ガソリン代が高騰し、自動車保険料が値上げするなど、車の維持費は増加傾向です。こういった状況の中、維持費を安くするために軽自動車を選択する人も増えています。
「軽自動車にすると維持費はどれぐらい安くなるの?」「普通車と比べてデメリットはない?」など気になる人もいるでしょう。
この記事では、軽自動車の維持費が安い理由や、普通自動車とどれぐらい違うのかについて解説します。
- 軽自動車の維持費が安い理由
- 軽自動車と普通自動車の維持費の比較
- 軽自動車のメリット・デメリット
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マネーFix 編集部
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ガソリン代が高騰し、自動車保険料が値上げするなど、車の維持費は増加傾向です。こういった状況の中、維持費を安くするために軽自動車を選択する人も増えています。
「軽自動車にすると維持費はどれぐらい安くなるの?」「普通車と比べてデメリットはない?」など気になる人もいるでしょう。
この記事では、軽自動車の維持費が安い理由や、普通自動車とどれぐらい違うのかについて解説します。
軽自動車と普通車の維持費を比較すると、軽自動車の方が安いということは一般的に知られていますが、実際にどれだけ違うのか比べてみましょう。
ソニー損保が発表した「2023年 全国カーライフ実態調査」をもとに、軽自動車と普通車の維持費の違いについて、月間・年間別で下表にまとめました。
ボディタイプ | 月間維持費 | 年間維持費 |
---|---|---|
軽自動車 | 1万1000円 | 13万2000円 |
セダン | 1万3600円 | 16万3200円 |
ステーションワゴン | 1万3700円 | 16万4400円 |
コンパクトカー | 1万3100円 | 15万7200円 |
ミニバン | 1万5600円 | 18万7200円 |
オープンクーペ | 1万5000円 | 18万円 |
SUV・クロカン | 1万7600円 | 21万1200円 |
その他 | 1万4000円 | 21万1200円 |
軽自動車の維持費は、普通自動車と比べて月間約2,000~6,000円、年間約2万~8万円安くなることがわかります。
軽自動車とは、エンジンの排気量が660cc以下、車両の全長が3.4m、幅が1.48m、高さが2.0m以下の自動車を指します。
軽自動車の維持費が安い理由として、以下の3点が挙げられます。
軽自動車には、普通車と同じく自動車税と重量税の2種類の税金がかかりますが、どちらも普通車と比べて半額以下です。
保険料についても安い傾向にあり、任意で加入する保険に関しては平均して約2万円の差があります。
また排気量が少なく、車体もコンパクトなので普通自動車と比べて燃費が良く、ガソリン代を抑えられることも維持費が安い理由の1つです。
車の維持費の中で、金額が大きめでありながら、避けられないのが税金です。車の維持にかかる税金は以下の2種類です。
軽自動車の維持にかかる税金は、普通自動車と比べて半額以下になっています。ただし、軽自動車はエコカー減税制度の対象外となっている点には注意が必要です。
自動車税(軽自動車税)は、自動車の排気量に応じて課せられる税金で、4月1日時点における車の所有者が支払います。
軽自動車の自動車税は一律1万800円です(初年度検査日が2015年4月以後、かつ初年度登録から13年未経過の場合)。
排気量 | 2015年3月31日以前に新車登録された車 | 2015年4月1日以降に新車登録された車 |
---|---|---|
660cc以下 | 7,200円 | 1万800円 |
一方、軽自動車以外の自動車税は排気量によって以下のように異なります。
排気量 | 2019年9月30日以前に新車登録された車 | 2019年10月1日以降に新車登録された車 |
---|---|---|
660cc超~1,000cc以下 | 2万9500円 | 2万5000円 |
1,000cc超~1,500cc以下 | 3万4500円 | 3万500円 |
1,500cc超~2,000cc以下 | 3万9500円 | 3万6000円 |
