初心者向けお金の勉強方法|効率よく学習するためのポイントを紹介

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング

河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のマネー相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

お金の勉強をして、知識を身につけることで、生活の質の向上や、将来の夢・目標をかなえることにも役立ちます。

この記事では、なぜお金の勉強が大切なのか、具体的にどうすればよいのか解説します。お金の勉強が大切なのは理解しているけれど、 どうしたらよいかわからないという人はぜひ参考にしてください。

お金の勉強が大切な理由

日本はほかの先進国と比べ、国民の金融リテラシーが高くありません。その理由は、義務教育であまり取り上げられないからです。

金融広報中央委員会が公表した「金融リテラシー調査(2022年)のポイント」によれば、「金融教育を受けたことがある」と答えた人の割合がアメリカでは20%だったのに対し、日本はわずか7%でした。

新学習指導要領の実施により、2022年から高校家庭科で金融教育が始まるなど、国も取り組みを本格化させています。しかし、具体的な取り組み状況は、学校や教師の力量によって異なるのが実情です。

お金の勉強をすることで、次のようなメリットが得られます。

  • 人生における三大資金について理解できる
  • 資産運用の重要性について理解できる
  • 効率的な節約・節税の仕方を理解できる

人生における三大資金について理解できる

お金の勉強をすることで人生における三大資金について理解できます。人生における三大資金とは、以下の3つです。

  • 教育資金:1人あたり1000万円~
  • 住宅資金:2500万~4500万円
  • 老後資金:夫婦2人で2500万円~

これだけの大金を用意するには、適切な方法で取り組む必要があります。そのためにもお金の勉強は不可欠です。

資産運用の重要性について理解できる

お金の勉強をすることで、資産運用の重要性についても理解できます。

銀行の定期預金の金利は0.002%程度(2023年6月時点)です。預けていてもほとんど増えないうえ、将来的にインフレが起きて物価が上がれば、事実上資産が目減りしてしまいます。

お金を増やすためには、資産運用を効率的に行うことが不可欠です。ただし、資産運用は損失が出る可能性もあります。仮に損失が出ても少なくて済むよう、勉強して知識を得たうえで取り組むのが望ましいです。

効率的な節約・節税の仕方を理解できる

お金の勉強をすることで、効率的な節約・節税の仕方を理解できます。

例えば、複数の生命保険や医療保険に入っている場合、保障が重複したり、必要以上の保障をつけていたりするケースがあります。

お金の勉強をすることで、「自分たちに必要な保障はどのぐらいか」を認識できるようになり、保険料の節約にも役立ちます。

また、節税に関しても、勉強している場合とそうでない場合とで差がつくでしょう。

初心者が身につけるべきお金の基礎知識

一口にお金の勉強といっても、扱う範囲は幅広く、すべて身につけようとするときりがありません。

初心者なら、自分たちの生活に関連が深そうなトピックから勉強を始めることをおすすめします。具体的には、以下の分野の知識を押さえておきましょう。

  • 年金・社会保障
    病気・けがで働けなかったり、老後を迎えたりしたときに役立つ公的保険について学ぶ。
  • 保険
    生命保険や医療保険、損害保険の特徴や選び方、利用する際の注意点を学ぶ。
  • 資産運用
    株式、投資信託などによる資産運用について、基本的な知識や運用する際の注意点を学ぶ。
  • 税金
    所得税、住民税などの基礎知識のほか、ふるさと納税など税制優遇策について学ぶ。
  • 不動産
    住宅ローンの選び方や注意点のほか、個人で利用できる住宅取得優遇策について学ぶ。
  • 相続
    相続税の計算方法や法定相続人、遺言書の必要要件や終活の重要性などを学ぶ。

初心者におすすめのお金の勉強方法

お金の勉強をしたいと思ったら、自分に合った方法で始めてみましょう。ここでは、初心者にもおすすめできる勉強法として、以下の3つを紹介します。

  • お金に関する本を読む
  • オンラインで学習する
  • セミナーに参加する

お金に関する本を読む

お金に関する本を読むことは、従来から広く行われてきた勉強法の1つです。

好きな場所で取り組めるうえ、本の選び方次第では初心者でも幅広い知識を効率的に身につけられるのがメリットです。

ただし、中には筆者の私見が大半を占めていたり、情報が古かったりする本もあるため、注意が必要です。筆者の経歴や口コミを参考に、読むべき本を選んでみてください。周囲にお金の勉強をしている人がいたら、おすすめの本を聞いてみるのも1つの方法です。

