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賢い自動車ローンの組み方とは?|ローンを組む前に確認しておきたいポイントを紹介

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

自動車ローンは、新車を購入する際に利用する人が多いでしょう。しかし、中古車の購入をはじめ、マイカーの車検費用や車用品の購入、運転免許の取得費用などのためにローンを組むケースもあります。

この記事では、車をローンで購入するか検討している人に向けて、事前に確認すべきポイントや自動車ローンの種類などを解説します。

自動車ローンを組む前に確認したいこと

まずは、自動車ローンを組む際に事前に確認しておくべきことを解説します。

頭金はいくら用意できるか

車の購入に限らず、ローンを組む際は、借入額が大きくなるほど審査が厳しくなります。頭金を増やせば、借入額を減らすことができるため、審査に通りやすくなる可能性があるでしょう。

一般的には、車両本体価格の20~30%程度の頭金を用意する人が多いようです。頭金を用意できることは、経済力があり、計画的にお金を返済できる証明にもなり、審査の際にプラスに働きます。

どのくらいの期間で完済したいか

ローンの返済期間は借入先によって異なりますが、主な金融機関を見ると最短で6ヵ月、最長で10年の範囲に設定されているのが一般的です。

返済期間を長くすると、月々の返済額は抑えられる代わりに利息が増えます。一方で、返済期間を短くすると、利息が少なくなる代わりに月々の返済額が多くなります。

一般的には、返済期間を5年前後とする人が多く、借入期間と返済額のバランスが良いといわれています。

金利の仕組み

自動車ローンの金利には、変動金利と固定金利の2種類があります。

変動金利

決められた基準日で利息が変更されるタイプです。固定金利よりも低めの金利が設定されており、いまのような低金利時代であれば返済額を抑えることが可能です。ただし、金利が上昇すれば返済額が増えるため、返済プランを立てにくい面があります。

固定金利

金利が、ローンを組んだ時点から変わらないタイプです。世の中の金利が上がっても影響を受けることはないため、計画的な返済が可能となります。

返済方法の仕組み

自動車ローンの返済方法は、次の2種類です。

  • 元利均等返済
  • 元金均等返済

元利均等返済

元利均等返済とは、毎月の返済額(元金と利息の合計額)が常に同じになるように設定された返済方法です。ローンの返済方法としては、最もポピュラーなものといえます。

金利が変動しなければ、1ヵ月後の返済額も5年後の返済額も同じです。返済が進むにつれて利息の割合は減っていきますが、その分元金の返済額の割合が増えていきます。

元利均等返済は、返済計画が立てやすいのがメリットです。しかし、ローン全体の返済総額は、元金均等返済よりも多くなります。

元金均等返済

元金均等返済とは、毎月の元金の返済額が常に同じになるように設定された返済方法のことです。

返済が進むと利息が減っていくことから、それに伴い返済額も毎月減ります。元金の返済額は、返済期間中の月数で均等に割られます。返済を始めた頃は返済額が最も大きく、完済時期に近づくにつれて返済額は少なくなります。

元利均等返済と比べると元金の減りが早いため、借入期間が同じであれば元金均等返済の方が返済総額は少なくなります。しかし、借入当初の返済額が大きくなるという特徴があります。

自動車ローンの種類を理解しておく

ここでは、3種類に大別される自動車ローンの種類を解説します。

自社ローン ディーラーローン 銀行マイカーローン
概要 ディーラーに車の購入代金を立て替えてもらう ディーラーが提携する信販会社から融資を受ける 都市銀行や地方銀行、信用金庫から融資を受ける
審査基準 独自基準 信用情報 信用情報
審査難易度 通りやすい 比較的通りやすい 厳しい
金利 金利はないが手数料が高い やや高い 低い

自社ローン

自社ローンとは、ディーラーに車の購入代金を立て替えてもらい、分割で返済していくローンのことです。通常のローンのように金融会社の審査を通過する必要がなく、ディーラーが独自の基準で顧客の返済能力や信用状況を審査します。

メリットは、審査に通りやすいこと、金利がないこと、審査に煩わされることなく短期間で車を購入できることなどです。

一方、デメリットとして、金利がない代わりに高い手数料を課される可能性があること、申し込める金額が低めなこと、分割回数が少な目なことが挙げられます。

ディーラーローン

ディーラーローンとは、購入する車を担保にしてディーラーの提携先である信販会社から融資を受けるローンです。

メリットは、手続きの手間が少ないこと、審査にかかる時間が短いことなどです。

デメリットとしては、銀行マイカーローンと比べて金利が高いこと、返済途中で事故などにより車が全損した場合はローン残額を一括返済するように求められることが挙げられます。また、車の名義はローンを払い終わるまでディーラーか信販会社となり、購入者が車を自由に売却・譲渡することはできません。

