子どもの習い事は本人がやりたいと思うものであれば、できるだけやらせてあげたいものです。その一方で、習い事にはお金がかかるので、習い事を増やすと家計が圧迫されるのが実情です。
この記事では、子どもにやらせる習い事の費用の目安や、習い事に対する考え方、人気の習い事の月謝相場について、調査データを参考にしながらご紹介します。また、費用の算出方法や子どもと親がどちらも納得できる習い事の決め方を解説します。
子どもの習い事は本人がやりたいと思うものであれば、できるだけやらせてあげたいものです。その一方で、習い事にはお金がかかるので、習い事を増やすと家計が圧迫されるのが実情です。
この記事では、子どもにやらせる習い事の費用の目安や、習い事に対する考え方、人気の習い事の月謝相場について、調査データを参考にしながらご紹介します。また、費用の算出方法や子どもと親がどちらも納得できる習い事の決め方を解説します。
子どもの習い事にはいくらまで費用をかけるのが妥当なのでしょうか?手取り月収を基にした費用の目安や、実態調査のデータをご紹介します。
子どもの習い事の費用は、世帯の手取り月収の5%以内が目安と言われており、それ以上の費用をかけると家計を圧迫してしまいがちです。子どもに何を習わせるかを決めるときは、本人の将来性や相性を考える一方で、家計収支の観点で習い事にいくらかけられるのかを検討することが重要です。
以下は、世帯の手取り年収が300万円~700万円の場合の習い事にかける費用の目安です。
世帯の手取り年収 | 年間費用の目安 | 月間費用の目安* |
---|---|---|
300万円 | 15万円 | 1万2,500円 |
400万円 | 20万円 | 1万7,000円 |
500万円 | 25万円 | 2万1,000円 |
600万円 | 30万円 | 2万5,000円 |
700万円 | 35万円 | 2万9,000円 |
百の位を四捨五入
総務省の家計調査*によると、二人以上の勤労者世帯では35~39歳の1ヶ月あたりの手取り世帯収入は約47万円。この場合、月々の習い事にかける費用の目安は2万3,500円ですが、子ども全員の習い事の費用をここから賄わなくてはならないため、子どもの数が多くなるほど一人あたりにかけられる金額は減ってしまいます。
出典:総務省統計局|家計調査2019年(令和元年)|3-2世帯主の年齢階級別|勤労
ここまでは習い事にかける費用の目安をご説明しましたが、実際はいくら費用をかけているのでしょうか?ベネッセ教育総合研究所の調査*から、年齢・学年別、世帯年収別に習い事の費用を見てみましょう。
下のグラフは、3歳から18歳(高校3年生)までの習い事にかける月額費用の合計と内訳を表したものです。費用の内訳は、スポーツ、芸術、家庭学習、教室学習の4つに分類しています。
出典:ベネッセ教育総合研究所|学校外教育活動に関する調査2017|図1-1 1か月あたりの学校外教育活動の費用(学校段階別・学年別)
習い事の費用は、学年が上がるにつれて増えていく傾向にあります。中学3年生が2万5,900円でピークとなっており、高校生になると一気に減少し、高校3年生に向けて上昇しています。
中学3年生でピークになる要因は、教室学習の費用が最も多く、高校受験のための学習塾の費用が増大していることが挙げられます。
子どもの習い事の費用は、世帯年収によって違いが見られます。以下は世帯年収(税金が引かれる前)が、400万円未満、400~800万円未満、800万円以上、の3つの区分で比較したものです。世帯年収に比例して習い事にかける費用も多くなることが分かります。
出典:ベネッセ教育総合研究所|学校外教育活動に関する調査2017|図2?1 1か月あたりの学校外教育活動の費用(属性別)
年収800万円以上の世帯での習い事費用の合計額は、400万円未満世帯と約3倍の違いがあります。しかし、習い事の内訳ごとの費用割合は、世帯年収が違っても大きく変わらないことが分かります。
子どもの習い事で人気があるのは、スポーツなら水泳、英会話、芸術のピアノ、学習塾などです。ここではジャンルごとに分けて、習い事の月謝相場をご紹介します。
スポーツは、体力を付ける、規律を学ぶことにつながり、子どもの成長を促すための習い事と言えます。中でも、水泳やダンス、サッカー、体操、空手などの競技が習い事として人気があります。
月謝* | 頻度 | |
---|---|---|
水泳 | 6,000円~8,000円程度 | 週1回 |
ダンス | 5,000円~8,000円程度 | 週1回 |
サッカー | 6,000円~9,000円程度 | 週1回 |
体操 | 6,000円~9,000円程度 | 週1回 |
空手 | 3,000円~1万円程度 | 週1回 |
入会費、年会費は別途
英語・英会話スクール、プログラミング教室は、英語やプラグラミングが小学校の必修科目になったこともあり、人気の習い事になっています。
月謝* | 頻度 | |
