!生命保険」の利用者を対象としたインターネットによるアンケート
    ②インターネットによるアンケート
  • 実施期間:
    ①2022年6月18日~6月24日
    ②6月13日~6月27日
  • 有効回答数:計152

学資保険のメリット

学資保険のメリットとしては、主に次の3つが挙げられます。

学資保険のメリット
  • 計画的にコツコツ資金を貯めることができる
  • 契約者(保護者)に万が一のことがあっても保障がある
  • 生命保険料控除で税金対策ができる

以下、それぞれについて、詳しく解説します。

計画的にコツコツ資金を貯めることができる

計画的に貯蓄するためには、収入から支出を引いて残った金額を貯蓄するよりも、収入から貯蓄額をまず差し引いて、残った金額でやりくりする方法が有効的です。

計画的に貯蓄する方法

× 収入-支出=貯蓄

○ 収入-貯蓄=使えるお金 〇

学資保険に加入すれば、毎月定期的かつ強制的に貯蓄額が引き落とされるため、計画的に教育資金を積み立てる状態を作ることができます。

契約者に万が一のことがあっても保障がある

一般的に学資保険は、親が契約者となりますが、保険料を払い込んでいる期間中に親に万が一のことがあった場合、以降の保険料の支払いが免除されます。

なおかつ、契約時に取り決めた祝い金や満期保険金も受け取ることができます。

また、子どもがけがや病気をしたときの医療費を保障する特約、親に万が一のことがあったときに「育英年金」という年金が支払われる特約などもあり、教育資金の積み立てに加えて、保障を兼ねることもできます。

生命保険料控除で税金対策ができる

学資保険は、生命保険であるため、支払った保険料は一般生命保険料控除の対象となり、所得税と住民税が減額されます。

一般生命保険料控除の控除額
所得税 住民税
年間払込保険料額 控除される金額 年間払込保険料額 控除される金額
2万円以下 支払保険料全額 1万2,000円以下 支払保険料全額
2万円超4万円以下 支払保険料等×1/2+1万円 1万2,000円超3万2,000円以下 支払保険料等×1/2+6,000円
4万円超8万円以下 支払保険料等×1/4+2万円 3万2,000円超5万6,000円以下 支払保険料等×1/4+1万4,000円
8万円超 一律4万円 5万6,000円超 一律2万8,000円

所得税、住民税ともに10%の場合、所得税は「4万円×10%=最大4,000円」、住民税は「2万8,000円×10%=最大2,800円」が減額されます。

学資保険のデメリット

次に、学資保険のデメリットについて紹介します。

学資保険のデメリット
  • 返戻率が低い
  • 途中でお金を引き出せない
  • インフレに弱い

返戻率が低い

学資保険の返戻率の相場は、契約者や被保険者(子ども)の年齢、性別、保険料払込期間によっても異なりますが、「90%~110%弱」です。

返戻率が100%未満ということは、元本割れする可能性もあります。

投資による資産運用であれば、さらに大きく資産を増やせる可能性があるため、これと比べると教育資金を学資保険で用意することは非効率と考える人もいるかもしれません。

途中でお金を引き出せない

学資保険は、お金を途中で引き出すことはできません。

解約すれば、解約返戻金を受け取ることができますが、途中で解約すると、解約返戻金が払込保険料を大きく下回るケースがほとんどです。

保険会社は、保険料を運用して保険金や解約返戻金を支払うためのお金を準備しているため、お金を途中で自由に出し入れできてしまうと、安定した運用が難しくなるからです。

インフレに弱い

インフレによって大学の入学金が5%上昇したとしても、学資保険で積み立てている資産がそれに合わせて5%増加するなどといったことは、もちろんありません。

つまり、インフレの状況では、学資保険で積み立てている資産は目減りしてしまいます。

学資保険は、インフレに弱い資産であるといい点を理解しておきましょう。

学資保険が必要でない人ってどんな人?

ここまで紹介してきた学資保険のメリットとデメリットを踏まえた上で、学資保険が必要でない人について紹介します。

すでに教育資金が貯まっている人

人の一生は、教育資金以外にも、住宅購入資金、老後資金など、多くのお金を必要とするライフイベントが複数あります。

すでに教育資金が貯まっている人は、学資保険よりもそちらの準備に早めに取り掛かるようにしましょう。

なぜなら、貯蓄や運用は、早めにスタートして時間をかけた方が有利だからです。

では、十分な教育資金とは、いくらくらいなのでしょうか。

小学校から大学卒業までにかかる教育費用の目安に加え、大学で一人暮らしする場合の生活費として、およそ月10万円程度(4年間で480万円)を見込んだ金額が準備できていれば、「教育資金がすでに貯まっている」と判断できます。

【教育資金がすでに貯まっているとされる貯蓄額】
教育費用 4年分の生活費の目安 教育資金が十分と言える貯蓄額
小学校から大学まで全て公立 957万円 480万円 1,437万円
小学校から大学まで全て私立(文系大学) 2,361万円 2,841万円
小学校から大学まで全て私立(理系大学) 2,492万円 2,972万円

