小学校でかかる学費の目安|学費以外にもかかる費用をあわせて解説

執筆者:マネーFix 編集部

公立小学校6年間でかかる学習費総額の目安は、1,926,809円です。ただ、月額にすると毎月約27,000円の支出なので、生活費の範囲内で賄えるかもしれません。

しかし、学習費以外にも小学校入学時にかかる費用や、学童保育の費用、中学校入学を視野に入れた場合など、さまざまな費用がかかります。

この記事では、公立小学校に通うにあたって発生する費用の詳細、そして費用の負担を軽減させる方法を紹介しています。

小学校の6年間でかかる費用

公立小学校6年間でかかる学習費総額の目安は、1,926,809円(※1)です。月額で計算すると約2万7,000円なので、生活費の範囲内で賄える可能性があります。

公立小学校の学費について、もう少し詳しく見ていきましょう。

※1 出典:文部科学省 平成30年度子供の学習費調査 2.調査結果の概要

入学時にかかる費用

小学校の入学時には、次のような費用がかかります。

合計すると意外に大きな金額になるので、考慮しておきましょう。

【公立小学生が入学時にかかる費用】
上履き 1~2千円
体操着上下 約4千円
文房具 約5千円
制服(制服がある場合) 約1万5千円~5万円
ランドセル 4~10万円
合計 6万5千円~16万1千円

学校教育費

先に述べた学習費総額は、さらに学校教育費と学校外活動費に分けられます。

学校教育費とは、学校教育において必要な支出のことを言います。

【学校教育費の主な支出項目】
授業料、修学旅行・遠足・見学費、
PTA会費、学用品・実験実習材費、
通学費、制服、通学用品費(例:ランドセル)など

学校外活動費

学校外活動費は、子どもの学校生活以外の活動で生じる支出のことで、さらに「補助学習費」と「その他の学校外活動費」に分けられます。

【補助学習費の主な支出項目】
家庭内学習費、家庭教師費、学習塾費など
【学校教育費の主な支出項目】
体験活動・地域活動、 芸術文化活動、スポーツ・レクリエーションなど

公立小学校と私立小学校の学費の違い

公立小学校と私立小学校の学費を、比較してみましょう。

学習費総額で見ると、公立小学校の学費は私立小学校の約5分の1です。

学校教育費と学校外活動費で大きな差があることが分かります。

【公立小学校と私立小学校の学費の比較】
公立小学校 私立小学校
学習費総額 321,281円 1,598,691円
学校教育費 63,102円 904,164円
学校給食費 43,728円 47,638円
学校外活動費 214,451円 646,889円
出典:文部科学省 平成30年度子供の学習費調査 2.調査結果の概要

学費以外にかかる費用

小学生には、学費以外にもかかる費用があります。

<小学生が学費以外にかかる費用>

  • 学童保育費用
  • 中学校入学に伴ってかかる費用

それぞれの費用の概要や目安となる金額を紹介します。

学童保育費用

学童保育とは、子育てと仕事の両立の支援を目的に設置された施設で、放課後や長期休暇中に子どもを預かってもらうことができます。

学童保育の運営は、自治体や民間企業などさまざまな団体が行っており、運営団体によってサービスや料金形態が異なります。

【学童保育の運営形態と費用】
学童の種類 概要 費用
放課後児童クラブ 学校内の空き施設や学区内の専用施設などで活動する。
運営主体は自治体、NPO法人、民間団体など
4~8千円
放課後子ども教室 小学校の空き教室などを利用して活動を行う。
学生や元教員、ボランティアなどが活動をサポート
原則無料
民間学童保育 民間企業が提供しています。
ピアノや英語の教育など、他の学童に比べてサポートが手厚い傾向がある
3~5万円

中学校入学に伴ってかかる費用

小学校も高学年になると、中学校の入学が視野に入ってきます。

中学校でも、小学校と同様、入学時にはある程度まとまった費用がかかる可能性があります。

特に中学から私立に入学することを検討する場合は、学費が跳ね上がるため早めの準備が必要です。

入学費用

中学校入学に伴い、学校から指定されて準備しなければならないものの費用があります。

【中学校入学にあたり新たに準備が必要なもの】
制服(夏服と冬服合計) 2~3万円
体操着上下 約1万円
通学靴 約7千円
通学バッグ 4~8千円
合計 約4万1千円~約5万5千円

