日本は、2016年からマイナス金利政策を導入し、超低金利時代が続いてきました。
しかし、今年にもマイナス金利政策が解除されるのではないかといわれています。
マイナス金利政策が解除されると、住宅ローンの金利にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、今後の金利の見通しや、住宅ローンに与える影響について解説します。
2026年には変動金利が4.0%に?マイナス金利政策が解除されると、住宅ローンの支払額が増えるかもしえれない
マネーFix 編集部
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今後の金利予想
住宅ローンの金利の種類には、固定金利と変動金利があります。
固定金利は長期金利に影響を受け、変動金利は短期金利に影響を受けます。
日本は2016年からマイナス金利政策を導入しています。
そのため、超低金利時代が続いており、住宅ローンも低金利で組むことができていました。
しかし2023年7月に金融政策の変更があり、長期金利の上限が0.5%から実質1.0%に引き上げられました。
これによって長期金利が上昇し、連動して住宅ローンの固定金利も上昇しました。
今後は、マイナス金利政策の解除も考えられています。
マイナス金利政策が解除されると、短期金利が上昇し、住宅ローンの変動金利が上昇することが予想されます。
4年後の金利予想
みずほリサーチ&テクノロジーズのリポートによると、段階的に政策金利(短期金利)の引き上げが行われると予想しています。
具体的には、2024年から2026年にかけて、年4回、0.25ポイントずつの段階的な引き上げです。
これによって、2026年には短期金利が2.75%まで上昇し、住宅ローンの変動金利は4.0%になると予想しています。
長期金利につては、政策金利にプレミアムを上乗せした水準を想定しています。
金融正常化後の長短スプレッド(長期金利と短期金利の差)は、日銀による国債大量保有が続くため、大幅な拡大は想定しにくいです。
そのため、同レポートでは、長短スプレッドを0.75ポイントと想定しています。
これによって、2026年には長期金利は3.5%になり、住宅ローンの固定金利は4.8%になると予想しています。
これまでの住宅ローン金利は、変動金利で0.5%以下の金融機関もあり、変動金利が人気でした。
しかし、今後金利の上昇が実現すると、さらに金利が上昇するリスクを見込んで、固定金利で住宅ローンを組む世帯の増加が考えられます。
また、現在変動金利で住宅ローンを組んでいる人の金利も上昇するため、各世帯の住宅ローンの支払額が増加することも予想されます。
金利が上昇した場合の住宅ローンシミュレーション
金利が上昇した場合、住宅ローンの支払総額がどの程度変わるのか、シミュレーションをしてみます。
【条件】
- 借入金額:3000万円
- 借入期間:35年
金利が上昇すると、同じ借入金額、同じ返済期間でも支払総額が大きく異なることがわかります。
特に金利0.3%と金利4.8%を比較すると、支払総額は約2倍になります。
住宅ローン金利の上昇は、現在変動金利で住宅ローンを組んでいる人や、これから住宅ローンを組む予定の人の家計に、大きな影響を及ぼします。
今後、住宅ローンを組む予定の人は、金利情勢に注目し、金利上昇も視野に入れて検討をすることが大切です。
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