オンラインで学習する

マネー関連のWebメディアや、動画コンテンツを見て勉強する方法もおすすめです。

この方法のメリットは、好きな場所で、無料でお金の勉強ができることです。初心者にもわかるよう、説明方法に配慮が行き届いているコンテンツも多いため、初心者でも抵抗なく勉強できるでしょう。

ただし、本の場合と同様、情報が古かったり、間違っていたりすることがあります。すべてを鵜呑みにするのではなく、おかしいと感じた部分は自分で調べて確かめることが大切です。

セミナーに参加する

証券会社や保険会社、銀行などの金融機関、金融庁や日本FP協会などの公的機関が開催するセミナーに参加するのも有効な勉強法です。

セミナーの情報は、Webで検索したり、店頭でのチラシ・ポスターを見たりして探すことができます。市区町村の広報誌に掲載されていることもあるので、チェックしてみてください。

この方法のメリットは、わからないことがあった場合、講師に質問していち早く解決できることです。親身になって回答してくれる講師であれば、さらに理解が深まるでしょう。

一方、デメリットは、民間企業が開催するセミナーの場合、金融商品や保険商品の勧誘を受けるケースがあることです。販促活動の一環としてセミナーを行っているためですが、勧誘を受けたとしても興味がなければ断って構いません。

マネーセミナーに関しては、おすすめのマネーセミナー10選|セミナーの選び方や実生活で活かすコツを紹介も参考にしてください。

お金の勉強で挫折しないためのポイント

お金の勉強は重要ですが、やり方次第では挫折する可能性もあります。挫折しないためには、以下のポイントを意識して勉強することをおすすめします。

  • 目的を明確にする
  • 実践に移しながら体感する
  • 興味のある分野から始める

目的を明確にする

お金の勉強をする際は、目的を明確にする必要があります。何となく不安だからという理由で始めるよりも、「老後は不自由せずに好きなこともしたい」など、前向きな目的があった方が長続きするでしょう。

目的が明確になれば、実現するために何をすればよいのか、具体的な方法を探れるようになります。

実践に移しながら体験する

実践に移しながら体験することは、より深い学びにつながります。

例えば、株式投資について学びたければ、実際にやってみるのが一番勉強になります。本や動画、セミナーで得た知識を活用して証券口座を開き、投資資金を入金して実際に株式を購入してみましょう。

勉強したことを実践に移すことで、「どうやって株式を選ぶか」「どのタイミングで売るか」など、知識の活かし方がわかってきます。また損をしてしまった場合でも、どうすれば次は損をしないか考えるようになるため、知識をさらに深めることが可能です。

昨今では、100円などごく少額から株式(単元未満株)を購入できるサービスもあります。初心者でもチャレンジしやすいので、ぜひ活用してみてください。

興味のある分野から始める

お金の勉強は範囲が広いため、優先順位をつけて取り組むのがおすすめです。できれば、興味のある分野や、実生活に関わりのある分野から始めましょう。そうすることで自分ごとだと捉えられ、モチベーションアップにもつながります

例えば、近いうちに家を購入する予定がある場合は、住宅ローンや住宅購入時に利用できる税制優遇策について学んでみましょう。「どうすればお得に家を買えるか」という知識が得られれば、すぐに役立つはずです。

まとめ

お金の勉強で得られる知識は、日々の生活に必要で、将来の目標をかなえるためにも役立ちます。しかし、学ぶべき知識は幅広いため、目的を明確にし、優先順位をつけて取り組むべきです。実践に移しながら体験することで、より深く理解することもできるでしょう。

難しく考えるのではなく、「これってどういうことだろう?」と思ったことを、本やWebで調べる程度から始めるのがおすすめです。まずは、興味のある分野から始めてみましょう。

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