子どもの教育資金を用意する方法として学資保険は定番ですが、「やめた方がいい」という声もあります。「学資保険にはどんなデメリットがあるの?」「選ぶ際には何に気を付ければいい?」という疑問を持つ人もいるでしょう。
いまは低金利が続いているため、学資保険で積み立ててもお金を増やすのは難しいです。
この記事では、学資保険についてデメリットを中心に解説します。
- 学資保険のデメリット
- 学資保険の選び方
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
子どもの教育資金を用意する方法として学資保険は定番ですが、「やめた方がいい」という声もあります。「学資保険にはどんなデメリットがあるの?」「選ぶ際には何に気を付ければいい?」という疑問を持つ人もいるでしょう。
いまは低金利が続いているため、学資保険で積み立ててもお金を増やすのは難しいです。
この記事では、学資保険についてデメリットを中心に解説します。
学資保険とは、将来必要になる子どもの教育資金を準備する目的で加入する保険です。
決まった額の保険料を支払っていき、一定の年齢になれば契約時に決めた額を受け取れます。大学進学時に保険金を受け取れるタイプの商品が多いです。
学資保険は、原則として子どもが産まれる前から6歳になるまでの間に加入できます。保険料の払い込み期間は商品によりますが、高校を卒業する18歳までというケースが一般的です。
学資保険の特徴は、死亡保障が付帯している点です。契約期間中に契約者(親)が死亡もしくは高度障害の状態になった際には、その後の保険料支払いが免除され、かつ契約内容通りの保険金を受け取れます。
学資保険のデメリットは、以下の通りです。
返戻率とは、払い込んだ保険料に対して受け取れる保険金の割合のことです。低金利が続いている影響で、学資保険の返戻率は年々下がっています。
満期まで支払った場合の学資保険の返礼率は、101~108%程度です。ただし、実際の返戻率は加入時期や保険期間、保障内容によって異なります。場合によっては100%を下回るケースもあります。
学資保険に加入する際には、実際の返戻率がどのくらいになるのかについて必ず確認しましょう。シミュレーションを行い、100%以上になることを確認してから加入することが大切です。
学資保険は保険商品なので、預貯金のように途中で積み立てた保険料を引き出すことはできません。
学資保険に加入している間に、まとまった支出が必要になった際には預貯金などほかの手段で賄う必要があります。預貯金がない場合は、契約者貸付を利用することもできますが、利息をつけて返済しなければなりません。
契約者貸付は、貯蓄性のある保険に用意されている制度です。加入している保険の解約返戻金を担保に、解約返戻金の90%程度を限度として必要な額を借入できる仕組みです。
学資保険によっては、小学校進学時、中学校進学時、高校進学時などに「お祝い金」を受け取ることができます。お祝い金は、積み立てた保険料から支払われます。
お祝い金は小学校、中学校、高校と子どもが大きくなるにつれ金額が増えますが、お祝い金だけでそのときに必要な教育資金をすべて賄えるわけではありません。
多くの学資保険では、お祝い金と、満期時に受け取る返戻金とを合わせて、最終的な保険金受取総額を200万円程度に設定しています。これだけで大学に必要な資金がすべて賄えるわけではないので注意してください。
学資保険を途中解約すると、その時点で計算された解約返戻金が受け取れます。しかし、それまでに払い込んだ保険料総額よりも、受け取れる解約返戻金は少なくなります。
保険料の支払いが負担に感じるようになっても、できれば解約するのではなく、保障額を減らすなど、内容を見直すことで支払う保険料を減らすことを検討しましょう。
インフレとは、物価の上昇に伴ってお金の価値が下がることです。現在10万円で買えるものが、1年後に10%値上がりし11万円になったとしましょう。そうすると、同じ10万円でも実質的な価値は目減りすることになります。
現状、日本銀行は年間2%の物価上昇を目指しています。そのため、2%を超える利回りでお金を増やさなければインフレに対応できないことになります。
前述した通り、学資保険は利回りが低いため、インフレのリスクが高いともいえます。
学資保険のメリットは、以下の通りです。
学資保険は、契約時に決めた保険料を毎月支払います。その際、契約時に指定した口座から自動的に引き落とされるケースが多く、貯蓄が苦手な人でも計画的に教育資金を貯めることができます。