公立小学校の入学費用が6万5千円~16万1千円程度であるため、中学の入学費用のほうが少ない傾向があるようです。

しかしこの他にも、小学校で購入した上履きや文房具なども、新たに買い替えなければいけない可能性が考えられます。

ここで紹介した合計額より、少し高く見ておいたほうが良いかもしれません。

また、私立の中学校に入学する場合は、入学金や施設使用料が必要になる場合があります。

私立中学の入学金の平均額は26万円。

施設使用料は、10万円程度がおおよその相場となります。

私立中学受験費用

私立中学への入学を希望している場合は、受験費用もかかります。

受験費用の相場は1回につき2~3万円です。

複数校受験すれば、金額はさらに大きくなります。

小学校の費用負担を軽減させる方法

小学校でかかる費用を軽減するためには、国の制度や金融商品を活用するなど、さまざまな方法があります。

具体的には以下のような方法です。

【小学校の費用負担を軽減させる方法】

  • 就学援助制度を活用
  • 塾代や医療費を抑える
  • 児童手当の活用
  • お下がりがある場合はなるべく利用する
  • 学資保険の活用

それぞれの方法について、詳しく解説します。

就学援助制度を活用

就学援助制度とは、国が経済的理由で就学困難な学齢児童生徒の保護者を支援する制度です。

生活保護法に定められている要保護者、あるいは市町村教育委員会が要保護者に準ずる程度に困窮していると認めた人が制度の対象になります。

具体的な援助の内容は、自治体によって異なります。

また、援助内容のうち私立のみ、あるいは公立のみ対象となっている場合もあります。

【就学援助制度 札幌市の一例】
支給費目 支給内容
学用品費 ・小1:13,230円/年
・小2~6年:15,500円/年
入学準備金 51,060円/人
通学費 公共交通機関の利用額
給食費 認定を受けている期間中は無料
学校病医療費 一定の病気の医療費自己負担が無料
例)トラコーマ、結膜炎、中耳炎、白癬など

就学援助制度の申し込み方法

就学援助制度は、以下の流れで申し込みをします。

子どもが2人いて、小学校と中学校に在学しているような場合は、いずれか1校に提出します。

【就学援助制度の申し込み方法】(札幌市のケース)

  1. 申請書を学校から入手または自分で印刷をする
  2. 申請書に必要項目を記入
  3. 学校に提出(提出期限があります)
  4. 審査
  5. 援助の開始

書類だけでは判断ができない場合は、追加書類や確認が必要になる可能性もあります。

塾代や医療費を抑える

塾代を抑えることで、毎月の負担額を軽減できる可能性があります。

地域や、塾の規模などによって料金設定はさまざまですが、オンライン塾は、個別指導や家庭教師に比べて最低価格が安い傾向です。

【小学生の塾の費用を比較】
オンライン塾 5千~1万5千円/月
個別指導塾 1万~1万2千円/月
家庭教師 1万~4万2千円/月

また、年間の医療費が同一生計の家族の分も含めて10万円、あるいは総所得金額の5%を超えた場合、確定申告し税金の還付を受けられる可能性があります。

医療費が高額になったら、医療費控除が使えるか確認をしましょう。

児童手当の活用

児童手当は、0歳~中学生までの児童を養育している子育て世帯を支援する制度で、支給額は以下の通りです。

児童の年齢 児童手当の額(月額)
3歳未満 一律15,000円
3歳以上小学校修了前 10,000円(第3子以降は15,000円)
中学生 一律10,000円

お下がりがある場合はなるべく利用する

子どもの成長に伴い不要になるものは多いため、買ってもすぐに使わなくなるようなものは極力お下がりを利用すると、購入費用を抑えられます。

学資保険の活用

学資保険に加入をすると、学費でお金がかかる時期に祝い金や満期保険金を受け取ることができます。

祝い金や満期保険金の受取額が払込保険料総額を上回る可能性があるうえ、保険料払込期間中に保険料を払っている親に万が一のことがあると、以降の保険料の支払いが免除されます。

保険料の支払いが免除されても、祝い金や満期保険金を受け取ることができます。

まとめ

公立は私立に比べて学費の負担が少ない傾向にありますが、それでも小学校6年間でかかる学習費総額の目安は1,926,809円にのぼります。

ただ、月額に換算すると毎月約2万7,000円なので、そこまで生活費の負担は大きくないかもしれません。

しかし、小学生は学費以外にもさまざまな費用がかかります。

教育費は中学、高校を今後も引き続きかかってくるので、小学校のうちから貯蓄を始め、早い段階で将来の学費に備えておきましょう。

学費を軽減するためには、就学援助制度や児童手当といった国の制度や、節約、金融商品の活用などが有効です。

キーワードで記事を検索