一人暮らしの大学生の生活費はどのぐらいなのでしょうか。また、親から子どもへの仕送りの平均額について知りたい人もいるでしょう。
この記事では、一人暮らしの大学生への仕送りの平均額や生活費の内訳、仕送り額の決め方を紹介します。子どもにいくら仕送りすればよいのか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
一人暮らしの大学生の生活費はどのぐらいなのでしょうか。また、親から子どもへの仕送りの平均額について知りたい人もいるでしょう。
この記事では、一人暮らしの大学生への仕送りの平均額や生活費の内訳、仕送り額の決め方を紹介します。子どもにいくら仕送りすればよいのか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
一人暮らしの大学生への仕送りの平均額は、地域や家庭の経済状況によって異なります。また、奨学金の有無や、学生本人のアルバイト収入なども影響します。
一人暮らしの大学生への仕送り平均額について、各機関による調査データは以下の通りです。
調査機関 | 大学生への仕送り金額 | 調査対象者 | 調査期間 |
---|---|---|---|
全国大学生協連 | 6万7650円 | 全国の国公立および私立大学の学部学生 | 2022年10~11月 |
日本学生支援機構 | 9万5391円 | 大学学部、短期大学本科および大学院の学生高等専門学校(第4、5学年)本科の学生専修学校(専門課程)の生徒 | 2020年11月 |
日本政策金融公庫 | 7万9833円 | 64歳以下の男女、かつ、高校生以上の子どもを持つ保護者 | 2021年10月 |
東京私大教連 | 8万8600円 | 私立大学・短期大学の新入生 | 2022年5~7月 |
各機関によって調査時期や対象者は異なりますが、平均すると8万2118円という結果になります。
日本学生支援機構が2020年度に調査した結果、区分ごとの学生に仕送りしている金額は、以下の通りになりました。
区分 | 2020年度 | 2018年度 | 差額 |
---|---|---|---|
大学(昼間部) | 114万4700円 | 119万6600円 | 5万1900円 |
短期大学(昼間部) | 84万6000円 | 89万3100円 | 4万7100円 |
修士課程 | 92万5300円 | 94万6200円 | 2万900円 |
博士課程 | 38万2100円 | 39万5400円 | 1万3300円 |
専門職学位課程 | 76万4100円 | 89万9100円 | 13万5000円 |
大学生への仕送り額は、大学の種類や課程によりますが、毎月10万円程度が相場です。
区分 | 家庭からの給付額 | 学生の収入状況 | 仕送りが占める割合 |
---|---|---|---|
大学(昼間部) | 114万4700円 | 192万7600円 | 59.4% |
短期大学(昼間部) | 84万6000円 | 165万5300円 | 51.1% |
修士課程 | 92万5300円 | 194万8300円 | 47.5% |
博士課程 | 38万2100円 | 319万2500円 | 12.0% |
専門職学位課程 | 76万4100円 | 277万4000円 | 27.5% |
学生の収入総額に対して仕送り額が占める割合は、大学(昼間部)では約60%になりました。
仕送り以外の収入の割合は、アルバイト収入が20%、奨学金が18%です。
仕送りは、学生生活における重要な経済的援助となっています。
一人暮らしの大学生の生活費の内訳は、以下の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
食費 | 2万4680円 |
交通費 | 3,850円 |
教養娯楽費 | 1万3270円 |
書籍費 | 1,540円 |
勉学費 | 1,430円 |
日常費 | 7,430円 |
電話代 | 3,460円 |
その他 | 2,170円 |
貯金・繰越金 | 1万2970円 |
合計額 | 7万610円 |
出典:全国大学生協連「第58回学生生活実態調査」
上表から、生活費合計が7万610円であることがわかります。前述した通り、仕送りの平均額は8万2118円なので、仕送り額のうち支出額が占める割合は約85%となります。
ただし、住居費に関しては、一人暮らしをする地域によって家賃が大きく異なることもあるため、注意が必要です。
例えば、1ヵ月の家賃の全国平均が5万5695円であるのに対し、東京都平均では8万1001円となっています。首都圏や、地方でも主要都市などは家賃が高くなる傾向にあります。
家賃込みの仕送り額を考える場合には、一人暮らしをする地域の家賃相場も考慮する必要があります。
大学生の生活費は、下宿だと毎月10万円程度です。
アパート等で大学生が生活した場合、区分ごとで差はありますが生活費は以下の通りになります。
区分 | アパート等 | 自宅通学 | 差額 |
---|---|---|---|
大学(昼間部) | 110万8000円 | 38万7000円 | 72万1000円 |
短期大学(昼間部) | 98万9000円 | 36万円 | 62万9000円 |
修士課程 | 132万5000円 | 55万6000円 | 76万9000円 |
博士課程 | 185万6000円 | 125万3000円 | 60万3000円 |
専門職学位課程 | 150万円 | 101万9000円 | 48万1000円 |
自宅から通学する場合と比較すると、生活費は年間で約50万円から約80万円の差があります。
大学生の生活費の実態から、仕送りだけで生計を成り立たせるには最低でも毎月10万円は必要です。
これを4年間として計算すると、480万円程度が必要になります。
教育資金は、学費だけでなくこうした生活費も含めて考え、余裕を持って準備しておきましょう。
ここでは、大学生への仕送り額の決め方を紹介します。
