同棲を始めるには、引っ越し費用や家具家電の購入費用などがかかります。同棲を検討しているけれど、「どれくらいの費用がかかるかわからない」「必要な費用が払えない」などの理由でためらっている人はいませんか?
同棲するためには、まとまったお金が必要ですが、工夫次第で費用を抑えることも可能です。
この記事では、同棲に必要な貯金額や、費用を工面する方法について解説します。
- 同棲する前に用意しておきたい貯金額
- 同棲に必要な費用を抑えるコツ
- 同棲を始めたいけれどお金がないときの対処法
※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています
【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
同棲を始めるには、引っ越し費用や家具家電の購入費用などがかかります。同棲を検討しているけれど、「どれくらいの費用がかかるかわからない」「必要な費用が払えない」などの理由でためらっている人はいませんか?
同棲するためには、まとまったお金が必要ですが、工夫次第で費用を抑えることも可能です。
この記事では、同棲に必要な貯金額や、費用を工面する方法について解説します。
同棲を検討するならば、一定の貯蓄をしておくことが大切です。同棲生活を始めるために必要な費用の目安は、以下の通りです。
費用項目 | 相場 |
---|---|
敷金 | 10~20万円(家賃1~2ヵ月分) |
礼金 | 10~20万円(家賃1~2ヵ月分) |
仲介手数料 | 約10万円(家賃1ヵ月分が上限) |
家賃 | 約10万円(前家賃が必要) |
保証会社利用料 | 約10万円(家賃の50~100%) |
火災保険料 | 1~2万円 |
鍵交換料金 | 1~2万円 |
引っ越し費用 | 7~10万円 |
家具・家電の購入費用 | 約20万円 |
合計 | 80~100万円程度 |
上記は、引っ越し先の家賃が約10万円のケースを想定しています。物件や持っていく家具、引っ越しの距離などによって、実際の費用は異なります。
賃貸物件を借りるときは、敷金と礼金、前家賃のほか、仲介手数料や保証料、鍵交換費用、火災保険料などの初期費用がかかります。
また引っ越し費用や家具・家電購入費のほか、初月の生活費も用意しておきましょう。
新しい住居・家具で同棲生活をスタートさせようと思ったら、100万円程度を目安に貯蓄が必要です。
どちらかが借りていた物件で同棲を始める場合、初期費用を大きく抑えられます。礼金や敷金、仲介手数料などが不要で、引っ越し費用(7~10万円程度)を用意すれば、同棲をスタートさせられます。
引っ越す側が家具・家電を持っていかずに、不用品として処分する方法もあります。不用品回収業者に依頼すると、軽トラ1台で2~3万円程度かかります。フリマアプリなどを利用し、売れるものはお金に変えるとよいでしょう。
また、入居にあたってはその物件が2人で住んでもよい物件なのか確認が必要です。単身者用の物件にこっそり2人以上で住むと、契約違反になってしまいます。事前に大家さんや管理会社に連絡し、トラブルを避けることが大切です。
結婚を考えるのであれば、同棲よりもさらにお金がかかります。出産まで含めると400万円以上は想定すべきです。
費用項目 | 相場 |
---|---|
結婚式・披露宴 | 約300万円 |
結婚指輪 | 約30万円 |
新婚旅行 | 約30万円 |
出産 | 約50万円 |
結婚する際には、自治体によっては結婚新生活支援事業による補助金が利用できます。家賃や引っ越し費用に使えるので、居住予定地の自治体が実施しているかどうか確認しましょう。
また、出産する際には、出産一時金などの補助金ももらえます。しかし、出産までの健診費や出産祝いのお返しなども考えると、まとまった額の貯蓄は必要です。
結婚でかかるお金については、『結婚にかかる費用の平均相場は?ナシ婚だといくら?』も参考にしてください。
同棲をすれば、結婚も視野に入ってくるかもしれません。結婚式や新婚旅行の資金を準備するために、同棲に必要な費用は抑えたいと考えるカップルもいるでしょう。
同棲に必要な費用を抑えるコツは、以下の通りです。
敷金は、家賃が滞納したときや、退去時に修繕やクリーニング費用が必要になったときに備えて、管理会社や大家さんに担保として預けておく費用のことです。退去する段階で修繕やクリーニング費用を指し引いて、余った分は返金されます。
礼金は、大家さんに対するお礼の意味合いがあるものです。賃貸物件が少なかった時代に、家を貸してくれたお礼として支払っていた習慣が、その由来といわれています。
賃貸物件の中には、敷金・礼金いずれも不要としている物件も珍しくありません。一般的に敷金・礼金の相場は、それぞれ家賃の1~2ヵ月分が相場なので、支払不要の物件に入居できれば、大きく費用を抑えられるでしょう。