途中解約するかもしれない人

学資保険は、途中解約すると、払い込んだ保険料よりも戻ってくるお金の方が少なくなる可能性があります。

目安として、10年以内の解約は、元本割れの可能性が高くなります。

また、学資保険加入期間中は、別の用途でまとまったお金の必要性が生じても、お金を引き出すことができません。

教育資金と万が一への備えを切り分けることが難しい場合や、保険料の支払いが大きな負担になる場合は、お金の出し入れがしやすい預貯金で準備をした方が良いかもしれません。

もっと効率良くお金を増やしたい人

学資保険は、110%近い利回りで運用できるケースもあります。

しかし、契約者や被保険者の年齢、性別、保険料払込期間次第では、返戻率が低かったり、元本割れしたりすることがあります。

その場合、他の投資方法のほうが効率良く増やせるかもしれません。

また、インフレに弱い商品であるため、インフレ下における学資保険を使った教育資金準備は、あまり効率的ではありません。

インフレで学資保険の価値が目減りしてしまうことが心配な人は、資産運用を検討してみることをおすすめします。

学資保険の代わりにおすすめの方法

ここでは、学資保険の代わりとなるおすすめの教育資金準備方法について、紹介します。

学資保険の代わりにおすすめの方法
  • 貯蓄
  • 借入
  • 投資による資産運用
  • 他の生命保険

貯蓄

「貯蓄」とは、お金を蓄えること全般を意味します。

具体的には、銀行の普通預金、定期預金、積立預金などといった方法があります。

【貯蓄の方法】

  • 銀行預金:
    メガバンク、地方銀行など、店舗のある銀行の普通預金、定期預金、積立預金で貯蓄する方法です。
  • ネットバンクでの預金:
    店舗を持たない、ネット銀行の普通預金、定期預金、積立預金を利用して貯蓄する方法です。
    店舗のある銀行よりも、金利が高い傾向にあります。
  • 財形貯蓄:
    国と会社が連携し、従業員の資産形成を支援する制度です。一般的に、預貯金より金利が高いです。
    会社が提携している金融機関の金融商品を活用して貯蓄します。会社の給与から一定額が天引きされるため、計画的に貯蓄ができます。

貯蓄は金利が低いため、大きく資産が増えることは期待できないものの、元本割れする心配はありません。

そのため、計画的かつ元本割れの心配がなく、教育資金を準備したい人に向いています。

借入

一般的に、金融機関からお金を借りることを「借入」といいます。

教育資金を借りる方法としては、主にJASSOの奨学金、金融機関の教育ローンなどを利用する方法があります。

【借入の方法】

  • 奨学金:
    JASSO(日本学生支援機構)が運営する奨学金制度で、経済的な理由で修学困難な学生向けに、学資の貸与や給付をする制度です。
    給付型(返済不要)と貸付型(返済必要)があり、それぞれ利用条件が異なります。
  • 教育ローン:
    日本政策金融公庫、民間の銀行で扱っているローンです。
    用途は、教育に関連する資金に限定されます。

教育資金は、貯蓄以外にも、金融機関からお金を借りることで準備できます。

ただし、借入は「要件を満たして審査を通過しなければ利用できない」「将来にわたって返済しなければならない」といったデメリットがあります。

必要となる時期までに教育資金の準備が間に合わず、後で少しずつ返済していきたい人に向いています。

投資による資産運用

株式、投資信託などの投資商品を運用することで、効率的に資産を増やす方法です。

【資産運用の方法】

  • 投資信託(NISA):
    プロであるファンドマネジャーが投資商品の選別を行い、投資家から預かった資金を運用する金融商品です。
    NISA口座を利用すると、運用益に税金がかからないため、さらに効率的に運用できます。
  • 個人向け国債:
    国や企業が資金を借りたときに発行される借用証書のことを「債券」といいます。
    「国債」とは、国が発行する債券であり、保有している期間中、一定期間ごとに利子を受け取れます。
    債券には満期があり、満期になると原則、元本が返済されます。

元本割れの可能性があっても、効率的に資産を増やしていきたい人に向いています。

その他の生命保険

教育資金は、学資保険に入らず、その他の生命保険を活用して準備することもできます。

教育資金を準備できる生命保険には、次のようなものがあります。

【生命保険の種類】

  • 低解約返戻型終身保険:
    貯蓄性のある終身保険のうち、保険料払込期間中など一定期間の解約返戻金を低く抑えることで、保険料を安くした商品です。
    保険を解約することで受け取った解約返戻金は、教育資金として活用できます。
  • 個人年金保険:
    保険料を積み立て、契約時に取り決めた年齢から年金が受け取れる保険です。
    要件を満たせば、個人年金保険料控除の対象となるため、すでに他の保険で一般生命保険料控除を使っている場合におすすめです。
  • 外貨建て終身保険:
    払い込んだ保険料が、米ドルや豪ドルなどの外貨で運用される保険商品です。
    為替レートによっては、元本割れする可能性もありますが、円建ての終身保険よりも高い利回りが期待できます。

まとめ

学資保険は、計画的に教育資金を準備する方法として人気がありますが、全ての人におすすめできる商品であるとは限りません。

今回紹介した学資保険のデメリットが気になる人は、貯蓄、借入、資産運用、その他の生命保険などを活用し、自分に合った教育資金準備方法を選びましょう。

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