教育費は、人生の三大支出ともいわれるほど大きな支出です。
子ども一人あたりにどれくらい教育費がかかるのか不安を感じる人も多いかもしれません。
本記事では、幼稚園から大学までの教育費についてまとめました。
また、教育費の貯蓄方法、教育費の助成制度についても紹介します。
教育費で不安な人は、ぜひ参考にしてください。
教育費は、人生の三大支出ともいわれるほど大きな支出です。
子ども一人あたりにどれくらい教育費がかかるのか不安を感じる人も多いかもしれません。
本記事では、幼稚園から大学までの教育費についてまとめました。
また、教育費の貯蓄方法、教育費の助成制度についても紹介します。
教育費で不安な人は、ぜひ参考にしてください。
子どもを育てるためにかかる費用には、教育費と養育費の2種類があります。
教育費は、養育費に比べて算出しやすいと言えます。
それぞれの違いを見ていきましょう。養育費は、主に子どもが経済的、あるいは社会的に自立するまでにかかる費用のことを指します。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
出典:法務省 養育費より
したがって、教育費は、「養育費の一部」という位置付けです。
教育費とは、教育に関連する費用のことです。
具体的には、次のようなものが挙げられます。
出典:内閣府 平成16年版 少子化社会白書(全体版) (1)育児・教育費用負担の重さ
学校教育費は、授業料、教科書代、入学金など、あらかじめ費用が分かっている項目が多いため、養育費に比べて算出しやすいと言えます。
教育費は、国公立よりも私立の方が高くなる傾向にあります。
以下、幼稚園から大学まで、それぞれどれくらいの費用がかかるのか、見ていきましょう。
幼稚園でかかる1年間の教育費の目安は、以下の通りです。
公立幼稚園 | 私立幼稚園 | |
---|---|---|
学習費総額 | 22万3,647円 | 52万7,916円 |
学校教育費 | 12万738円 | 33万1,378円 |
学校給食費 | 1万9,014円 | 3万880円 |
学校外活動費 | 8万3,895円 | 16万5,658円 |
学校教育費のうちの授業料は、公立が約6万6,206円、私立が21万1,076円、また、施設整備資金・学級費・PTAなどの学校納付金などは、公立が約1万2,711円、私立が5万4,755円といった違いがあります。
また、学校外活動費では、補助学習費(塾や家庭教師などの費用)は、3年間の平均で公立が2万2,564円、私立が4万8,229円、スポーツ・レクリエーション活動や芸術文化活動などのその他学校外活動費では、公立が6万1,331円、私立が11万7,429円となっています。
小学校でかかる1年間の教育費の目安は、以下の通りです。
小学校の費用は、幼稚園と比べると、はるかに負担が大きくなります。
公立小学校 | 私立小学校 | |
---|---|---|
学習費総額 | 32万1,281円 | 159万8,691円 |
学校教育費 | 6万3,102円 | 90万4,164円 |
学校給食費 | 4万3,728円 | 4万7,638円 |
学校外活動費 | 21万4,451円 | 64万6,889円 |
学習費総額は、公立に対して私立が約5倍と、大きな差があります。
最も差が大きいのは学習教育費で、私立は公立の約14倍となっています。
学校給食費のみ僅差です。
公立小学校の学校教育費のなかで最も構成比が高いのは、「図書・学用品・実習材料費等」(31.2%)、次いで「通学関係費」(28.6%)でした。
一方、私立小学校で構成比が高いのは「授業料」(53.7%)、次いで「学校納付金等」(25.6%)です。
中学校でかかる1年間の教育費の目安は、以下の通りです。
小学校と比較すると、公立は教育費が増加し、私立はやや減少傾向にあるようです。
公立中学校 | 私立中学校 | |
---|---|---|
学習費総額 | 48万8,397円 | 140万6,433円 |
学校教育費 | 13万8,961円 | 107万1,438円 |
学校給食費 | 4万2,945円 | 3,731円 |
学校外活動費 | 30万6,491円 | 33万1,264円 |
学習費総額を見ると、私立は公立の約3倍にのぼります。
最も大きな差があるのは、学校教育費で、公立が約14万円に対して、私立は107万です。
一方、学校給食費については、公立の方が高くなっています。
学校外活動費については僅差でした。
その内訳を見ると、「補助学習費」は公立が24万3,589円、私立が22万346円と大差はありません。
一方、「その他の学校外部活動費」では公立が6万2,902円に対し、私立が11万918円となっています。
高等学校(全日制)でかかる1年間の教育費の目安は、以下の通りです。
高等学校は、学校給食費がなくなるため、中学校に比べると、教育費は一般的に下がります。
公立高等学校 | 私立高等学校 | |
---|---|---|
学習費総額 | 45万7,380円 | 96万9,911円 |
学校教育費 | 28万487円 | 71万9,051円 |
学校給食費 | - | - |
学校外活動費 | 17万6,893円 | 25万860円 |
学習費総額については、私立が公立の約2倍です。
学校教育費で特に差が大きく、その内訳を見ると、「授業料」は公立が2万5,378円に対し、私立は23万26円、「学校納付金等」は公立が5万5,360円に対し、私立は21万5,999円と、その差が顕著でした。
学校教育費の構成比をみると、公立で最も比率が高いのは「通学関係費」で28.3%でした。