しかし敷金が不要な物件の場合、退去時に修繕費やクリーニング代が追加で請求される場合があります。また敷金・礼金が不要な物件は人気がない物件であったり、家賃に上乗せされていたりする可能性もあります。退去時の取り決めや、賃貸物件の立地、近隣にある同水準の物件の家賃相場などついて十分確認しておきましょう。
引っ越し業者に頼らず、自身の車やレンタカーを借りて自力で引っ越しをすれば、引っ越し費用を抑えられます。
しかし自身で大きな荷物を何度も運ぶには、時間や体力が必要です。持ち込んだ家具・家電や引っ越し先の部屋、あるいは共用部分などの破損には注意が必要です。
さらに車で運搬するときのガソリン代のほか、レンタカーを利用すればレンタカー代もかかります。友人に引っ越しを手伝ってもらったら、お礼の支払いも必要になるでしょう。
自力で引っ越すときは、こうしたリスクやコストも踏まえて、引っ越し業者とどちらがお得かを検討する必要があります。
同棲を始めるからといって、引っ越し後にすぐに新しい家電や家具に買い替えず、お互いが使っていたものを持ち寄ることで購入費用を抑えられます。
例えば、2人暮らし向け冷蔵庫を新しく購入しようとすれば、約10万円かかります。また2人暮らし向け洗濯機であれば5万~10万円は見ておいた方がよいでしょう。
どれだけの家電や家具を持ち寄るかによって、抑えられる費用も異なります。仮にすべての家電や家具を持ち寄れば、目安として10万~30万円かかる家具・家電購入費をゼロにできる可能性もあります。
ただし家電や家具を引っ越し先に持ち込む分、引っ越し費用が増える点には注意が必要です。
月の途中から入居すると、入居した月の日割り家賃と、翌月の家賃が必要になります。そのため入居をなるべく月末にした方が、日割り家賃は抑えられます。
また月初から入居すれば、入居月の家賃の支払いだけで済みます。
ただし現在も賃貸住宅に住んでいる場合、退去時に家賃を日割りにしてくれるケースはあまりありません。引っ越し先の入居時のルールだけでなく、いま住んでいる賃貸住宅の退去時のルールも確認しておきましょう。
同棲するにはお金を貯める必要があることはわかっていても、なかなか貯められないという人もいるでしょう。
同棲に必要な費用を確実に貯めるためには、以下を心がけましょう。
同棲に必要な費用を貯めるためには、目標を明確にすることが大切です。目標を明確にしていないと、自分はお金を貯めていたのに相手がまだ貯めていなかった、あるいはほとんど貯めていなかったということが起こる可能性があります。
いつから同棲を始めるのか、それまでにいくら必要なのかを明確に決めておくことで、月々の貯金額が把握できるようになります。
同棲のためのお金を貯めるのであれば、お互いの収支を把握するのも有効です。同棲を控えているのであれば、お互いの家計簿を見せ合うことで、自身だけでは気付かなかった改善点が見つかったり、お金に関する価値観が共有できたりするメリットがあります。
収支を把握するためには、家計簿の活用が有効です。家計簿を付ければ、毎月何にいくら使って、貯金がいくら残るのかが一目でわかります。
また不要な買い物はなかったか、あるいはもっと安く買える方法なかったかといった内容を家計簿で振り返り、改善することで、さらに毎月の貯金額が増やせるかもしれません。
同棲を控えているのであれば、お互いの家計簿を見せ合うことで、自身だけでは気付かなかった改善点が見つかったり、お金に関する価値観が共有できたりするメリットがあります。
同棲に向けて、貯金用口座で管理するのもおすすめです。2人で決めた貯金額を毎月貯金用口座に入金していれば、いまどれくらい貯まっているかがお互いに把握できます。
貯金するのが苦手な人は、「先取り貯金」もおすすめです。貯金といえば、毎月の収入から生活費や趣味、娯楽などの支出を引いて残った金額を貯めるのが一般的です。しかし先取り貯金では、毎月の収入から、まず積立預金などで貯金したい金額を引き落とし、残った金額で生活費のやりくりをします。
先取り貯金は毎月、強制的に目標額が口座から引き落とされるため、計画的にお金が貯められます。
先取り貯金の具体的なやり方は、『先取り貯金を成功に導くやり方』で解説しています。
貯金はないけれど同棲を始めたいときは、どうしたらよいのでしょうか?考えられる対処法を5つ紹介します。
同棲するお金がないときは、家族からお金を借りられないか検討してみましょう。家族からお金を借りる場合、カードローンのように審査が行われることもなく、利息なしでお金を借りられます。
ただし、いくら家族だからといって返済が滞れば、家族関係が悪化してしまう可能性があります。期限を決めて、返済日までに必ず返済をしましょう。
また、同棲するお金がないからお金を貸してほしいと家族に伝えると、家族が同棲相手の経済力や信用力に不安を感じるかもしれません。家族に心配をかけないよう、できる限り速やかに返済することをおすすめします。
カードローンとは、無担保かつ保証人なしで利用できる、個人向け融資サービスです。銀行や消費者金融、信販会社といった金融機関で取り扱っています。
一般的にカードローンは、事業目的の借入でなければ用途は自由なので、同棲をするときの生活費や引っ越し費用、家具・家電購入費など、さまざまな用途に使えます。
