年収700万円の人の手取り金額は、ボーナスや配偶者の有無によって異なります。ここでは、以下の4つのパターンに分けて、年収700万円の人の手取り金額を算出しました。
- ボーナスなしの場合
- ボーナスありの場合
- 配偶者ありの場合
- 共働き夫婦の場合
手取り金額を求める際に年収から差し引く健康保険料や介護保険料は、自治体によって金額が異なります。介護保険料は40歳から納付義務が発生するため、東京都在住、45歳の人を例に手取り金額をシミュレーションしました。
ボーナスなしの場合
ボーナスがないケースの年収700万円の手取り金額は、年間約522万円となりました。税金や社会保険料の支払額の内訳は、以下の通りです。
項目 |
年額 |
月額 |
額面収入 |
700万円 |
58万3333円 |
所得税 |
29万4700円 |
2万4558円 |
住民税 |
37万1100円 |
3万925円 |
健康保険 |
35万4000円 |
2万9500円 |
厚生年金 |
64万7820円 |
5万3985円 |
雇用保険 |
4万2000円 |
3,500円 |
介護保険 |
6万4428円 |
5,369円 |
手取り |
522万5952円 |
43万5496円 |
出典:国税庁「所得税のしくみ」、東京都主税局「個人住民税」、全国健康保険協会「令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」(以下同)
このケースでは、年間177万円前後の税金や社会保険料の負担が発生し、額面収入の約75%が手取りとして残ります。1ヵ月あたりの手取り金額は約43万円です。
ボーナスありの場合
次に、ボーナス136万円を含む年収が700万円のケースを見ていきましょう。税金や社会保険料の負担額の内訳は、以下の通りです。
項目 |
年額 |
月額 |
ボーナス |
額面収入 |
700万円 |
47万円 |
136万円 |
所得税 |
29万7100円 |
1万9948円 |
5万7724円 |
住民税 |
37万2300円 |
2万4997円 |
7万2336円 |
健康保険 |
35万円 |
2万3500円 |
6万8000円 |
厚生年金 |
64万500円 |
4万3005円 |
12万4440円 |
雇用保険 |
4万2000円 |
2,820円 |
8,160円 |
介護保険 |
6万3700円 |
4,277円 |
1万2376円 |
手取り |
523万4400円 |
35万1453円 |
101万6964円 |
この場合、ボーナスを含めた年間の手取り金額は約523万円となります。税金や社会保険料の負担額は年間177万円前後で、手元に残る金額は額面収入の75%ほどです。
また、ボーナスの支給がないケースと比較すると、1ヵ月あたりの手取り金額が低くなっていることがわかります。年収が同じ700万円であっても、ボーナスの支給額が大きくなるほど1ヵ月あたりの手取り金額は小さくなる傾向があります。
配偶者ありの場合
配偶者の年収が0円、つまり専業主婦の場合、年間の手取り額は約533万円となります。税金や社会保険料の負担額の内訳は、以下の通りです。
項目 |
年額 |
月額 |
額面収入 |
700万円 |
58万3333円 |
所得税 |
22万5600円 |
1万8800円 |
住民税 |
33万8100円 |
2万8175円 |
健康保険 |
35万4000円 |
2万9500円 |
厚生年金 |
64万7820円 |
5万3985円 |
雇用保険 |
4万2000円 |
3,500円 |
介護保険 |
6万4428円 |
5,369円 |
手取り |
532万8052円 |
44万4004円 |
このケースでは、税金と社会保険料の負担額が年間167万円ほどで、手元に残る金額は額面収入の約76%となります。
前述の通り、配偶者がいない場合の手取り金額は年間約522万円なので、配偶者がいるケースの方が手取り金額は多いことがわかります。配偶者控除が適用されることで所得税と住民税の負担額が小さくなるためです。
配偶者控除とは、納税者本人の合計所得金額が1000万円以下で、配偶者の年収が一定額以下の場合に適用される所得控除です。配偶者控除が受けられれば、課税所得金額が減り、所得税と住民税の金額が小さくなるため、手取り金額が大きくなります。
共働きの場合
次に、夫の年収が450万円、妻の年収が250万円、世帯年収700万円のケースで手取り金額を計算していきます。ボーナスはなしとします。それぞれの手取り金額や税金、社会保険料の負担額の内訳は、以下の通りです。
項目 |
夫年額 |
妻年額 |
夫月額 |
妻月額 |
額面収入 |
450万円 |
250万円 |
37万5000円 |
20万8333円 |
所得税 |
9万9100円 |
4万650円 |
8,258円 |
3,388円 |
住民税 |
20万6600円 |
9万1300円 |
1万7217円 |
7,608円 |
健康保険 |
22万8000円 |
12万円 |
1万9000円 |
1万円 |
厚生年金 |
41万7240円 |
21万9600円 |
3万4770円 |
1万8300円 |
雇用保険 |
2万7000円 |
1万5000円 |
2,250円 |
1,250円 |
介護保険 |
4万1496円 |
2万1840円 |
3,458円 |
1,820円 |
手取り |
348万564円 |
199万1610円 |
29万47円 |
16万5968円 |
手取り年額は、夫が約348万円、妻が約199万円となり、世帯全体で約547万円です。1人の年収が700万円のケースでは約522万円なので、夫婦共働きの方が手取り金額は大きくなることがわかります。
なお、世帯全体で負担する税金や社会保険料の金額は72万円で、手取り金額が年収の約78%を占めます。
所得税は所得が高い人ほど高くなる仕組みのため、額面収入が同じなら、共働きの方が税負担は軽くなります。