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【こども未来戦略方針】3年間で実施する「加速化プラン」まとめ。子ども3人で児童手当1000万円に

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

政府は2023年6月13日に、異次元の少子化対策を具体化し、「こども未来戦略方針」として正式決定しました。
中でも、今後3年間で集中的に取り組む政策を「加速化プラン」として位置づけ、実施する見通しです。
この記事では、この3年で集中的に取り組まれる「加速化プラン」のうち、給付支援や負担軽減に関連する項目を解説します。

加速化プランの内容~給付支援~

加速化プランは、多岐にわたる項目が実施される見通しです。

  • 児童手当の拡充
  • 年収の壁への対応
  • 育児休業給付の引き上げ
  • 時短勤務による賃金低下を補う給付
  • リスキリングへの直接支援

児童手当の拡充

現行制度の児童手当を拡充する案を、2024年10月から実施する見通しとなりました。

児童手当の拡充案は、次の3つです。

  • 所得制限の撤廃
  • 高校生まで支給期間を延長(月1万円)
  • 第3子以降の支給額を3万円に増額

これまで「異次元の少子化対策」たたき台でも発表されていた通りの内容となりました。

これによって、第3子以降の児童手当の総額は約650万円になります。

詳しくはこちらの記事「児童手当拡充の詳細」を参照してください。

年収の壁への対応

一定の年収を超えると社会保険料の負担が発生し、手取り金額が減少する「年収の壁」の見直しも決まりました。

次の2点が検討される予定です。

  • 短時間労働者への被用者保険の適用拡大
  • 最低賃金の引き上げ

また、労働時間の延長や賃上げに取り組む企業に、最大3年の補助を実施する「支援強化パッケージ」を2023年中に決定する予定です。

詳しくはこちらの記事「『年収の壁』見直しの詳細」を参照してください。

育児休業給付の引き上げ

2025年度から、夫婦共に育児休業を取得した場合、育児休業給付の給付率を「手取りの8割相当」から「手取りの10割相当」に引き上げます。

給付率は、男性・女性共に引き上げられる予定です。

詳しくはこちらの記事「育児休業給付の詳細」を参照してください。

時短勤務による賃金低下を補う給付

子どもが2歳になるまでの間、時短勤務で収入が目減りするケースを補てんする目的で「育児時短就業給付(仮称)」が創設されます。

育児期の多様な働き方を推進するために、2025年度から実施予定です。

詳しくはこちらの記事「育児時短就業給付の詳細」を参照してください。

リスキリングへの直接支援

リスキリングによる教育訓練中に、個人に支払われる給付をより充実させる支援策が盛り込まれました。

現行制度では、リスキリングを促す企業を通じて助成金が支払われていますが、個人への給付が5割を超えるよう改めます。

加速化プランの内容~負担軽減~

負担軽減策についても発表されました。

主な支援策としては、次の4つです。

  • 出産等の経済的負担の軽減
  • 子どもの医療費等の負担軽減
  • 高等教育費の負担軽減
  • 子育て世帯の住宅支援

出産費用の保険適用

出産や子育てにかかわる負担を軽減するため、出産費用の保険適用に向けた整備も進められます。

すでに実施されている「出産一時金の引き上げ」をはじめ、妊娠期から2歳までの支援を強化する案が検討されています。

出産費用の保険適用は、2026年度の導入を予定しています。

詳しくはこちらの記事「出産費用の保険適用の詳細」を参照してください。

子どもの医療費等の負担軽減

子どもの医療費を助成した自治体に対して、国庫負担を減額する制度を廃止します。

自治体の負担を軽減することで、少子化対策を後押しする目的です。

詳しくはこちらの記事「子どもの医療費助成の詳細」を参照してください。

高等教育費の負担軽減

高等教育費の負担を軽減させるため、奨学金制度をより充実させます。

奨学金の負担が理由で、結婚や出産をためらわせないようにすることが目的です。

  • 貸与型奨学金の減額変換制度の拡充
  • 授業料の減免制度や給付型奨学金の支援拡充
  • 授業料後払い制度の導入

高等教育費の負担軽減策は、2024年度からの実施が予定されています。

詳しくはこちらの記事「高等教育費の負担軽減の詳細」を参照してください。

子育て世帯の住宅支援

子育て世帯への住宅支援も行われます。支援策は次の3つです。

  • 今後10年間で子育て世帯等に提供可能な公営住宅を約20万戸確保
  • 今後10年間で子育て世帯向けに活用する空き家住宅を約10万戸確保
  • 子育て世帯のフラット35の金利を優遇

フラット35の金利優遇は、2024年度までに支援を充実させる予定です。

詳しくはこちらの記事「子育て世帯への住宅支援の詳細」を参照してください。

その他にも、「保育園や児童クラブの支援拡充」や「選択的週休3日制の普及」などが盛り込まれました。

少子化傾向を反転させられるかが問われる重要な局面です。

子ども未来戦略方針に、今後も引き続き注目していきましょう。

出典
  • 内閣官房「こども未来戦略方針」

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