カードローンは住宅ローンやマイカーローンなどに比べて利息が高い傾向にあるため、余裕があるなら前倒しで返済して少しでも利息負担を減らしましょう。
またカードローンは、金融機関の審査に通過しなければ利用できません。新たにカードローンを申し込む前に、すでに多くの借入があったり、クレジットカードの利用代金を長期間滞納したりしていると、審査に落ちて利用できない可能性があります。
「キャッシング枠」が設定されているクレジットカードがあれば、審査なしでお金が借りられます。
クレジットカードの契約内容をよく見ると、すでにキャッシング枠が設定されている場合があります。同棲を始めるための貯金がないときは、手持ちのクレジットカードにキャッシング枠が設定されていないか確認してみましょう。
ただしクレジットカードのキャッシング枠は、金利が高い傾向にあります。またキャッシング枠を利用すると、その分通常のショッピング枠を圧縮してしまいます。ショッピング枠の利用限度額オーバーにより、公共料金や保険料の支払いなどを滞納しないよう注意が必要です。
貯蓄性がある生命保険に加入していると、解約返戻金の一定範囲内でお金を借りられる「契約者貸付」が利用できる場合があります。
契約者貸付は審査なしでお金を借りられますが、所定の利息がかかります。また、返済できないと保険契約が失効あるいは解除され、万が一のときに保障されません。
さらに借りたお金を返済している間に保険金の支払いが生じると、保険金と借入額が相殺されるため、保険金額が減ってしまう可能性があります。
結婚新生活支援事業とは、新婚世帯の新生活で生じる経済的負担の軽減を目的とした交付金のことです。結婚を視野に入れて同棲生活を始めるのなら、覚えておきたい制度といえます。
婚姻日において夫婦双方の年齢が39歳以下、新婚世帯の所得合計が500万円未満といった要件を満たすと、30万円または60万円の補助が受けられます。受給条件は自治体によって異なる場合があるため、住んでいる自治体で実施している新婚新生活支援事業を確認してみましょう。
申請期限も自治体ごとに定められていますが、申請期間内であっても、予算の上限に達すると受付終了となります。早めの申請を心がけましょう。
同棲生活に向けて、もしくは同棲中には、以下のようなお金に関するトラブルが発生する可能性があります。
これらのトラブルを避けるには、以下の点に注意するようにしましょう。
トラブルを避けるためには、支出のルールを決めることが大切です。事前にルールを定め合意したうえで貯蓄を始めることで、お互いが不満を持つリスクを減らすことができます。「収入が多い方:少ない方」が「6:4」程度の割合で負担するなど、具体的に決めておくことが大切です。
ルールを決めないでいると、どちらかに不満が出てくる可能性があります。また、負担は完全折半でも構いませんが、収入が少ない方の負担が大きいと無理が生じるため要注意です。
それぞれが自由に使えるお金を残すことも、無理なく関係を継続させるために大切です。ある程度自由に使えるお金があった方が、お互いに不満を持つ可能性を減らせるでしょう。
また、同棲の継続にはお互いに対する配慮が重要です。あまり干渉しすぎるとストレスが溜まり、関係が悪化する可能性もあります。個人で使えるお金を決め、そのお金についてはお互い干渉しないようにした方がよいでしょう。
同棲するための貯金が上手くできない場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみるのもおすすめです。
FPはお金に関する幅広い知識を持っています。そのため、同棲したときのお金の貯め方や、家計管理方法、注意点などについて的確なアドバイスを受けられます。
FP相談を検討している人は、以下の記事も参考にしてください。
◆ FP相談おすすめ一覧!お金の相談ができるサービスを無料・有料別に紹介
この記事では、以下の内容を紹介しています。
同棲するにあたって、将来的に結婚も視野に入れている場合は、今後のライフプランについて相談するのもよいでしょう。住宅購入や、子どもの教育費など人生における大きな支出について、FPに相談することで見通しが立てられます。この記事を参考に、自分に合ったFP相談サービスを見つけてください。
同棲をすると、賃貸住宅に入居するときの初期費用や引っ越し費用などがかかります。こうした費用は、敷金・礼金が不要な物件を選んだり、自力で引っ越したりすることで抑えることもできます。
将来的に結婚も視野に入れている場合、結婚資金や教育資金といったライフイベントへの備えも大切です。お金を貯める目標を明確にしたうえで、お互いが家計簿を付けたり、貯金用口座を作ったりすることで、同棲に必要な費用を貯められるようになるでしょう。
遠距離カップルのお金事情&節約方法についてはこちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:貯金がたまらない!遠距離カップルのお金事情&節約方法 | 占いのウラッテ
キーワードで記事を検索