1,500cc超~2,000cc以下 | 3万9500円 | 3万6000円 |
2,000cc超~2,500cc以下 | 4万5000円 | 4万3500円 |
2,500cc超~3,000cc以下 | 5万1000円 | 5万円 |
3,000cc超~3,500cc以下 | 5万8000円 | 5万7000円 |
3,500cc超~4,000cc以下 | 6万6500円 | 6万5500円 |
4,000cc超~4,500cc以下 | 7万6500円 | 7万5500円 |
4,500cc超~6,000cc以下 | 8万8000円 | 8万7000円 |
6,000cc超 | 11万1000円 | 11万1000円 |
軽自動車は普通車にかかる自動車税と比べて半額以下に抑えられます。
重量税は、車両の重量に応じて課税される税金で、新車購入時や車検時に支払います。
車検時の金額を見てみると、軽自動車の重量税は車両重量にかかわらず一律で5,000円です(エコカー減税適用なし)。
一方で、一般的な普通車の重量税は車両重量によって異なり、1万~2万5000円程度です。重量税においても、軽自動車は普通車の半額以下で済むことがわかります。
なお車検時には、重量税のほかに手続き費用やチェック作業の工賃などがかかりますが、これらの費用に関しては軽自動車と普通車で大きな差はありません。
自動車保険には、加入が義務付けられている「自賠責保険」と、加入するかを自分で自由に決められる「任意保険」の2種類があります。
自賠責保険は軽自動車と普通車とで料金がそれほど変わらないものの、任意保険については軽自動車の方が安く抑えられる傾向にあります。
自賠責保険(強制保険)は、事故の被害者に対して最低限の賠償を行うための保険であり、法律で加入が義務付けられています。
自賠責保険に関しては、軽自動車の方が若干安いものの、普通車と大きな差はありません。
12ヵ月 | 24ヵ月 | 36ヵ月 | |
---|---|---|---|
軽自動車 | 1万1440円 | 1万7540円 | 2万3520円 |
普通車 | 1万1500円 | 1万7650円 | 2万3690円 |
任意で加入する自動車保険は、平均で見ると軽自動車が安い傾向にあります。
「自動車保険の概況2023年度」をもとに、軽自動車と普通車の任意保険の料金相場を計算した結果は以下の通りです。
軽自動車の方が、約1万8000円安くなっていますが、保証範囲や条件によって保険料は大きく変わります。
自動車を運転する人の範囲や年齢に関する条件を狭めると普通車でも保険料を抑えられますし、逆に保証範囲を限定しないと軽自動車であっても保険料は高くなるでしょう。
車両保険は事故や盗難などで自分の車が損害を受けた場合に役立ちますが、保険料が高額になりがちです。
自動車保険の保険料は、以下のポイントを押さえることで効率的に抑えられます。
最初に、車両保険の要否を検討しましょう。
例えば車両保険を使うと翌年の保険料が上がるため、上がる分の保険料と修理費用を比較して、結局保険を使わないケースも多く見られます。車両保険を外すことで保険料を大幅に削減できるため、使う可能性が低いなら外すのも1つの方法です。
また、ネットで手続きを完結できる「ダイレクト型の自動車保険」は、代理店型と比べて安くなる傾向にあります。
さらに、各種割引を活用することも保険料を抑えるポイントです。例えば、早めに契約することで適用される「早期契約割引」や「子育て応援割引」を活用すれば、保険料のさらなる節約が期待できます。
軽自動車は排気量が少なく、車体もコンパクトなので普通車と比べて燃費が良く、ガソリン代を抑えられます。
軽自動車の燃費がなぜいいのか、どのような状況で軽自動車の燃費が悪くなるのか見てきましょう。
軽自動車の燃費が良い最大の理由は、小型で軽量な設計にあります。
軽自動車の排気量は660cc以下と、普通自動車の半分以下に制限されています。エンジンが小型な分、ガソリンの消費量も少ないです。また車体もコンパクトで軽いので、少ないエネルギーで快適に走れるようになっています。
例えば、燃費15km/Lの軽自動車と12km/Lの普通車について、年間走行距離1万kmの場合のガソリン代を計算すると以下のようになります(レギュラー150円/Lで計算)。
