水道代は毎月かかる固定費で、家計にも影響を及ぼします。「水道代を節約したいと思っていても、何から手を付ければよいかわからない」「節約する方法を知りたい」という人もいるでしょう。
水道代は工夫次第で、生活の質を大きく落とさなくても減らすことは可能です。
この記事では、水道代を減らすための工夫について解説します。
- 一般的な家庭における水道代の平均額
- 水道代を減らすために意識すべきこと
- 水道代を減らすための具体的な方法
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
水道代は毎月かかる固定費で、家計にも影響を及ぼします。「水道代を節約したいと思っていても、何から手を付ければよいかわからない」「節約する方法を知りたい」という人もいるでしょう。
水道代は工夫次第で、生活の質を大きく落とさなくても減らすことは可能です。
この記事では、水道代を減らすための工夫について解説します。
水道代を節約しようと思ったら、最初にやるべきことは「どの程度使っているのか」を把握することです。
使いすぎているのかどうかを把握できないと、どれだけ削るべきかわかりません。まずは、過去数ヵ月分のデータを比較し、自身の水道使用量を把握しましょう。
家族構成ごとの1ヵ月あたりの水道代(上下水道代)の相場は、以下の通りです。
1人暮らし | 2,248円 |
2人暮らし | 4,344円 |
夫婦+子ども2人 | 6,465円 |
相場より大幅に上回っている場合は、節約の余地があるでしょう。
世帯人数別の水道代の平均金額については、『水道代の平均金額を世帯人数別』を参考にしてください。
水を無節操に使うのは、環境への負担という意味でも、節約という意味でも好ましくありません。生活に支障をきたさない程度に節約を心がけましょう。
節水するうえでのポイントは、以下の通りです。
家の中で水を使う場所はどこなのか考え、再認識することが大切です。キッチンやお風呂、トイレ、洗面所や洗濯、庭・ベランダなど、意外とあることがわかります。
なお、令和元年度の東京都水道局による調査では、家庭で1人が1日に使う水の量は平均214リットルです。4人家族であれば、毎日約1,000リットルの水が必要となります。
水を多く使う場所は、お風呂やキッチン、トイレ、洗濯機などです。それぞれの節約方法や一般的な使用量について、この記事では詳しく解説します。それらと比較して使いすぎている場所はないかを考えてみてください。
家の中で一番水を使う場所といえるのが、お風呂です。東京都水道局によれば、家庭内で使われる水のうち43%がお風呂で使われています。節水・節約を意識するなら、お風呂の対策は避けて通れません。
お風呂での水の節約方法は、以下の通りです。
お風呂に入る際は、湯船に張る水の量を減らしましょう。
一般家庭のお風呂に設置されている湯船(浴槽)の容量は、200~280リットル程度が一般的です。8割までお湯を入れた場合、だいたい160~224リットルの水を使うことになります。
これを6割まで減らした場合、120~168リットル程度になる計算です。
仮に、1日あたりの節約分を40リットル、水道代を1リットルあたり0.2円とした場合、1日で8円節約できます。1年にすると水量は1万4400リットル、水道代は2,880円節約可能です。
シャワーを出しっぱなしにしないことも重要です。一般的なシャワーの場合、1分間で12リットルの水が出るといわれています。つまり、16分間出しっぱなしにすると、湯船1台分(192リットル)の水を使ってしまう計算です。
特に、頭を洗ったり、体を洗ったりするときは出しっぱなしになりやすいいので注意してください。
こまめに止めたり、お風呂の水を洗面器でくんで使ったりするなどの工夫をしましょう。
キッチンも、家の中では水を多く使う場所の1つです。キッチンでの水の節約方法は以下の通りです。
食器は一度にまとめてすすぎましょう。すすぎは最後にまとめて行うのがコツです。水を流す時間を短縮できるので、節水にもつながります。
洗い桶を使うのも効果的です。洗い桶の中に大きな食器から重ねていき、上にある小さな食器からすすいでいけばさらに節水が見込めます。溜まった水で下の食器の洗剤も一緒に流せるからです。洗い桶がなければ、大きなお皿やフライパンでも代用できます。
また、火傷しない程度のお湯を使うと、油汚れが落ちやすいのでさらにスムーズです。
落ちにくい汚れは先に落としておくことも重要です。汚れをすべて水で流そうとすると、より多くの水が必要になります。
炊飯器の釜の部分にこびりついた米のカスなど、時間が経って硬くなってしまったものは、水につけておいてあとから落とすとよいでしょう。
油汚れはそのまま流すと、排水溝のつまりや水質汚染にもつながるので要注意です。事前に古布や古新聞でふき取ったり、ゴムベラなどでこそげ落としたりするのがおすすめです。
集まった汚れはシンクに流さずに集め、ゴミとして捨てればシンクも汚れず、さらなる節水にもつながります。
食洗器も節水に役立ちます。運転モードに合わせて水量を調整し、無駄な水を使わずに最後まで洗えるようになっているからです。
食洗器と手洗いの場合で、1年間の電気および水道・ガスの使用量を比較してみました。
費目 | 食洗器 | 手洗い |
---|---|---|
水道 | 10.80立方メートル | 47.45立方メートル |
ガス | - | 81.62立方メートル |
電気 | 525.2kWh | - |
1年間の費用 | 2万2791円 | 3万740円 |
電気代はかかるものの、節水できるうえに、全体的な費用も手洗いより安く済みます。
