住宅購入にあたっては、住宅ローンを利用する人が大半です。しかし、金融機関が提供している住宅ローンの商品は種類が多く、どれを選んだらいいのかわからないという人もいるでしょう。
この記事では、住宅ローンの悩みを相談すべきタイミングや適切な相談窓口、相談方法を紹介します。
【監修】株式会社RKコンサルティング
河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のマネー相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
住宅購入にあたっては、住宅ローンを利用する人が大半です。しかし、金融機関が提供している住宅ローンの商品は種類が多く、どれを選んだらいいのかわからないという人もいるでしょう。
この記事では、住宅ローンの悩みを相談すべきタイミングや適切な相談窓口、相談方法を紹介します。
住宅ローンの相談窓口を利用するタイミングは、大きく分けて以下の通りです。
住宅ローンの相談は購入時だけと考えがちですが、実は住宅ローンを組んで返済が開始したあとでも相談できます。例えば、毎月の返済を負担に感じている場合は、いまよりも金利の低いローンに借り換えると負担を軽減できる可能性があります。
住宅ローンの相談ができる窓口は、大きく分けて以下の4つです。
銀行の住宅ローンの相談窓口では、住宅ローン専門の担当者に相談できます。その銀行の口座を持っていなくても相談でき、無料で相談できる点がメリットです。
相談できるのはその銀行の住宅ローンに関する内容のみで、他社との比較をその場で行うことはできません。審査項目や必要書類、申し込みから融資実行までの流れを詳しく聞けるので、比較する際の参考にすることは可能です。
銀行の住宅ローン相談窓口で相談できる内容の例は、以下の通りです。
住宅金融支援機構は、民間の金融機関と提携して「フラット35」を提供している独立行政法人です。
フラット35は全期間固定金利の住宅ローンで、銀行の住宅ローンに比べて比較的審査に通りやすい点が特徴です。ただし、フラット35を利用するためには、購入する住宅の条件が定められた基準を満たしていなければなりません。
また、民間の金融機関では住宅ローンの利用にあたって団体信用生命保険への加入が必須ですが、フラット35の場合は任意です。そのため、持病があるなどして団体信用生命保険に加入できず、民間の金融機関の住宅ローンを利用できない人にもおすすめです。
住宅金融支援機構では、以下のような点を相談できます。
不動産会社では、提携している金融機関の住宅ローンを紹介してもらえる可能性があります。提携している金融機関の住宅ローンを利用することで、金利の優遇が受けられたり、手続きがスムーズになったりするのがメリットです。
ただし、選択肢が少なく、その不動産会社で物件を購入する必要があります。
不動産会社で相談できる内容の例は、以下の通りです。
ファイナンシャルプランナー(FP)は、ライフプランやローン、保険、不動産、相続など、お金に関するさまざまな悩みを解決してくれる専門家です。住宅ローンに限らず、生涯を通した資産形成など幅広く相談ができます。
FPに相談できる内容の例は、以下の通りです。
FPは、銀行や不動産会社など企業に所属する「企業系FP」と「独立系FP」に分かれます。
企業系FPへの相談は無料ですが、提携企業の商品を薦めてくる可能性があります。その商品が必ずしも自分に合っているとは限らない点に注意が必要です。企業系FPへの相談が向いているのは、利用する住宅ローンや購入する物件がほぼ決まっている人です。
独立系FPは、中立的な立場でのアドバイスを行ってくれますが、有料のことが多いため、事前に相談料について確認しておく必要があります。独立系FPへの相談が向いているのは、利用する住宅ローンが決まっていない人、今後のライフイベントを踏まえた提案をしてもらいたい人です。
無料でのFP相談なら、こちらから申し込むこともできます。
住宅ローン相談の流れは、以下の通りです。
まずは、どの窓口に相談するかを決め、相談する窓口に電話をかけて相談日時を決めましょう。インターネットで予約が取れる場合は、その方法もおすすめです。
予約せずに直接訪問しても対応してくれるケースはありますが、待ち時間があったり、相談できる時間が短かったりするので、おすすめできません。
年収や雇用形態、物件などの情報があると、相談がスムーズに進みます。住宅ローンの相談前に用意しておきたい書類は、以下の通りです。
収入を証明できる書類
勤務先がわかる書類
物件の概要がわかる書類
予約当日は相談内容に応じてアドバイスを受け、おすすめの商品や選択肢の提案などを行ってもらいます。
相談するにあたり、住宅ローン関連の基本的な知識や金利プラン、返済方法の種類や違いについて、自分でもある程度は理解しておくとよいでしょう。そうすることで、アドバイスの内容をより深く理解できるようになります。
住宅ローンの相談をする際には、以下のポイントを意識して臨んでください。
解消したい不安の内容や、どこまで踏み込んだアドバイスが欲しいのか、自分で整理しておきましょう。相談される側も目的が把握できないと、的確なアドバイスができません。
可能であれば、質問内容を箇条書きにしたメモを持参しましょう。聞き忘れを防ぐことができるほか、メモにまとめることで質問内容を整理できます。
相談窓口の担当者やFPには、知識量やアドバイスの質、物事の考え方、経験値などに個人差があります。そのため、1つの相談先だけに相談するのではなく、複数の相談先の意見を参考にすることが大切です。
異なる相談先に相談することで、複数の異なるプランや提案が得られ、より自分に合った回答を導き出せます。また、複数の相談先からアドバイスを得ることによって、住宅ローンに関する理解度も高まります。
住宅ローンの相談先は、銀行や不動産会社、住宅金融支援機構などさまざまですが、無料で相談できるところもあります。
ただし、無料の相談先には注意点もあります。例えば、自社の商品を薦めてくるケースが多いことや、アドバイスできる範囲が決まっていることなどです。セールストークに惑わされないようあらかじめ情報収集を行い、相談当日は冷静に判断できるようにしておきましょう。
住宅ローンの相談ができる窓口には金融機関や不動産会社、FPなどがあります。それぞれ、特徴や相談できる範囲が異なるので、住宅ローンについて相談する際には、受けたいアドバイスが得られるところに相談することが大切です。
FPへの相談に関しては、企業系FPと独立系FPがあるので、自分に合った方を選びましょう。複数の相談先のアドバイスを参考にしつつ、最終的には自分で判断することをおすすめします。
ファイナンシャルプランナー(FP)に相談したことありますか?
FP相談で具体的にどんなことを相談できるのか、解説します。FP相談のきっかけや内容、相談できるお金の悩みなど、具体的な相談の流れを知ることができます。
お金に関する悩みを抱えている方、FP相談を考えている方、ぜひご覧ください。
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