---|---|---|
英語・英会話 | 7,000円~1万円程度 | 週1回 |
プログラミング | 7,000円~1万4,000円程度 | 月2~4回 |
入会費、年会費は別途
ピアノや絵画、バレエ、書道などは、子ども想像力や美しいものへの感受性を養うことができるとされ、人気の習い事です。
月謝* | 頻度 | |
---|---|---|
ピアノ | 5,000円~ | 週1回 |
絵画 | 6,000円~1万8,000円程度 | 週1~3回 |
バレエ | 8,000円~1万2,000円程度 | 週1回 |
書道 | 4,000円~6,000円程度 | 月2~4回 |
入会費、年会費は別途
学習塾は、主に受験を控えた中学生や高校生に人気です。ただし、私立の小学校や中学校への受験を考えている場合は、幼い頃から通うケースもあります。文部科学省の調査*によると、年間の学習塾費は公立の中学3年生が約31万円、私立の中学3年生が約19万円、公立の高校3年生が約15万円、私立の高校3年生が約18万円となっています。
出典:文部科学省|子供の学習費調査|2 調査結果の概要|表6 学年別補助学習費
お金をかけない安い子供の習い事はこちらの記事で紹介されています。ぜひチェックしてみてください。
令和の習い事事情はこちらの記事をチェック!掛け持ちや費用、送迎に関する情報が詳しく解説されています。
最後に、家計への圧迫が少なくなるような習い事費用の捻出方法と、子どもにとって役立つ習い事を決めるための方法をご紹介します。
子どもの習い事にかける費用は、手取り月収から毎月かかる費用(住宅費・水道光熱費・通信費・保険料・学費・食費・日用品費)や貯蓄額を差し引き、その残ったお金から捻出するのがおすすめです。習い事の予算は、以下の計算式で算出できます。
<子どもの習い事に使える費用の計算式>
子どもの習い事に使える費用=世帯の手取り収入-(毎月の生活費+貯蓄額)-趣味・娯楽費
以下は、子どもが2人いる場合の手取り収入に対する支出の内訳を表したものです。
<収入>
・世帯の手取り収入:40万円
<支出>
・毎月かかる費用:27万円
・貯蓄額:8万円
・趣味・娯楽費:3万円
・習い事の費用:2万円
この場合、調整できる費用は5万円。この5万円のうち、趣味や娯楽などに使える費用を3万円に、習い事費用を2万円に振り分けています。趣味や娯楽に使うお金とのバランスを取ることで、生活のレベルを落とさず、また厳しい節約をすることなく、子どもに習い事をさせられます。
ただし、注意点としては、一度始めた習い事は翌月から「毎月かかる費用」として上乗せされることです。また、趣味や娯楽の費用は、お祝いやトラブルなどの突発的に必要となる出費に代用せざるを得ないこともあるので、できればいくらかの余裕は残しておきたいものです。
子どもの可能性のためにいろいろな習い事をさせたいのが親心ですが、現実的には生活レベルを落とさず、適度に趣味や娯楽に使えるお金を残すことが、無理なく習い事を続けられるコツと言えます。中学3年生までは学年に比例して習い事にかかる費用も増えるため、子どもが小さいうちはできるだけ将来の塾や学費の貯蓄を優先するのが良いでしょう。
子どもの習い事を決めるうえで、子どもがやりたい理由と親がさせたい理由を明確にすることが重要です。理由を明確にし、子どもの性格や親の教育方針を考慮したうえで習い事を決めると長続きしやすく、習い事にかかる費用が無駄にならずに済むでしょう。
習い事の候補のうち、予算の都合でいずれかに絞る必要がある場合は、子どもになぜその習い事をやりたいのかを聞き出しましょう。その際、「友達が習っている」という理由だけであれば、本当にやりたいことではない可能性があるので、さらに深く聞いてみましょう。
親の場合も同様で、ママ友が習わせている、学歴の良い子どもが習っている、などの理由で習わせようとしていないでしょうか。習い事を決める前に、なぜその習い事をさせたいのか自分に問いかけてみましょう。
習い事などを含む、子どもの「教育」のために必要なお金については、以下の記事で詳しく解説しています。
習い事の選び方や選ぶ際のポイントはこちらの記事でも詳しく解説されています。ぜひチェックしてみてください。
子どもの習い事の費用は、手取り月収の5%以内が目安です。中学3年生のときに最も費用がかかり、約2万6,000円という調査結果も出ています。また、人気の習い事には、水泳や英会話、ピアノなどが挙げられます。これらの月謝は1万円以内が相場ですが、コース内容によって幅があるので、料金プランを確認して家計への負担をシミュレーションしておくと安心です。
子どもの習い事や教育費にかけられる費用についてお悩みの方はファイナンシャル・プランナー(FP)に相談してみましょう。下記ページからお気軽にお問い合わせください。
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