学費に生活費、交際費など、学生生活を楽しむには何かとお金が必要です。足りない場合には、お金を借りるのも1つの選択肢でしょう。学生ローン、消費者金融のカードローン、クレジットカードのキャッシング枠などを利用すれば、親に知られずに学生でもお金を借りることが可能です。
この記事では、学生がお金を借りる9つの方法と、借りる際に注意すべきポイントを紹介します。
【監修】株式会社RKコンサルティング
河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のマネー相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
学費に生活費、交際費など、学生生活を楽しむには何かとお金が必要です。足りない場合には、お金を借りるのも1つの選択肢でしょう。学生ローン、消費者金融のカードローン、クレジットカードのキャッシング枠などを利用すれば、親に知られずに学生でもお金を借りることが可能です。
この記事では、学生がお金を借りる9つの方法と、借りる際に注意すべきポイントを紹介します。
学生がお金を借りることができる方法は、以下の9つです。
それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った方法を選びましょう。ここでは、借入時の利用条件、親に知られずに済むか、メリット・デメリットなどについて解説します。
奨学金は、国や自治体、大学、NPOなどが行っている融資制度です。
国内で最も利用されている奨学金制度は、国が支援する、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の奨学金です。JASSOの「平成30年度 学生生活調査」によると、大学生(短大生含む)の利用率は51.4%。大学生の2人に1人が奨学金を利用していることになります。
奨学金は、学費や留学などまとまったお金が必要な学生におすすめです。JASSOなど、国内の奨学金は第1種(無利息)と第2種(利息付)があり、学力や経済的理由によって決定されます。
奨学金は、希望して申請すれば誰でも借りられる制度ではなく、学力や世帯収入による基準があります。申請しても認められないケースもあるので注意が必要です。
奨学金のメリットは、ほかのローンと比べると金利が低く、返済の負担が少ない点です。利息なしの奨学金や、返済不要の給付型奨学金もあります。
デメリットは、審査に時間がかかり、手元にお金がなかなか入ってこない点です。奨学金の約9割は貸与型なので、卒業後に長期間にわたって返済しなければいけません。仕事を辞めてしまうと、返すのが困難になることもあります。給付型や無利息貸与の奨学金は、募集人数が少なく、倍率も高くなる傾向にあります。
奨学金は学費の支払いに限定されています。審査対象は親権者なので、利用した事実が親に知られることは覚悟しておいてください。
学生ローンとは、学生専門のローン商品です。学費だけでなく、運転免許や資格取得のための費用、旅行など、さまざまな使い道に利用できます。
学生ローンを利用する際には、安定したアルバイト収入があることが条件となっています。アルバイトをしていない学生は借りることができません。
学生ローンのメリットは、比較的審査が通りやすい点です。使用目的も奨学金と比べると幅広く、自由に使える点も魅力です。学生ローンの中には、借入内容を親に伝えないよう配慮しているところもあります。
デメリットは、借入できる融資限度額が50万円程度と、通常のカードローンと比べて低い点です。金利が15~20%とやや高い点にも注意してください。
2022年4月より成人年齢が引き下げられたことで、18歳、19歳でもお金を借りることができるようになりました。ただし、20歳未満は申し込み不可としている学生ローンもあるので注意が必要です。
消費者金融とは、貸金業法という法律に基づいてお金の貸付を行う事業者であり、カードローンなどの個人向け融資を扱っています。原則として20歳以上で、アルバイトなどの安定した収入があれば利用可能です。
大手消費者金融の一部では、18歳や19歳でもカードローンを利用できるようになり、学生がお金を借りる選択の幅が広がりました。
消費者金融のメリットは、最短即日でお金が借りられる点です。コンビニのATMを利用して、申し込みから借入までをその場で簡単に行える業者もあります。返済期間を自由に選べる点も特徴です。
デメリットは、ほかの融資制度と比べると、金利が3~18%と高めに設定されている点です。学生で初めて消費者金融を利用する際は、信用力が低いため、上限となる18%の金利が適用される可能性が高くなります。
消費者金融でお金を借りる際は、アプリから申し込んで、コンビニATMでお金を借りると親に知られにくいです。申し込み時に、固定電話の番号を記載しないようにする、郵便物が届かないサービスを利用する、督促状が届かないよう返済期日を絶対に守るなどの点を注意すると、親に知られる確率は低くなるでしょう。
