車を購入する際、現金一括で支払う方法と、ローンを利用する方法があります。「現金一括とローンのどっちがお得?」「車を一括払いで購入する人の割合は?」「自分にはどちらの支払い方法が向いている?」と悩む人もいるのではないでしょうか。
「車は現金で買うな」という意見もあります。
この記事では、車を現金一括で購入する場合と、ローンを組む場合について比較します。
- 車を現金一括で購入するメリット・デメリット
- 車をローンで購入するメリット・デメリット
- 車の支払方法を決めるポイント
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
車を購入する際、現金一括で支払う方法と、ローンを利用する方法があります。「現金一括とローンのどっちがお得?」「車を一括払いで購入する人の割合は?」「自分にはどちらの支払い方法が向いている?」と悩む人もいるのではないでしょうか。
「車は現金で買うな」という意見もあります。
この記事では、車を現金一括で購入する場合と、ローンを組む場合について比較します。
日本トレンドリサーチの調査によると、車は現金一括で買う人の割合が74.0%と一番多く、次いで自動車ローンが19.1%であることがわかりました。
同調査では、現金で支払った理由として、以下の点を挙げています。
人それぞれ適した支払い方法は異なります。メリット・デメリットをしっかりと見極め、自分に合った方法を選択しましょう。
「車は現金で買うな」といわれることがありますが、以下の理由が考えられます。
これらは現金一括で購入するデメリットといえるでしょう。
車の代金を現金一括で支払うと、預貯金が一気に減ります。手元に残るお金が少なくなるため、急な医療費や教育費、介護費用などに備えられない可能性もあります。
場合によっては数百万円単位のお金が一度に減るため、その後の家計管理が難しくなるかもしれません。
現金一括で購入する際には、イレギュラーな出費にも備えられるか、直近で必要になりそうなお金はあるか、家族とも話し合い、慎重に検討することをおすすめします。
現金一括だと、車種やグレードを妥協するケースも出てくるかもしれません。手持ち資金によっては、「レザーシートにできない」「好きなカラーが有料なので諦めるしかない」といった可能性があります。
オプションによっては後付けできないものもあります。購入する車を自分好みにできず、すぐに別の車が欲しくなってしまうかもしれません。
ディーラーオプションとは、サイドバイザーやフロアマットなど、車の納車前にディーラーの工場で取り付けるオプションのことです。
ローンを利用して車を買うと、これらのディーラーオプションを無料で付けてもらえたり、割引してもらえたりするケースがありますが、一括払いではそれらオプションに関する値引きが難しいのが実情です。
一方で、車を現金一括で購入するメリットは、以下の3つです。
現金一括だと、支払うのは車の本体価格のみとなるため、ローンよりも支払総額が安くなります。
ローンには利息がかかり、利息分多く支払わなければなりません。車本体は数百万円と高額で、その分利息の額も高くなります。金利は銀行・ディーラーなどによって異なりますが、およそ1~5%です。
車を一括購入すると、車の所有権はすぐに購入者本人になります。ローンでは完済しないと所有権が自分に移転しません(銀行ローンを除く)。
車の所有権を持つことで、所有権者(購入した人)は自由に売却したり廃車にしたりすることができます。別の車を購入したいときや、他人に貸し出したいときなど、柔軟に対応できます。
現金一括払いでは、契約時にすべての代金を支払います。そのため毎月の支払いのストレスが減ります。
「おトクにマイカー 定額カルモくん」の調査によると、ローンの返済額は毎月2万~3万円、返済期間は5年が一番多いことがわかりました。
人によっては、毎月2万~3万円の支払いが5年間続くことは相当な負担になるでしょうが、現金一括購入をすればその心配はありません。
マイカーをローンで購入するメリットは、以下の通りです。
マイカーローンを組むと、購入時にまとまった資金がなくても車を持つことができます。会社員になって間もない人や、貯金が少ない人でも、審査に通れば利用できます。
最近では、頭金0円で受け付けているローンもあります。
貯金額が大きく減らない点もローンの魅力です。毎月の返済は必要なものの、返済スケジュールが決まっているため家計の計画を立てやすいでしょう。
銀行ローンに限り、車の所有権は購入時に自分に移ります。銀行は自動車を担保としないためです。
所有権があることで、自由に売却や廃車ができます。銀行系以外でも売却などはできますが、完済などの手続きが必要です。また所有権がないことで、マンションやアパートの駐車場を契約できないケースもあります。
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ローンを利用する際には、以下の点に注意が必要です。
ローンを組むことで利息が加わるため、支払総額が増えます。
例えば500万円の車を購入し、金利3%、返済期間5年とする場合、現金一括と比較すると、支払総額は39万580円増加します。
購入方法 | 現金一括 | ローン(3%) |
---|---|---|
本体価格 | 500万円 | 500万円 |
利息 | なし | 39万580円 |
支払総額 | 500万円 | 539万580円 |
ディーラーローンを組むと、車検証に記載される所有者は「販売店やディーラー」になり、購入者はあくまで「使用者」となります。信販会社や販売店が購入者の代わりにお金を立て替えているためです。
自分のものにならないため、売却や廃車の際には所定の手続きが必要です。そして完済したら購入者が所有者となります。万が一事故を起こし廃車になる際には、残りのローンを一括で支払わなければなりません。
車のローンと同時に住宅ローンを利用する場合には、借りられるお金が減る可能性があります。
マイカーローンに限らず、ローンを申し込むと「返済比率」をチェックされます。返済比率とは年収に占める年間のローン返済額の割合のことです。借入しているすべてのローンが年間でいくらあり、年収の何%になるかチェックされます。
例えば住宅ローンの「フラット35」では、以下の返済比率(返済負担率)を設けています。
年収別の返済額は、下表の通りです。
年収 | 年間の返済額 | 月々の返済額 |
---|---|---|
300万円 | 90万円 | 7万5000円 |
400万円 | 140万円 | 11万7000円 |
500万円 | 175万円 | 14万6000円 |
600万円 | 210万円 | 17万5000円 |
仮に年収600万円の人が住宅ローンで月10万円返済していれば、ほかのローンでは7万円使えることになります。
ローンの返済期間中に車を手放したくなった際には、残りのローンを一括返済しなければなりません(銀行系ローンを除く)。ディーラーローンでは車の所有権が購入時に購入者に移転せず、ローン完済後に移転されるためです。
万が一売却しなければならないことに備えて、売却時の手続きの流れやかかる時間などを担当者に質問しておくことをおすすめします。契約書でわからないことがあれば、明確にしておきましょう。
最後に、現金一括とローンが向いている人を解説します。
車の現金一括が向いている人は、以下の通りです。
現金一括で購入する最大の魅力は、利息がかからないことです。借金をしていることが嫌な人や、少しでも節約したい人に適しています。
また、車を自由に乗り回したい人にも向いています。
マイカーローンが向いている人は、以下の通りです。
マイカーローンのメリットは毎月少しずつ支払いながらも、車に乗れることです。数百万円のお金をすぐに用意できない人や経済的に余裕がない人におすすめです。
車買うならマイカーローンはどこがいい?
「車は現金で買うな」といわれることがあります。ローンには現金がなくても車を購入でき、毎月少しずつ返済していけるメリットがあります。一方で、現金一括は利息がかからないため、ローンよりも支払総額が少なくなります。
家計の状況や、自分の性格に、どちらが合っているのかを比較してみてください。車は大きな買い物なので、家族とも話し合い、支払い方法を慎重に検討しましょう。
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