燃費の良い軽自動車であれば、年間のガソリン代を約2万5000円抑えることができます。
軽自動車の燃費が良いのは確かですが、車種や乗り方次第では普通車よりも悪くなる場合があります。
例えば、軽自動車に重い荷物を積んだり、定員いっぱいまで人を乗せたりした場合、エンジンに負荷がかかりやすく、燃費が悪化することがあります。
その点、コンパクトカーであればパワーがあるので、同じ状況であっても燃費が悪くなることは少ないです。
また近年ハイブリッド車のような燃料効率の良い普通車も増えており、車体の大きな軽自動車やパワーがある軽自動車などと比べると燃費がいいケースもあります。
MoneyFixでは、全国6,243名を対象に「車に関するアンケート」を実施しました。
所持している車の種類については、「軽自動車」(43.8%)が最も多く、「ミニバン/ワンボックス」(15.7%)、「コンパクトカー」(15.1%)と続きました。
また維持費を節約するために行っていることについては、「燃費が良い車を選ぶ」(46.5%)が最も多く、「軽自動車を購入」(30.4%)、「保険を見直す」(26.5%)と続きました。
アンケートによると軽自動車を保有している人の割合が特に多く、半数近くに上ることがわかりました。
維持費が安いこと以外にも、軽自動車にはいくつかメリットがあります。ここでは、維持費以外の軽自動車のメリットについて以下2つを解説します。
軽自動車は車体サイズがコンパクトなので、小回りが利き、狭い道でも運転しやすいです。
特に都市部や住宅街では、道路幅が狭い場所が多く、普通車だと通りにくい場面がよくあります。軽自動車であれば狭い道でもスムーズに通れ、細い路地や狭い交差点での曲がり角も楽に曲がれます。
運転が苦手な人や初心者ドライバーにとっては、軽自動車の運転のしやすさは大きなメリットといえるでしょう。
近年、さまざまなボディタイプの軽自動車が登場しています。
例えば、家族向けにはバンなどのスライドドア車や、セダン、ワゴン、アウトドア好きには軽SUV、運転好きにはスポーツカーまでバリエーションが豊富です。ライフスタイルに合わせて車種を選ぶことができる点はメリットだといえます。
またカラーバリエーションが豊富な軽自動車が多く、自分の好みに合った車を選べます。
軽自動車には、以下のようなデメリットもあります。
軽自動車の排気量は660cc以下に制限されているため、普通車と比べて走行性能が劣ります。
例えば坂道を上ったり、高速道路で追い越しをしたりする場面では、軽自動車のパワー不足を感じることがあります。
日常生活で使う際には問題はないものの、シチュエーションによってはパワー不足を感じる可能性があるということは覚えておきましょう。
車種に限らず、軽自動車の乗車定員は4人までと決められています。したがって家族を連れた買い物や友人どうしでの旅行など、5人以上の乗車が必要な場合は、軽自動車では対応できません。
5人以上が乗車する可能性がある場合は、普通車を選ぶことになります。
軽自動車は車体がコンパクトなので、車内空間も狭いです。特に、荷物が多いときや長時間のドライブでは、快適さが損なわれる可能性が高いでしょう。
ただし、軽自動車にはスライドドアを採用したミニバンなど、普通車のコンパクトカーより広い車内空間が確保されているモデルもあります。
車内空間を気にする場合は、ミニバンやワゴンのような車体サイズが大きめの軽自動車がおすすめです。
軽自動車はもともと維持費が安いですが、さらに節約するための工夫がいくつかあります。
ここでは、軽自動車の維持費を節約する具体的な方法として、以下の6つを紹介します。
安い駐車場を契約することで、毎月かかる駐車場代を節約できます。
駅から遠かったり、前面道路が狭かったりする駐車場は安い傾向にありますが、どんなに安くても、自宅から遠すぎるのは不便なのでおすすめしません。駐車スペースの広さやアクセスの良さを考慮しながら、できる限り安い駐車場を探すとよいでしょう。
駐車場代は、都心部では月額2万~5万円、地方では月額5,000円~1万円程度と地域によっても異なります。
引っ越しを検討している場合は、住む場所を選ぶ際に駐車場代も考慮することで、生活全体のコストを抑えられます。
ガソリン代をなるべく安く、お得に済ませることでも維持費を節約できます。
