75歳以上の高齢者が加入する「後期高齢者医療保険」の保険料が、2024年度から引き上げられました。
収入や住んでいる都道府県によって保険料は変わりますが、どの程度増額となるのでしょうか。
この記事では、後期高齢者医療保険料の引き上げについて解説します。
また、都道府県ごとの保険料についても掲載します。
後期高齢者医療が4月から保険料引き上げ。都道府県別の保険料や年収別の保険料【一覧】
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
2024年度以降の後期高齢者医療保険料
後期高齢者医療制度の保険料は、均等割と所得割によって決まります。
- 均等割:75歳以上の高齢者が均等に支払う保険料
- 所得割:高齢者の所得に応じて決まる保険料
2024年度の平均保険料は、1人あたり月額7,082円となりました。
2023年度の保険料に比べて、7.7%増額となります。
2025年度の平均保険料は、1人あたり月額7,192円となる見通しです。
出典:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」をもとに作成(以下同)
後期高齢者医療保険料は、都道府県の広域連合ごとに決定しています。
そのため、保険料は都道府県ごとに異なります。
都道府県ごとの保険料は、下図の通りです。
保険料が最も高いのは東京都(月額9,180円)で、神奈川県(月額8,803円)、愛知県(月額8,555円)と続きました。
一方、最も保険料が安いのは秋田県(月額4,397円)で、青森県(月額4,619円)、岩手県(月額4,627円)と続きました。
次に、収入別に見た保険料の負担額について確認しましょう。
収入別の後期高齢者医療保険料
一定の収入を超える高齢者の保険料と、保険料の上限額が引き上げとなりました。
出典:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
2024年度は、年収211万円を超える高齢者の負担が増加します。
2025年度は、年収153万円を超える高齢者の負担が増加する見通しです。
さらに、保険料の上限額も2024年度は73万円、2025年度は80万円に引き上げられます。
収入別の後期高齢者医療保険料は、下図の通りです。
出典:厚生労働省「医療保険制度改革について」をもとに作成
年収80万円の場合、2024年度は月額70円の負担増となります。
年収200万円の場合、2024年度は月額390円、2025年度にはさらに月額330円の負担増となる見通しです。
年収400万円の場合、2024年度は月額1,170円の負担増となります。
年収1100万円の場合、2024年度は月額5,833円、2025年度はさらに月額5,837円の負担増となる見通しです。
後期高齢者医療保険料は、公的年金から天引きされます。
6月の年金を受け取る際に、後期高齢者医療保険料を確認しておきましょう。
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
- 厚生労働省「医療保険制度改革について」