一方、私立においては、「授業料」「学校納付金等」の順で構成比率が高いのは幼稚園~中学校と同じですが、「授業料」の構成比率はこの順に下がっています。
反して、「学校納付金」と「通学費」の比率が上がっています。
大学でかかる教育費は、以下の通りです。
国公立、文系・理系では、費用が異なります。
国公立より私立の方が費用は高くなり、文系よりも理系の方が施設設備費などの金額が高くなるため、在学費用が高くなる傾向にあります。
国公立 | 私立文系 | 私立理系 | |
---|---|---|---|
入学費 | 67.2万円 | 81.8万円 | 88.8万円 |
在学費用(4年間合計) | 414万円 | 608万円 | 732.8万円 |
また、自宅から通うか、自宅外通学かによっても、費用は異なります。
ここまで紹介したように、子どもが幼稚園に入園してから大学を卒業するまで、多額の教育費を準備しておく必要があります。
少しでも子どものお金に関する負担を和らげたい人は、以下の3つの方法を検討してみると良いでしょう。
以下、それぞれについて詳しく解説します。
貯蓄に余裕があれば、子どもに教育費がかかっても、負担を感じにくくなります。
貯蓄を増やすためには、以下の3つを実施することがおすすめです。
貯蓄するための一番の近道は、家計簿を付けることです。
ある程度、毎月の収支は把握しているものの、思ったように貯蓄が増えない人は、細かい支出を見落としている可能性があります。
家計簿を付けると、見落としていた支出が確認できることがある他、支出項目の振り返りができるため、減らせる支出がないかをじっくり考えるきっかけにもなるでしょう。
家計簿は、貯蓄するためには有効な方法です。
通常の給与振込や生活費の引き出しに使用している口座とは別に、教育費を貯蓄するための口座を分けて持っておくことも有効な方法です。
1つの口座に全てのお金を入れておくと、ついお金を引き出してしまうかもしれません。
教育費は、よく使う口座と分けて貯蓄し、教育費の口座のキャッシュカードを財布に入れておかないなど、あえてキャッシュカードを使いにくくするだけでも、貯蓄しやすくなります。
副業で収入を増やすと、貯蓄しやすくなります。
貯蓄は、「収入-支出」の差が大きいほど貯まりやすくなるため、副業で収入を増やすことに加え、節約も組み合わせれば、貯蓄額の増加がさらにスピードアップします。
家族構成や年収などの要件を満たしていれば、国の用意している助成金制度を利用できることがあります。
助成金を使えると、お金の負担が減少するため、心のゆとりにもつながるでしょう。
以下、主な助成金制度について紹介します。
「児童手当」は、子育ての支援として設けられている制度です。
0歳~中学生までの児童を養育している世帯が支給対象です。
児童の年齢 | 児童手当の額(月額) |
---|---|
3歳未満 | 一律1万5,000円 |
3歳以上小学校修了前 | 1万円(第3子以降は1万5,000円) |
中学生 | 一律1万円 |
3~5歳の子どもが幼稚園、保育所、認定こども園、地域型保育、企業主導型保育施設(※)などを利用する場合は「無料」です。
0~2歳の子どもは、住民税非課税世帯が利用料無料の対象となります。
(※)企業が従業員のために設置した保育施設
子どもが受けた診療費や薬代などの医療費を助成する制度があります。
健康保険が適用となり、自己負担(かかった医療費の2割または3割)を助成します。
「こども医療費助成」の内容や適用要件は、自治体によって異なります。
令和2年4月、「高等学校等就学支援金」改正によって施行された制度です。
国公私立を問わず、年収要件を満たした世帯の生徒に対して、授業料を限度に就学支援金として助成金が支払われます。
学費の負担を軽減するためには、日本学生支援機構(JASSO)が提供している奨学金を活用する方法もあります。
奨学金には、原則返還不要の「給付型」と、返還必要な「貸与型」があり、貸与型はさらに利子の付かない「第一種奨学金」と、利子の付く「第二種奨学金」に分かれます。
なお、給付型、第一種奨学金、第二種奨学金のいずれも利用するためには、学力基準、家計基準(世帯年収)の要件を満たすことが必要です。
また、給付型と貸与型は、併用することも可能です。
特に、給付型は、令和2年4月から拡充しており、給付型は地方公共団体、大学などで用意している場合もあります。
給付型奨学金を希望する場合は、調べてみると良いでしょう。
万が一、教育費の準備が間に合わず、費用が回らない場合は、教育ローンの利用も検討しましょう。
教育ローンは、日本政策金融公庫や一般的な銀行でも取り扱っています。
日本政策金融公庫の国の教育ローン(教育一般貸付)は、3カ月以上の留学、住居費用、航空運賃、パスポート・ビザ申請といった渡航にかかる費用など、幅広い用途に対応しています。
融資限度額 | 350万円(要件を満たせば450万円) |
融資の対象となる対象 | ・大学、大学院、短期大学 ・専修学校、予備校、デザイン学校など ・高等学校、高等専門学校など ・外国の高等学校、短期大学、大学、大学院、語学学校など ・その他職業能力開発校などの教育施設 |
金利(令和4年5月2日現在) | 1.80%(固定金利・保証料別) |
子どもにかかるお金は、「教育費」と「養育費」に分けられます。
教育費は、養育費の一部に含まれますが、教育費だけでも幼稚園から大学まで、多額の費用が必要となります。
そのため、子どもにかかるお金で不安を感じた人は、早めに貯蓄を準備しておくことが必要です。
また、助成金の他、教育費が必要な時期に教育費が準備できない場合は、教育ローンの利用も検討してみましょう。
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