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「教育資金一括贈与の非課税制度」が3年延長。1500万円まで非課税で贈与ができる

執筆者:マネーFix 編集部

子どもの教育資金の準備方法のひとつに、「贈与」があります。

教育資金一括贈与の非課税制度を活用すれば、贈与税を課せられることなく、資金を渡すことができます。

教育資金一括贈与の非課税制度は、2023年度末に廃止予定でしたが、令和5年度税制改正によると、「節税的な利用につながらないよう所要の見直しを行った上で、適用期限を3年延長する」とされました。

この記事では、「教育資金一括贈与の非課税制度」の概要や、改正されたポイントを解説します。

「教育資金一括贈与の非課税制度」の概要

教育資金一括贈与の非課税制度は、「教育資金」を目的とした祖父母から孫などへの贈与を、非課税で実行できる制度です。

教育資金一括贈与の非課税制度の概要は下記の通りです。

  • 1500万円までの教育資金の贈与が非課税
  • 塾や予備校など、学校等以外に支払われる資金については、500万円まで
  • 信託銀行などの金融機関を経由しなければならない
  • 受贈者は30歳未満
  • 受贈者の前年度合計所得金額が1000万円以下

制度の対象となる費用の例は下記の通りです。

学校等に支払う費用(上限1500万円)

  • 入学金、授業料、入園料、保育料、検定料
  • 学用品の購入費、修学旅行費や学校給食費

学校等以外に支払う費用(上限500万円)

  • 学習塾や水泳教室などの授業料
  • 指導に関連する物品購入費

「教育資金一括贈与の非課税制度」の手続き・流れ

教育資金一括贈与の非課税制度を適用するためには、信託銀行などの金融機関と契約し、資金管理を依頼します。

実際に教育費を負担したら、領収書等をもとに金融機関に請求することで、支払いを受けることができます。

また、請求書をもとに金融機関が教育機関に費用を支払う方法もあります。

領収書払いの場合

  1. 祖父母などの親族が金融機関に資金を預け入れる
  2. 対象となる支出があれば、領収書を金融機関に提出する
  3. 資金が支払われる

請求書払いの場合

  1. 祖父母などの親族が金融機関に資金を預け入れる
  2. 請求書を金融機関に提出する
  3. 金融機関が教育機関に費用を支払う

上記の方法はいずれも、制度の対象となる費用かどうかを金融機関が判断します。

目的外の使用(対象とならない)と判断された費用は、贈与税の課税対象となります。

また金融機関によっては、金融機関から資金を引き出し、後日、領収書を金融機関に提出する方法もあります。

この場合、資金を使ったあとに金融機関が判断することになり、目的外の使用と判断された場合は、贈与税の課税対象となります。

この方法は、必要なときに引き出せるため便利ですが、確実に非課税で資金を使いたい場合は、領収書払いや請求書払いのような方法がおすすめです。

「教育資金一括贈与の非課税制度」の改正ポイント

令和5年度税制改正における、「教育資金一括贈与の非課税制度」の改正点は以下の通りです。

  • 贈与者が死亡した場合の管理残高への相続税課税
  • 受贈者が30歳を超えた場合の贈与税率

贈与者が死亡した場合の管理残高への相続税課税

贈与者が死亡した時点で、教育資金として使い切れなかった金額には相続税がかかりますが、以下の場合、相続税の課税が免除されます。

  • 受贈者が23歳未満
  • 受贈者が学校等に在学中である
  • 受贈者が教育訓練給付金の支給対象となる講座を受けている

令和5年度の改正により、相続税の課税価格が5億円を超える場合は、上記に該当していても相続税が課税されます。

受贈者が30歳を超えた場合の贈与税率

贈与者が健在で、受贈者が30歳を超えると、残っている資金は贈与税の課税対象となります。

贈与税率には、「一般税率」と税率が低い「特例税率」があり、受贈者が18歳以上の場合、「特例税率」が適用されていました。

令和5年度の改正により、年齢にかかわらず「一般税率」が適用されます。

教育資金一括贈与の非課税制度は、金融機関を経由するため、贈与の仕組みを詳しく知らなくても、利用しやすい制度になっています。

贈与する資金額が多すぎると、使いきれず、贈与税が課せられる可能性もあります。

子どもの進学プランを立て、適切な金額を算出しましょう。

なお、こちらの記事「相続対策はどうすればいい?生前贈与と相続税の軽減措置を解説」では、生前贈与と相続税について詳しく解説をしています。

相続税や贈与税について詳しく知りたい人は参考にしてみてください。

また、以下の記事では、教育資金の準備方法などについて解説しているので、合わせて参考にしてみてください。

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