2024年は、児童手当の増額など、国による子育て支援の拡充が予定されています。
子育て支援については、国だけでなく都道府県でも、独自の支援が実施されています。
この記事では、都道府県単位で実施が予定されている、もしくは実施している支援について解説します。
子育てしやすい都道府県はどこ?独自に実施している子育て支援。保育無料、高校授業料無料、奨学金返済助成など
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
都道府県独自の子育て支援
2024年度に実施される予定の子育て支援策について、確認しましょう。
青森県:給食費の無償化
青森県では、県全体で小中学校の給食費が無償化されます。
市区町村ごとに給食費の無償化を実施している自治体はありますが、都道府県単位での実施は全国初です。
青森県の給食費無償化は、2024年10月から実施される予定です。
長野県:第3子以降の保育料無償化
長野県では、第3子以降の3歳未満の保育料が完全に無償化される見通しです。
現行制度では、住民税非課税世帯など、対象となる要件があります。
新たな子育て支援策では、制限なく、第2子の保育料が半額に、第3子以降の保育料が無料となる予定です。
東京都:高校の授業料の無償化
東京都は、都内に在住している高校生を対象に、すべての高校授業料を実質無償化する見通しです。
現行制度で、支給を受けるために設けられている所得制限が撤廃されます。
詳しくは、こちらの記事「東京都が高校の授業料を無償化」も参考にしてください。
【その他】現在実施されている都道府県の支援
将来の人口減少を解決するために、子どもや働き手が増えるように支援をしている都道府県もあります。
秋田県:奨学金の肩代わり
秋田県では、奨学金を利用した人が県内に就職した場合、最大60万円の奨学金返還を助成しています。
助成期間は、奨学金の貸与期間によって異なります。
- 大学など3年を超える貸与期間:3年間
- 短大・高校など2年以上3年以下の貸与期間:2年間
奨学金の返還を肩代わりすることで、若年層等の県内定着を図り、人材の確保を促進する狙いがあります。
岩手県:お試し移住
岩手県では、県内への移住を希望する人に、県営住宅を格安で貸す「お試し居住」を実施していました。
子育て世帯や若年層を対象に、岩手県への移住や定住を促すことが狙いです。
月額1万円で、県営住宅の空き部屋に、最長6年間居住できます。
さらに、岩手県では県外に在住している大学生や社会人を対象とした「お試し就業」もスタートさせる予定です。
都道府県や市区町村では、独自の子育て支援を行っている場合があります。
住んでいる自治体で利用できる制度があるか、確認してみてください。
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」