「育児休業給付金」は育休中の人が受け取れるお金で、国の子育て支援制度の1つです。「自分は受け取れるのか」「2人目の子どもでも対象になるか」など、疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。
育児休業給付金を受け取るためには、条件をすべてクリアしなければなりません。
この記事では、育児休業給付金をもらえないケースを解説します。
- 育児休業給付金を受け取るための条件
- もらえないのはどのような人なのか
※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています
【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
「育児休業給付金」は育休中の人が受け取れるお金で、国の子育て支援制度の1つです。「自分は受け取れるのか」「2人目の子どもでも対象になるか」など、疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。
育児休業給付金を受け取るためには、条件をすべてクリアしなければなりません。
この記事では、育児休業給付金をもらえないケースを解説します。
そもそも育児休業給付金とはどのようなものか整理しておきましょう。
育児休業給付金は、育児休業(育休)を取得した人を経済的に支援するための仕組みです。失業保険(失業手当)などと同じく、国の「雇用保険」の制度として実施されています。
育児休業給付金の概要は、以下の通りです。
通常は勤務先が手続きを行う(育休開始から4ヵ月を経過する日の属する月の末日までに必要書類をそろえてハローワークに提出)
支給決定日から1週間程度(初回の入金は出産日から4~5ヵ月後になることが多い)
出産や育児をするのに、育児休業給付金がもらえない人もいます。例えば、以下のようなケースです。
なお、そもそも育休を取らない人は受け取れません。
育児休業給付金は職場復帰を前提とした制度です。育休が始まる時点ですでに退職が決まっている場合は、「子どもが1歳6ヵ月になるまで雇用契約が終わらない」という条件を満たせません。
派遣社員などで育休中の契約満了(更新なし)が確実な人、育休終了後に退職する予定であることを明確に伝えている人などは受け取れないので注意してください。
なお、条件を満たして育児休業給付金を受け取っている人でも、育休中に退職したらそれ以降は受け取れなくなります。
育休中は、勤務先から受け取る給料がなくなる、もしくは大幅にダウンする人がほとんどです。
育休中に就業するなどして、勤務先からそれまでの給料の8割以上を受け取った場合は、育児休業給付金が支給されなくなります。8割未満でも、受け取った給料の金額に応じて給付金が減額されます。
正確には、「休業開始時賃金日額(休業前6ヵ月間の総支給額÷180)」の13%を超える金額を受け取ると減額の対象になります。
自営業者やフリーランスなど雇用されない働き方をしている人は、原則として雇用保険に加入できません。そのため「雇用保険に加入している人」という条件をクリアできず、育児休業給付金を受け取れないケースがほとんどです。
同様に、労働時間が少なくて勤務先で雇用保険に加入していない人や、専業主婦なども対象外です。自分が雇用保険に加入しているかわからない人は、勤務先に尋ねるか、給与から「雇用保険料」が天引きされているか確認しましょう。
育児休業給付金を受け取るためには、「過去2年間で11日以上働いた月が12ヵ月以上」という条件もあります。就職や転職をして間もない人はこの条件をクリアできず、対象から外れてしまう可能性があります。特に、新卒入社後1年未満の人は注意が必要です。
また、中には「1年間フルタイムで働いたのにもらえない」というケースもあります。月数の数え方が少々特殊なため、「入社から1年経った」と思っていても、産休の期間なども含めると必要な条件を満たしていないことがあります。
育児休業給付金を受け取れるのは、1人目の子ども(第1子)のときだけではありません。条件を満たせば2人目(第2子)以降でも受け取れます。以下のケースを例に、具体的に見ていきましょう。
まずは、第1子の育休後に復職してから第2子の妊娠をした場合を考えてみましょう。
第2子でも、条件を満たしていれば育児休業給付金の対象です。そのほか、出産に伴って受給できる出産育児一時金や出産手当金も、第1子のときと同じように対象になる可能性があります。