仕送りは毎月送らないといけないわけではありません。しかし、子どもが学業に専念できるようにできる限り仕送りをしてあげたい気持ちもあるのが現実です。必要な生活費を考慮しながら、仕送り額を決めるとよいでしょう。
まずは、最低限生活をするために「家賃+食費+日常費」を基準にしましょう。日常費とは、洋服代や帰省する際の交通費などが挙げられます。
家賃は地域によって大きく変わるため、居住地域の相場を調べてから仕送り額を決定するのがおすすめです。
また、子どもがアルバイトをする場合、仕送り以外にどれだけの収入を得られるのかもポイントです。生活をするために必要な最低限の費用とのバランスを考えたうえで、仕送り額を決めるとよいでしょう。
仕送り額が多くなると、親自身の生活が圧迫される可能性があります。しかし、仕送り額が少なくなると、子どものアルバイト時間が増える可能性があるため、学業に影響しないか不安という人もいるでしょう。
できるだけ子どもに金銭的な苦労をさせたくないと考える親は多いですが、親自身も生活があるため、生活とのバランスを考えながら仕送り額を決定する必要があります。
妥当な金額設定について判断するのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのもおすすめです。お金の専門家であるFPならば、各家庭の状況に合わせて適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
子どもへの仕送り金額は、定期的に見直すのがおすすめです。
大学に入学してから初めて一人暮らしをするという子どもが多いですが、一人暮らしに慣れないなか、余計な出費が発生するケースもあります。半年もすれば、一人暮らしに慣れてくる人が多いでしょう。仕送り額を見直して自分の生活とのバランスを取ることが大切です。
また、就職活動の時期になると、大学での勉強と就職活動を並行して行わなければならず、アルバイトに時間を割けなくなります。そのようなタイミングでも、仕送り額を見直すとよいでしょう。
仕送りのお金が十分に用意できない場合の対策は、以下の5つです。
一人暮らしの支出を見直して、無駄な支出を減らすことができれば、仕送り額の負担を軽減できるでしょう。
具体的には、家賃を安く抑えたり、格安スマホを利用して通信費を下げたりすることで、毎月の固定費を削減できる可能性があります。
特に、家賃は支出の多くを占めるため、入居する地域や物件は慎重に選ぶとよいでしょう。
仕送りのお金を十分に用意できない場合は、子どもにアルバイトの時間を増やしてもらい、不足分を補うのも1つの選択肢です。
ただし、アルバイトばかりに時間を割いて学業が疎かになってしまわないように注意しなければなりません。仕送り額とアルバイトの時間について、子どもときちんと話し合っておくとよいでしょう。
現金ではなく、物資を送る方法もあります。食料や生活用品を送ることで、仕送り額が削減できるだけでなく、購入する手間もかからなくなります。子どもにとっての金銭的負担を軽減できるのがメリットです。
奨学金とは、学生の就学を援助するために資金を給付または貸与する制度です。授業料だけでなく、一人暮らしの家賃にも使えるため、奨学金を利用すれば仕送り額を抑えることができます。
給付型奨学金を利用できれば、返済の義務はありません。ただし、競争倍率が高く、審査は厳しいです。
利用しやすいのは貸与型奨学金です。貸与型奨学金には無利息のものと、有利息のものがあります。貸与されたお金は、学生本人が卒業後に返済する形になるため、利用する場合には子どもとよく相談してから決めましょう。
奨学金の詳細が知りたい人は、『奨学金の借り方|申請方法や審査基準・借りるときの注意点』も参考にしてください。
教育ローンとは、教育費用を賄うために金融機関から借入するローンのことで、大学や専門学校などでの学費や学習教材、生活費などを支払うために利用されます。
教育ローンには国の教育ローンと民間の教育ローンがあり、審査の通りやすさや、金利の低さなどに差があります。
国の教育ローンには所得制限があります。低収入の人が低金利で借りられるメリットがある一方で、申し込みまで時間がかかり、一定の所得を超える世帯は利用できない点がデメリットです。
民間の教育ローンは、金融機関ごとに利用条件が異なります。高収入の人ほど審査に通りやすい一方で、金利が高く返済の負担が大きくなる点がデメリットとして挙げられます。
教育ローンについて詳細が知りたい人は、『誰でも必ず借りられる教育ローン』も参考にしてください。
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大学進学の費用を捻出するためのポイントは、以下の通りです。
子どもが小さい頃からできる準備の例は、以下の通りです。
学資保険を利用すると、将来の教育費を貯めることができます。ただし、学資保険がよいかどうかは評価が分かれるところです。詳しくは『学資保険をおすすめしない理由|教育費用を貯める別の方法』も参考にしてください。
将来を見据えた資金計画については、FPに相談するのがおすすめです。
FPには、教育資金の準備方法に加えて、住宅ローンの組み方や保険の選び方、老後資金の貯め方など、お金に関するさまざまな悩みを相談できます。
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一人暮らしの大学生への仕送り額について紹介しました。住む地域などによって変動しますが、一人暮らしの大学生の平均生活費が6万3250円であるのに対し、仕送りの平均額は8万2118円です。
大切なのは、子どもが実際に一人暮らしを始めてから、定期的に仕送り額を見直すことです。大学進学に向けた教育資金の準備方法などがわからない場合には、お金のプロであるFPに相談するのもおすすめします。
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