また、デメリットの1つである途中で引き出せない点も、人によってはメリットです。
毎月自動で引き落とされることや、途中で引き出せないことによって、教育資金を準備するという目標が達成しやすくなります。
学資保険には、死亡保障が付帯しています。契約者に万が一のことがあった場合、保険料の支払いが免除になり、保険金は満額受け取れます。
生命保険の場合、契約者が死亡もしくは高度障害の状態になった際には、その時点で保険金が支払われます。一方、学資保険は、契約時に定めた「教育でお金が必要になる時期」に保険金が支払われます。
学資保険を選ぶときのポイントは、以下の通りです。
学資保険の返戻率は100%以上となっているものが一般的ですが、保障を付けたりすることで100%を下回るケースもあります。返戻率が100%を下回ると元本割れしてしまうため、100%以上になるかどうかを確認してください。
返戻率とは、払い込んだ保険料に対して受け取れる保険金額の割合のことで、以下の計算式で求められます。
(最終的な保険金受取額÷払い込んだ払い込んだ保険料の総額)×100
仮に最終的な保険金受取額が200万円で、払い込み保険料総額が190万円の場合、返戻率は200万円÷190万円)×100=105%です。
また、返戻率は以下の方法を取ることで、少しでも高めることができます。
学資保険に加入するタイミングは、子どもが小さければ小さいほどよいといわれています。保険料の払い込み期間が長くなるため、毎月の保険料を少なくできるからです。
一般的に、保険料の払い込み期間は、加入してから子どもが18歳になるまでとするケースが多いです。加入する時期が遅いほど保険料の払い込み期間が短く、同じ保障内容だと払い込む毎月の保険料も高くなります。
受け取り時期を考えることも、学資保険を選ぶうえでの大きなポイントです。
一番お金がかかるのは大学進学時です。ただ、それ以外にも小学校入学や中学校入学などの節目でお祝い金を受け取れるように設定しておくことで、入学時に必要な制服代などの費用を賄えます。
進学によって分散して受け取るのか、最もまとまった費用がかかる大学入学時に一括で受け取るのか検討したうえで、ベストな受け取り時期を決めてください。
学資保険がおすすめでないといわれる一番の理由は、あまりお金が増えないことです。死亡保障は別の生命保険でカバーできるため、学資保険に加入するメリットがあるのか疑問に感じる人も多いのかもしれません。
例えば、0歳から18歳まで毎月9,000円を払い込んだ場合、支払総額は194万4000円です。保険金の受取総額が200万円だとすると、増えたのは5万6000円です。18年間積み立てるのであれば、ほかの運用商品の方がお金を増やせる可能性があります。
教育資金を貯める方法として、学資保険以外の運用方法を選んだり、学資保険とほかの運用方法を併用したりするなど検討してみましょう。
教育資金の貯め方については、「教育資金の貯め方はどれがおすすめ?効率よく貯蓄して負担を軽減するポイントを解説」も参考にしてください。
学資保険に加入すべきかどうか、自分で判断するのが難しいという場合は、専門家に相談するとよいでしょう。
学資保険について聞くなら、ファイナンシャルプランナー(FP)がおすすめです。お金の専門家であるFPならば、学資保険以外の方法についても案内してくれるでしょう。家計や将来設計など相談者それぞれの状況に合わせて、適切なマネープランを提案してくれます。
FP相談には有料のものと無料のものがあります。無料で相談したいなら、「保険マンモス」はいかがでしょう。保険マンモスは、全国4500人以上のFPの中から、お客様にぴったりのFPをご案内します。オンラインでの相談も可能なので、時間が取れない人にも便利です。
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学資保険は、教育資金を強制的に貯められ、かつ死亡保障が付いているというメリットがあります。一方で、あまりお金が増えない点や、途中解約すると元本割れになる可能性が高い点がデメリットです。
教育資金を準備する方法は学資保険以外にも色々あるので、迷った際にはFPなどの専門家に相談しながら、自分に合った方法で資金を準備するようにしましょう。
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