政府による経済対策案が、11月2日に発表されました。
物価高に対応し、持続的な賃上げや成長力の強化を図ることを目的としています。
この記事では、以下の経済対策の概要や開始時期について解説します。
- 所得減税
- 低所得世帯向けの給付
- ガソリン、電気、ガス料金の補助
- 児童手当の拡充と支給前倒し
- 受験料の補助
- 年収の壁対策パッケージ
- 両立支援等助成金
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【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
政府による経済対策案が、11月2日に発表されました。
物価高に対応し、持続的な賃上げや成長力の強化を図ることを目的としています。
この記事では、以下の経済対策の概要や開始時期について解説します。
新たな経済対策案では、1人あたり4万円の所得減税が行われる見通しです。
1年間の期限付きで、所得税3万円、住民税1万円の減税を予定しています。
世帯に扶養親族がいる場合、扶養親族の人数分が減税加算されます。
また、所得税と住民税の納税額が4万円に満たない場合は、差額分が給付されます。
1人あたり4万円の所得減税は、2024年の6月頃の実施を予定しています。
詳しくは、こちらの記事「1人4万円の所得減税。4人家族なら合計16万円減税」を参考にしてください。
住民税非課税世帯をはじめとする低所得世帯には、7万円の給付を行います。
7万円の給付は、補正予算が成立後に実施される見通しなので、年内に給付金の申請がスタートする見通しです。
また、所得税非課税で住民税は課税される低所得世帯に対しても、10万円の給付が検討されています。
詳しくは、こちらの記事「1世帯10万円のインフレ給付金、年内実施か」を参考にしてください。
ガソリン代や電気、ガス料金については、現行の補助金を2024年4月まで実施する見通しです。
現行の補助額は、以下の通りです。
出典:経済産業省資源エネルギー庁「電気、都市ガス、ガソリンへの負担軽減策を引き続き実施します。」
2024年5月以降、ガソリンは経済情勢に応じて段階的に補助率を縮小する見通しです。
電気・ガスは、国際的な燃料価格の動向を見極めて、支援の幅を縮小するか検討します。
児童手当は、現行制度から以下の点が変更されます。
上記の拡充に加え、新たな経済対策案では、以下の項目が追加されました。
当初は、2025年2月からの支給開始を予定していましたが、支給開始が前倒しになります。
支給開始が前倒しになることに伴い、支給回数が、2ヵ月分ずつ年6回に変更されます。
詳しくは、こちらの記事「2024年10月から児童手当が大幅増額」を参考にしてください。
一定の要件を満たす世帯に対して、受験費用を補助する見通しです。
補助金の内容は、以下の通りです。
受験料の補助は、2024年度から開始する予定です。
詳しくは、こちらの記事「【子ども1人5万円給付】高校生に大学受験費用の補助金」を参考にしてください。
「年収の壁・支援強化パッケージ」は、賃上げの支援策で、10月から先行してスタートしています。
今回の支援策は、「106万円の壁」「130万円の壁」それぞれに対応したものです。
出典:厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」
年収106万円の壁への対応としては、企業への支援策として「キャリアアップ助成金」と「社会保険適用促進手当」を実施しています。
また、年収130万円の壁への対応として、一時的に収入増になった場合でも、連続2年までは扶養内にとどまれるようにしています。
詳しくは、こちらの記事「年収の壁解消へ。年収の壁・支援強化パッケージ」を参考にしてください。
仕事と子育ての両立ができる体制整備をした中小企業を支援する「両立支援等助成金」の1つに、「育休中等業務代替支援コース(仮称)」を新設する見通しです。
「育休中等業務代替支援コース(仮称)」では、企業が育休中の社員の業務代替要員に支払う手当額のうち、75%を補助します。
補助の上限は月10万円で、12ヵ月までです。
また、時短勤務者の代替要員についても、最大110万円の助成金を支給します。
2023年度中に制度が開始できるよう、調整が行われています。
詳しくは、こちらの記事「代替要員を確保した企業に助成金」を参考にしてください。
新たな経済対策案は、11月中に国会に提出され、成立する見通しです。
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国が用意している公的な補助については、『国からもらえるお金一覧!申請すればもらえる給付金・補助金』で詳しく解説しています。
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