銀行マイカーローン

銀行マイカーローンとは、都市銀行や地方銀行、信用金庫などの金融機関から融資を受けるローンのことです。

メリットは、ディーラーローンよりも金利が低いこと、車の関連商品などの購入にも使えることなどです。ディーラーローンと異なり、車の名義が購入者になります。

デメリットとして、審査に必要な書類はすべて自分で用意しなければならないこと、ディーラーローンよりも審査に要する時間が長いことなどが挙げられます。

以前は即日で融資を受けられるケースもありましたが、現在では審査が厳格化され、審査結果が出るまで2週間程度かかる場合があります。

自動車ローンを組むときのポイント

自動車ローンを組む際にしておきたいことは、以下の通りです。

  • 車の維持費や諸経費を把握する
  • 中古車などニーズに合うものを幅広く検討する
  • ローンと一括払いどちらが自分に合うか考える

車の維持費や諸経費を把握する

車を購入すると、車両本体価格のほかにも以下の費用がかかります。

  • 登録諸費用
  • ガゾリン代
  • 駐車場代
  • オイル交換費
  • タイヤ交換費
  • 車検費用
  • 保険料

登録諸費用は車両本体価格の10~20%で、ローンの借入額に含められないことも多いです。本体価格によっては高額になります。

また、乗り続けていればガソリン代や駐車場代、オイルやタイヤといった消耗品の交換費用、車検費用などの維持費がかります。

車の維持費は、走行距離や乗る頻度、車種によって変わりますが、年間で10万円単位の出費となるケースも多いです。維持費を考慮したうえで、家計を圧迫しすぎない返済計画を立てることが大切です。

中古車など自分の状況に合うものを幅広く検討する

車の価格が予算オーバーしている場合は、中古車も含めて検討することをおすすめします。

同じ車種・グレードでも、新車と比べて中古車の方が遥かに安いケースも多く、希望の車を予算内で購入できる可能性があります。状態の良い中古車を買えば、修理代がかさむこともありません。

また、「新古車」と呼ばれる、登録済みの未使用車を探す方法もあります。

一括払いとローンどちらが自分に合うか考える

一括払いとローンのどちらが自分に合っているか、慎重に検討しましょう。それぞれのメリット・デメリットを見ていきます。

一括払いのメリット・デメリット

一括払いのメリットは次の通りです。

  • 支払総額がローンよりも少なくなる
  • 好きなときに譲渡・売却ができる

車を一括払いで購入する最も大きなメリットは、利息がないため支払総額がローンよりも少なくなることです。どんなローンを組むかによっても変わりますが、通常はローンを組むと利息だけで大きな金額になります。また、一括払いでは車の名義が自分となるため、好きなときに譲渡や売却ができます。

一方、一括払いのデメリットは次の通りです。

  • 一度に大きな出費になるため手元の資金が減る
  • グレードや装備を妥協しなければならない可能性がある
  • 値引きが期待できない

一括払いのデメリットは、手元の資金が大きく減ってしまうことです。そのため、病気や事故など不測の事態が起きて、まとまったお金が必要になった場合に対処できなくなる可能性があります。希望している車の価格が予算を上回る場合、グレードや装備を妥協しなければならないこともあるでしょう。

ローンのメリット・デメリット

ローンのメリットは次の通りです。

  • 手元に資金を残したまま希望の車を手に入れられる
  • 自分の好みや条件に合った車が手に入る

ローンの最も大きなメリットは、手元に資金を残したまま車を購入できることです。また、資金に余裕がなくても、自分の好みや条件に合った車を手に入れることができます。一括払いよりもローンの方が購入できる車の選択肢が広がるでしょう。

一方、ローンのデメリットは次の通りです。

  • 利息が発生するため支払総額が多くなる
  • 毎月の固定費になる

ローンの最も大きなデメリットは、利息が発生し、支払総額が一括払いよりも多くなることです。金利はローンの種類によって異なりますが、ディーラーローンでは3~7%、銀行カーローンでは1~3%が一般的です。

仮に、金利が3%のローンで300万円借入し、返済期間を5年とした場合の支払総額は323万4360円です。一括払いとの差は、32万9820円にのぼります。

また、ローンを組むと毎月一定額を長期的に支払う必要があるため、固定費が増えて家計を圧迫する可能性があります。住宅ローンの借入や子どもの教育費など、ほかの固定費も含めて返済計画を立てることが大切です。

まとめ

自動車ローンを組む際の注意点を解説しました。安易にローンを組むと、急な出費が必要になったときに対処できなくなる恐れがあります。また、毎月のローン返済が重荷になったとしても、契約時に決めた返済期間を延長して負担を減らすことはできません。

ローンで車を購入するなら、毎月の返済額や返済期間、車の利用期間などを考慮し、慎重に検討してください。

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