ネットで近隣ガソリンスタンドのリッター価格を調べることができるので、比較して安いところで給油するとよいでしょう。
また、アプリで配布されている割引クーポンを活用したり、クレジットカード払いにしてポイントを貯めたりするのもおすすめです。
ガソリン代を節約する方法について知りたい人は、『ガソリンを安く入れるコツは?ガソリン代の節約方法を解説』も参考にしてください。
エコドライブを心がけることで、無駄なガソリンを消費しなくなるので燃費が向上する可能性があります。
エコドライブとは、ガソリンの消費量や二酸化炭素(CO2)の排出を減らし、地球温暖化防止に貢献する運転技術や心がけを指します。
エコドライブは安全運転にもつながります。環境省が推奨している以下の項目を日々心がけて運転してみてください。
日々マメにメンテナンスを行うことで、故障が減り修理費などが安く済み、結果的に維持費を節約できます。
軽自動車の方が普通車よりも小さい分、パーツ代が安い傾向にあります。例えば、エンジンオイルの交換相場は普通車が5,000円なのに対して、軽自動車が3,000円、バッテリー交換に関しては普通車が1万円以上になる場合もあるのに対して、軽自動車は2,000円です。
軽自動車の主要な部品交換の相場や頻度は、下表の通りです。時期を見つつメンテナンスを怠らないようにしましょう。
部品 | 費用相場 | 交換頻度 |
---|---|---|
エンジンオイル | 3,000円 | 3ヵ月~6ヶ月 |
ラジエータ液 | 2,000円 | 2年 |
バッテリー | 2,000円 | 2~3年 |
タイヤ | 5,000~2万円 | 5年 |
また、自分でできることはディーラーや専門店に頼まずに自力でやるようにすると費用が浮かせられます。例えば洗車の相場は1,000~3,000円ですが、自分で洗車することで数百円程度にまで抑えられるでしょう。
車検の依頼先を見直すことで、数年に一度かかる維持費を節約できます。
カーディーラーでの車検は厚いサービスが受けられる反面、費用が高い傾向があります。節約するなら、格安の車検専門店などがおすすめです。
店舗ごとの車検相場や特徴について下表にまとめます。
店舗種類 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
カーディーラー | 7万円~ | ・純正部品に交換 ・安全性が高く綿密に検査 |
車検専門店 | 5万円~ | ・安くて早い ・技術面も安心 |
整備工場 | 6万円~ | 指定工場なら整備から車検まで完結 |
ガソリンスタンド | 4万円~ | ・時間がかかる ・サービスにムラがある |
任意保険のプランや補償内容を見直すことで保険料を抑えることができます。
補償内容が過剰になっている場合や、不要な特約が付いていると保険料が高くなります。補償内容を見直して、不要な条件をなくすことで保険料は安くなります。
また中古車を使っていたり、車を運転する機会が少なかったりする場合は、車両保険を外すことを検討してみてもよいでしょう。車両保険を外すことで、年間の保険料が1万~3万円安くなります。
任意保険は、一度契約するとそのまま更新しがちですが、定期的に見直すことが大切です。例えば、家族の誰かが新たに免許を取得したり、逆に運転する人が減ったりした場合は、補償範囲を調整した方よいでしょう。
保険プランの見直しを検討している人は、自動車保険の一括見積サイト「保険スクエアbang! 自動車保険」を利用して、自分にあった最も安い自動車保険を見つけてください。
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軽自動車は、税金や保険料、燃費の面で、普通車に比べて大幅に維持費が安く抑えられることがメリットです。
また、保険のプラン見直しをしたり、定期的に車のメンテナンスを行ったりすることで、ただでさえ安い維持費をさらに節約できます。
任意保険の見直しを定期的に行っていない方は、無駄な保険料を払ってしまっている可能性があります。自分が加入している保険プランをいま一度確認して、必要のない保障が付いていないかを確認してみましょう。
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