結婚は人生の中でも大きなイベントで、まとまった額の資金が必要です。必要な費用を理解したうえで、計画的に準備していく必要があるでしょう。
この記事では、結婚資金の相場や結婚の際にもらえるお金、費用を支払うタイミング、効率的な貯蓄方法などを紹介します。
【監修】株式会社RKコンサルティング
河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のマネー相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
結婚は人生の中でも大きなイベントで、まとまった額の資金が必要です。必要な費用を理解したうえで、計画的に準備していく必要があるでしょう。
この記事では、結婚資金の相場や結婚の際にもらえるお金、費用を支払うタイミング、効率的な貯蓄方法などを紹介します。
結婚資金の相場は、以下の通りです。
2022年 | 2021年 | 2020年 | |
---|---|---|---|
結婚資金の相場 | 421万2000円 | 393万4000円 | 493万8000万円 |
年によって変動がありますが、400万~500万円程度が相場であることがわかります。
結婚式にかかる費用の内訳は、以下の通りです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
料理・飲料 | 約100万円 |
ギフト | 35万~40万円 |
会場の花 | 15万~20万円 |
ペーパーアイテム | 1万~2万円 |
衣装 | 60万~70万円 |
ブーケ | 3万~4万円 |
当日の撮影 | 20万円程度 |
映像演出 | 3万~20万円 |
上記は、平均的な招待客人数(40~45人程度)の場合の相場です。招待客の人数や式のグレードが変化すれば予算も変化します。
結婚式の費用を抑えるなら、省略できる部分はないか検討してみましょう。
例えば、お色直しをしなければ衣装代を大きく抑えられます。また、人気のシーズン(春・秋)を避けたり、親しい人だけに招待客を限定したりすることでも、費用を抑えられるでしょう。
結婚式以外にも、結婚の際には一般的に以下のような費用がかかります。
項目 | 費用相場 |
---|---|
結納式 | 約10万円 |
顔合わせ費用 | 7万~10万円 |
婚約指輪 | 約40万円 |
結婚指輪 | 25万~30万円 |
新婚旅行 | 30万~40万円 |
ブライダルエステ | 約10万円 |
以上をトータルすると、100万~150万円の費用がかかります。ただし、例えば新婚旅行と兼ねて海外挙式を行うことで、全体の費用を抑えることも可能です。工夫できるところがないか検討してみてください。
前述した調査結果によると、結婚を目的としたカップルの預貯金総額は全国平均で296万9000円、首都圏平均で336万6000円です。つまり、結婚にかかる費用の総額400万~500万円を準備するためには、預貯金だけでは不足するケースが多いことがわかります。
結婚する際には、下記のようなもらえるお金もあります。それらを受け取ることで、負担を減らすことも可能です。
結婚費用に関して親から援助してもらっているカップルは、全国で76.9%、首都圏では79.2%となっています。およそ4組に1組のカップルが親・親族からの援助を受け取っています。
援助してもらっている金額は全国平均で178万9000円、首都圏平均で193万2000円です。
結婚費用に充てられるお金として、ご祝儀も挙げられます。ご祝儀の相場は、以下の通りです。
関係 | 相場 |
---|---|
友人 | 3万円 |
上司 | 4万4000円 |
親族 | 7万9000円 |
恩師 | 4万4000円 |
例えば、友人であれば3万円がご祝儀の相場です。友人を30人呼べば90万円、50人なら150万円程度ご祝儀を受け取れる可能性があります。
また、ご祝儀の平均総額は185万2000万円です。それだけの金額がもらえるなら、結婚式にかかる費用のうち、ある程度はご祝儀でカバーできるといえるでしょう。
結婚に関する費用を支払うタイミングとおおよその金額は、以下の通りです。
支払いのタイミング | 内容 |
---|---|
結婚が決まったとき | ・婚約指輪の購入(約40万円) ・結婚指輪の購入(25万~30万円) ・両家の顔合わせ(7万~10万円) ・結納式(約10万円) |
会場が決まったとき | ・内金(会場の予約費用)の支払い(5万~30万円) |
結婚準備中 | ・ブライダルエステに通う(約10万円) |
結婚式直前 | ・結婚式中間金の支払い(約150万円) |
結婚式当日 | ・結婚式費用の最終支払い(約150万円) |
結婚式後 | ・新婚旅行(30万~40万円) ・新婚旅行のお土産購入(約5万円) |
上記はあくまでも一例であり、支払いのタイミングが前後する可能性もあります。
例えば、結婚式の費用を支払うタイミングはケースバイケースです。内金や中間金を設定せず最終支払い時に全額支払うケースや、最終支払いのタイミングが式当日ではなく数週間前になるケースもあります。
結婚資金を貯蓄する方法の例は、以下の通りです。
結婚資金の貯蓄にあたっては、専用口座の作成をおすすめします。生活費と一緒に管理すると、いくら貯まったのかわかりにくいうえ、つい生活費として使ってしまうリスクがあるためです。
専用口座の金額が増えていく様子を見れば、モチベーションの維持・向上にもつながります。
2人で話し合い、毎月の貯蓄額を決めて専用口座に貯めていきましょう。貯蓄を始めるにあたっては、目標金額を明確にして無理のない貯蓄計画を立てることが大切です。
不要な支出を減らすことも、着実に貯蓄していくために大切なポイントです。収入を増やすよりも支出を減らす方が、貯蓄に回す額を早期に増やせるでしょう。
支出を減らす際には、まず家計を見直して固定費に注目することをおすすめします。固定費が減れば、毎月の支出を確実に減らせるためです。
固定費節約の具体的なアイデアは、以下の通りです。
例えば、同棲をすると家賃が減り、光熱費も安く済むなど、節約効果は高いです。サブスクなども共用すれば、さらに節約できるでしょう。
先取り貯金とは、収入が入ったタイミングで貯蓄分を取り分け、残りの資金で生活する方法のことです。先に専用口座へ貯蓄分を入れてしまえば、使い過ぎを防げます。
先取り貯金を確実に行うためには、財形貯蓄や積立預金の利用がおすすめです。財形貯蓄とは、自分で決めた額を給与から天引きして貯蓄する制度のことです。積立預金とは定期預金の一種であり、毎月決まった額を指定の口座へ自動的に積み立てられます。
どうしても結婚資金が足りない場合の対処法として、以下の方法が考えられます。
ブライダルローンとは、使い道を結婚関係のことに限定したローンのことです。使い道が限定される点や提出書類が多い点などには要注意ですが、比較的低金利で利用できます。ブライダルローンの利用を考えている方は、『おすすめの低金利なブライダルローン|メリット・デメリットについて解説』の記事を参考にしてみてください。
また、自治体によっては結婚新生活支援事業による助成金が利用できる場合があります。新居の住居費や引っ越し費用に使える助成金で、最大60万円支給されます。世帯年収や年齢などの条件があるので、実施の有無も含め居住予定地の自治体に確認しましょう。
ブライダルローンを検討する際は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのもおすすめです。お金の専門家であるFPに相談すれば、将来的なライフプランも含め、結婚資金に関する疑問を解消できるでしょう。
無料でのFP相談なら、こちらから申し込むことも可能です。
結婚には、結婚式以外の費用に対する準備も含めて400万~500万円もの資金が必要です。かなりの大金であることから、2人で話し合ってしっかりと貯蓄するほか、親の援助やご祝儀などについて確認することをおすすめします。
どうしても資金が足りない場合は、ブライダルローンや自治体の給付金・助成金制度も利用可能です。不安があれば、FPへの相談も検討してみてください。
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