政府は12月14日に「2024年度税制改正大綱」を発表しました。
賃上げや、子育て世帯への支援を中心に、さまざまな税制改正が予定されています。
新たな税制は、生活や家計にどのような影響を与えるのでしょうか。
この記事では、「2024年度税制改正大綱」のうち、個人所得に関する以下の項目について解説します。
- 4万円の定額減税
- 子育て世帯に対する住宅ローン減税の拡充
- リフォーム減税の拡充・延長
- 生命保険料控除の拡充
- 高校生の扶養控除見直し
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【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
政府は12月14日に「2024年度税制改正大綱」を発表しました。
賃上げや、子育て世帯への支援を中心に、さまざまな税制改正が予定されています。
新たな税制は、生活や家計にどのような影響を与えるのでしょうか。
この記事では、「2024年度税制改正大綱」のうち、個人所得に関する以下の項目について解説します。
2024年6月に、1人あたり所得税3万円、住民税1万円の合計4万円の定額減税が実施されます。
世帯に扶養親族がいる場合、扶養親族の人数分、減税されます。
年収2000万円を超える人は減税の対象になりません。
定額減税の詳細は、こちらの記事「1人4万円の所得減税。4人家族なら合計16万円減税に。定額減税と定率減税の違いとは」も参考にしてください。
住宅ローンの減税が、子育て世帯に限って現行制度の枠組みを利用できる形に拡充します。
住宅ローン減税は、住宅ローンの残債の0.7%を、所得税額から控除する制度です。
下表の通り、2024年(令和6年)以降に入居する場合、適用できる借入限度額が減る予定でした。
出典:国土交通省「住宅ローン減税」
2024年度税制改正大綱では、「子育て世帯」と「若年夫婦世帯」に限り、借入限度額を現行制度のまま維持することになりました。
リフォームにかかる費用の一部が所得控除の対象となっていた「リフォーム減税」の対象に、「子育てに対応したリフォーム」が追加されます。
以下の項目に該当する人が対象です。
また、リフォーム減税の適用期限が2025年12月31日まで2年間延長します。
子育て世帯の生命保険料控除の限度額が拡充されます。
現行制度では、「一般保険料控除」「医療介護保険料控除」「個人年金保険料控除」の各控除枠ごとに最大4万円が控除されます。
2024年度税制改正大綱では、23歳未満の扶養親族がいる場合、「一般保険料控除」の控除限度額が6万円になります。
ただし、控除額の合計は12万円で、これまでと変わりません。
現行制度では、16~18歳の子どもがいる世帯は年間38万円の扶養控除が受けられますが、この扶養控除が年間25万円に引き下げられる見通しです。
扶養控除の見直しについては、こちらの記事「高校生の扶養控除が25万円に減額。年収別に児童手当との差し引き額をシミュレーション」も参考にしてください。
2024年に入ると、さまざまな税制が変わり始めるので、事前によく確認しておきましょう。
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