トイレも、家族全員が一日に何度も使う場所である以上、節水する必要があります。
トイレでの水の節約方法は以下の通りです。
トイレを流すときには、小のレバーを使って流しましょう。大のレバーを使うときより水量が少ないためです。
例えば、大手内装メーカー・TOTO「ピュアレスト」シリーズのトイレの場合、大レバーの水量は1回4.8リットルなのに対し、小レバーの水量は3.6リットルと約4分の3となっています。
メーカーや機種によっても水量は異なるため、説明書やWebサイトで確認しましょう。
また、家のリフォームを検討しているなら、節水効果の高いトイレを導入するのも1つの方法です。年間で見ると大幅な水の節約になります。
消音や消臭などを理由に複数回流す人がいますが、その分水道代がかかります。それまで1回用を足すごとに2回流していたのを1回流すようにすれば、大幅な節水につながるでしょう。
1日5回トイレに入り、1回流すごとに使う水量を4リットルと仮定した場合、1日あたりで20リットル(1年では7,300リットル)節約が可能です。仮に、水道水1リットルあたりの水道料金を0.2円とした場合、1年間で1,460円の節約になります。
洗濯も水をたくさん使いますが、工夫次第で節水は可能です。
洗濯での水の節約方法は、以下の通りです。
洗濯をする際は、なるべくお風呂の残り湯を使うようにしましょう。
具体的な水量はメーカー・機種によっても異なりますが、縦型洗濯機の場合、一般的には洗濯物1kgあたり10リットルの水が必要とされています。10kgの衣類を洗濯するなら、約100リットルの水が必要です。まとまった水を使う以上、お風呂の残り湯で置き換えられれば、大幅な節約につながります。
ただし、お風呂に入浴剤を入れている場合は、成分によっては残り湯を使えないことがあるので事前に確認しましょう。また、いわゆるおしゃれ着用の洗剤を使う場合は、残り湯を使うと洗浄力が低下することがあるので避けた方が無難です。
一人暮らしなど、家族が少ないなら洗濯物はできるだけまとめて洗いましょう。洗濯機を回す回数が少なければ、それだけ使う水や電気の量も減るうえに、手間も減らせるからです。
ただし、まとめて洗う際に洗濯物を詰め込みすぎると逆効果になります。洗濯物を詰める量は、洗濯機の大きさの7~8割にとどめておくのが理想的です。
また、洗剤によってはすすぎを1回で済ませられることもあります。すすぎが少なくできればその分水や電気も減らせるので、検討する価値はあるでしょう。
水道代の支払方法を見直すのも効果的です。コンビニ払いをしていた場合は、口座振替やクレジットカード払いに切り替えましょう。
口座振替をすれば、自治体の口座振替割引を受けられることがあります。具体的な金額は自治体によって異なりますが、東京都水道局の場合、1ヵ月あたり55円の割引です。
また、クレジットカード払いをすれば、ポイント還元を受けることが可能です。仮に、1ヵ月の水道代5,000円を1%ポイント還元のクレジットカードで支払った場合、50ポイントが付与されます。1ポイント=1円とすると、実質50円の割引です。
ただし、使うクレジットカードによって還元率は異なるうえに、クレジットカード払いができない自治体もあります。例えば東京都の場合は、1ヵ月の水道料金が5,000円以下であるなら、口座振替の方が安くなります。
水道代以外の固定費を節約するためのアイデアをより詳しく知りたい方は、『家計の見直し方法や節約アイデア』をご覧ください。具体的な節約方法を紹介しています。
便利な節約グッズも使ってみましょう。おすすめの節約グッズは、以下の通りです。
蛇口は少しひねると1分間に6リットル、全開にすると20リットルもの水が出ます。
しかし、節水ができる蛇口であれば、水が出る量をコントロール可能です。具体的にどれだけ節約できるかは、使う蛇口によっても異なります。
例えば、LIXILのタッチレス水栓「ナビッシュハンズフリータイプ」なら、少しひねった場合の1分間の水量が5リットルと、1リットル節約することが可能です。同社の試算によれば、1年間で約30%節水できるとされています。
お風呂のシャワーに節水シャワーヘッドをつけるのも効果的です。通常のシャワーヘッドを取り外して交換すれば、節水効果が見込めます。商品によっては浄水(塩素除去)機能など、プラスアルファが見込めるものがあるので必要に応じて選びましょう。
例えば、サイエンスの節水シャワーヘッド「ミラブルzero」の場合、使用する水流や水圧にもよりますが、最大で約60%の節水が可能です。
お風呂水クリーナーを使うのも効果的です。
お風呂水クリーナーは「ふろ水洗浄剤」などの名前で販売されているもので、お風呂に入れて使います。1日目の入浴後にお風呂に入れ、2日目は沸かし直して再入浴し、そのあとは洗濯用の水として使うのが一般的な使い方です。
お風呂に水を張るのが2日に1回で済むため、大幅な節約効果が見込めます。ただし、体から出た皮脂やたんぱく質などの汚れまでは分解できないため、2日を超える継続利用はできません。また、人体に害はないものの、塩素を使っているため人によっては肌に合わないこともあります。
水は生活に欠かせないものであり、過度に節約するのは自分や家族の健康を害する恐れがあります。水道代を節約する際は、まずは無理のない範囲で取り組みましょう。
「水を流しっぱなしにしない」ことを習慣化したり、トイレやシャワーヘッド、蛇口など道具の交換をしたりするなど、節約する方法はさまざまです。自分や家族の生活スタイル、性格を踏まえ、適した方法をいくつか組み合わせて実践してみてください。
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