クレジットカードには、お金を借りることができるキャッシング機能が付いたものがあります。キャッシング機能があるクレジットカードを持っているのなら、学生ローンより手軽にお金を借りることが可能です。
クレジットカードのキャッシングのメリットは、すぐにお金が借りられる点です。お金を引き出すために、新たに手続きを行う必要はありません。利用方法も簡単で、提携ATMにクレジットカードを挿入し、暗証番号を入力するだけでお金が引き出せます。親に知られる心配もありません。
ただし、クレジットカードのキャッシング枠を使いすぎると、ショッピングで利用できる限度額が圧迫される点に注意が必要です。例えば、利用限度額がショッピング枠で50万円、キャッシング枠で30万円だった場合、キャッシング枠で30万円を借りると、ショッピングでは20万円しか使えなくなります。
さらに、金利が15~18%と高めに設定されているのもデメリットです。
内定者向けローンとは、就職先が決まった学生を対象としたローンで、銀行などで取り扱っています。融資額は100万円まで、金利は4~8%程度と通常の学生ローンより低く設定されています。内定者向けのローンのため、申し込みの際には内定通知書の写しと学生証などが必要です。
内定者向けローンのメリットは、アルバイトをしていない学生でもお金を借りることができる点です。使い道も自由で、引っ越し費用や運転免許費用などにも使えます。
内定者向けローンでは、原則として親権者や就職先に連絡がいくことはありません。ただし、就職後の返済が滞り、強制執行となった場合は、給与から差し押さえられるため、就職先に知られることになります。
銀行カードローンは、銀行の審査に通れば利用することができます。20歳以上で毎月安定した収入があることが利用条件ですが、学生はアルバイトの収入があっても融資を受けられないケースが多いです。
銀行カードローンのメリットは、金利が低めに設定されている点と、メガバンクや地方銀行が融資を行うため、信頼できる点が挙げられます。
一方、デメリットは、審査が厳しく、融資までに時間がかかることです。毎月銀行が指定した日に一定額を返済しなければならず、消費者金融より返済の自由度が低い点も注意しましょう。
担保自動貸付とは、貯金を担保に郵便局(ゆうちょ銀行)でお金を借りる方法です。ゆうちょ銀行の総合通帳に貯金しておくことでお金を借りることができ、銀行カードローンのように厳しい審査はありません。
担保自動貸付のメリットは、金利が0.252~0.502%と非常に低い点です。ゆうちょ銀行に貯金があれば、アルバイトをしていない学生でもお金を借りることが可能です。審査がないため、親に知られることもありません。
デメリットは、担保となる貯金の90%までしか借りることができないため、まとまったお金を借りるには同額以上の担保を用意する必要があること、借入期間が2年間に設定されていることです。
質屋では、質預かりという方法でお金を借りることが可能です。PCやスマホ、ゲーム機、ブランド品など、価値のある品物を預けると質屋が査定してくれ、評価額の範囲内でお金を貸してくれる仕組みです。
質屋は品物を担保にするため、アルバイトをしていない学生でも利用できるのがメリットです。ただし、指定期日までに借りたお金と利息を全額支払わないと、担保にした品物は没収されてしまいます。
ローンの審査に落ちた場合など、どこからもお金が借りられないときは、親族や知人に頼んで借りる方法もあります。
親族や知人からお金を借りることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、厳しい審査がなく、利息もないため、無職で返済能力のない学生にとっては選択肢の1つといえるでしょう。
後のトラブルを避けるために、友人でも親でも、お金を借りる際には借用書などを書いておくことをおすすめします。
学生がお金を借りるなら、消費者金融がおすすめです。20歳以上の学生であれば、親へ連絡されることもありません。
学生でも利用可能な消費者金融のカードローンについて紹介します。
1978年に設立したアコムは、2023年3月現在、150万人を超える人が利用しています。テレビCMなどで知名度が高いため、初めてお金を借りる学生でも知っているという人は多いでしょう。
学生でも毎月5万円以上の収入が2ヵ月以上続いていれば、審査に通る確率が高くなります。初めて利用する人を対象に、30日間の無利息期間サービスも提供しています。
18歳や19歳でもお金を借りることができますが、収入を確認できる書類(給与明細2ヵ月ぶんなど)が必要です。
金利 | 年3.0~18.0% |
---|---|
融資限度額 | 1万~800万円 |
最低返済額(月) | 3,000円~ |
融資までの期間 | 最短即日 |
Web申し込み | ○ |
利用条件 | 18歳以上、毎月安定した収入がある |
アコムのカードローンについて詳しく知りたい方は、アコムのカードローンの口コミと評判を参考にしてみてください。