前回の育休取得から間もない場合、「過去2年間で11日以上働いた月が12ヵ月以上」という受給条件を満たせるか心配になるかもしれません。しかし、育休中など事情がある場合には例外です。問題なく受け取れる可能性もあるので、自己判断せず勤務先などに相談してみるのがおすすめです。
給付金額は休業開始時の賃金日額によって変わるため、復職後に時短勤務をしていた場合には給付額が第1子のときより減る可能性があります。
第1子の育休中に第2子を妊娠することもあるかもしれません。この場合も、条件さえ満たしていれば育児休業給付金、そして出産手当金や出産育児一時金の対象になります。
ルール上、第2子の産休が始まる前日(産前休業を取らない場合は出産日)に第1子の育休が終了する扱いになるため、第1子分の育児休業給付金もその時点で終了します。
その後は、第2子の出産手当金や、出産育児一時金を受け取れます。出産手当金の期間が終わったあとは、第2子分の育児休業給付金も受け取ることが可能です。
第2子の産前休業を請求しない場合は、第1子の育児休業給付金と第2子の出産手当金を同時に受け取ることもできます。
いくら育児休業給付金があるとはいえ、子どもが増えると支出が増え、家計が苦しくなる可能性もあります。
子育てで特にお金がかかるといわれているのが食費と教育費です。総務省の統計によれば、2人家族の食費の平均は月6万7573円なのに対し、3人家族では8万554円となっています。また、子どもが1人の場合の教育費は1万750円という結果でした。
子育てにかかる費用を工面する方法は、例えば以下の通りです。
子どもが小学生頃までは「お金の貯めどき」といわれます。中高生になると食費、部活、塾代、学費などがかさんでお金を貯めにくくなるため、それまでの早い段階で家計を見直して、貯蓄できる環境を整えておくのがおすすめです。
「自分が毎月何にいくら使っているのかよくわからない」「夫婦間でお互いのお財布事情を共有していない」という人は、まずは家計簿をつけたり、夫婦でお金の話をする時間を持つようにするとよいでしょう。
収支を把握したら、このままの状況で問題ないか、もっと改善できる点はないか考えてみてください。節約したいなら、まずは固定費(住居費、スマホ代、保険料など)を見直すのが効果的です。
家計の見直しを成功させるための具体的な方法や節約アイデアについては、『家計の見直し方法や節約アイデア』を参考にしてください。
子どもの将来に向けて貯蓄を行う場合、次のような方法があります。
ただし、学資保険はあまりおすすめできません。途中で解約すると損するうえ、お金が増えにくく、インフレに弱いからです。詳しくは、こちらの記事『学資保険をおすすめしない理由』で解説しています。
子どもの学費は、進学先によっても変わってきます。夫婦間で進路について話し合う機会を設けることをおすすめします。
国公立よりも私立の方が必要な金額は大きい傾向があります。学費の平均について、幼稚園から大学までいくらかかるのかを下表にまとめました。
私立 | 国公立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 約92万7000円 | 約49万8000円 |
小学校 | 約1000万2000円 | 約211万8000円 |
中学校 | 約431万1000円 | 約161万7000円 |
高等学校 | 約316万5000円 | 約153万9000円 |
大学 | 文系:約363万8000円 理系:約497万6000円 |
約242万6000円 |
「自分で解決するのが難しい」「これで正しいのか不安」と感じたら、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみるのも1つの方法です。
お金の専門家であるFPなら、例えば以下のような悩みに対応してくれます。
客観的かつ長期的な視点から、現在の家計の問題点や改善策をわかりやすくアドバイスしてくれるでしょう。
お金の相談は下記をクリック!
育児休業給付金は、男性でも女性でも、第2子以降でも受け取れる可能性があります。ただし、一定の条件を満たさなければなりません。
自営業者など雇用保険に入っていない人、過去2年間で11日以上働いた月が12ヵ月未満の人は条件を満たせないため対象外です。また、育休後に退職する予定の人、育休中に給料の8割以上を受け取っている人なども注意してください。条件を満たしているかわからない場合は、勤務先やハローワークに確認してみましょう。
キーワードで記事を検索