アイフルは消費者金融の中で唯一、銀行の傘下に入っていない業者です。24時間365日いつでも申し込め、土日でも対応可能です。初めてアイフルを利用する人は、30日間無利息になります。
他社よりも審査が厳しくないと評判で、学生もアルバイトで月2~3万円程度の収入があれば審査に通る可能性があります。アルバイト先への電話連絡は原則行っていません。
金利 | 3.0~18.0% |
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融資限度額 | 1万~800万円 |
最低返済額(月) | 4,000円~ |
融資までの期間 | 最短25分 |
Web申し込み | ○ |
利用条件 | 20~69歳、毎月安定した収入がある |
アイフルのカードローンについて詳しく知りたい方は、アイフルのカードローンの口コミと評判を参考にしてみてください。
プロミスは最大金利が17.8%となっており、消費者金融の中でも比較的低金利で借りることができます。学生でも利用可能ですが、アルバイトで月3~5万円の収入が必要です。
初めて借りる場合、メールアドレスの登録とWeb明細の利用で、初回借入時から30日間利息が不要となります。
金利 | 4.5~17.8% |
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融資限度額 | 500万円 |
最低返済額(月) | 4,000円~ |
融資までの期間 | 最短25分 |
Web申し込み | ○ |
利用条件 | 18~74歳、毎月安定した収入がある |
プロミスのカードローンについて詳しく知りたい方は、プロミスのカードローンの口コミと評判を参考にしてみてください。
SMBCモビットは借りたお金を返済することで、Tポイントが貯まります。貯まったポイントは、返済に充当することも可能です。
SMBCモビットは通常はWebで申し込み可能ですが、「社会保険証」や「組合保険証」が必要となるため、学生は利用できません。そのため、カードを作ってお金を借りることになるのですが、この場合、アルバイト先へ在籍確認の電話がかかってきます。
カードの受け取りをコンビニで行うようにすると、親に知られにくいようです。
金利 | 3.0~18.0% |
---|---|
融資限度額 | 1万~800万円 |
最低返済額(月) | 4,000円~ |
融資までの期間 | 最短60分 |
Web申し込み | ○ |
利用条件 | 20~74歳、毎月安定した収入がある |
SMBCモビットのカードローンについて詳しく知りたい方は、SMBCモビットのカードローンの口コミと評判を参考にしてみてください。
レイクで初めてお金を借りる場合、5万円までの借入で最大180日間、無利息で借りることができます。無利息期間180日は、大手消費者金融の中でも特に長いです。
郵送物が送られてくることはないため、親に知られる心配もありません。
金利 | 4.5~18.0% |
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融資限度額 | 500万円 |
最低返済額(月) | 4,000円~ |
融資までの期間 | 最短即日 |
Web申し込み | ○ |
利用条件 | 20~70歳、毎月安定した収入がある |
レイクの詳細はこちら。
学生がお金を借りる際、注意すべきポイントは以下の通りです。
闇金は絶対に利用しないでください。闇金とは、貸金業の登録をしていない金融事業者のことです。闇金からお金を借りると、罰則の対象となる可能性があります。
貸金業法では金利の上限が決まっているのですが、違法な高金利で貸付をしている闇金もいます。闇金は、個人情報が悪用されるリスクも高いです。審査なしでお金を貸してもらえる金融業者は存在しません。甘い言葉で誘ってくるときは、闇金ではないかと疑ってください。
お金を借りることができるのは、18歳以上の成人です。未成年は保証人が必要で、基本的には利用できません。
ただし、未成年でも結婚している場合は、成年擬制制度により成人と認められます。そして、親の同意がなくても金融機関からお金を借りることが可能です。
自分が返せる金額を借りるようにしましょう。学生は学業が本分のため、アルバイトなど働く時間には限界があり、借り過ぎてしまうと返せなくなる恐れがあります。
万が一、お金が返せずに訴訟になった場合、最終的には強制執行となり、親に連絡がいくだけでなく周りに迷惑をかけることになります。
この記事では、学生でもお金を借りられる方法を紹介しました。学生ローン、消費者金融カードローン、クレジットカードのキャッシング枠などを利用すれば、親に知られずにお金を借りることも可能です。2022年4月から成人年齢が引き下げられたことから、大手消費者金融でも条件を満たせば18歳、19歳でも借りられるようになりました。
自分に合った方法を選び、返せる範囲内の金額を借りることが大切です。
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