住宅ローンを契約するときに加入する団体信用生命保険には、3大疾病や7大疾病、8大疾病保障特約付きのものがありますが、これらの特約を付けるべきかどうか迷う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、疾病保障特約付きの団体信用生命保険はどのような特徴があるのか解説し、疾病特約付きにするべきかどうか判断に迷った際のポイントを紹介します。
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
住宅ローンを契約するときに加入する団体信用生命保険には、3大疾病や7大疾病、8大疾病保障特約付きのものがありますが、これらの特約を付けるべきかどうか迷う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、疾病保障特約付きの団体信用生命保険はどのような特徴があるのか解説し、疾病特約付きにするべきかどうか判断に迷った際のポイントを紹介します。
住宅ローンを契約するとき、あるいは借り換えをするときに通常、団体信用生命保険(団信)の加入を求められます。
団信とは、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害状態になったときに、住宅ローンの残債がゼロになる保険です。生命保険会社が住宅ローンの残債に相当する保険金を金融機関に支払い、返済を肩代わりしてくれます。ローンの契約者に万が一のことが起きた場合、残された家族に返済負担が残らないので安心です。
金融機関で住宅ローンを組むときは、原則として団信の加入が必須条件です。団信の保険料は住宅ローンの金利に含まれるため、別途保険料を支払う必要はありません。
金融機関によっては、3大疾病、7大疾病、8大疾病を保障する特約付きの団信を扱っているところがあります。それぞれの対象となる病気は以下の通りです。
特約を付けていると、所定の病気と診断され、1年以上働けない状態が継続したときにローンの残債に相当する保険金が支払われます。
住宅ローンの団信に疾病特約を付けるべきかどうか判断する際、検討したいポイントは次の2つです。
団信の保険料は、住宅ローンの金利に上乗せされるケースが一般的です。団信に疾病特約を付けると、特約なしの場合に比べて上乗せされる金利が高くなります。疾病特約を付けるかどうか決める際には、金利の上乗せにより家計が圧迫されないかどうか確認しましょう。
なお、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」では、「新3大疾病付機構団信」にすると、通常の借入金利に0.24%上乗せされます。
厚生労働省が2020年に実施した患者調査によると、3大疾病および、7大・8大疾病の患者数は下表の通りです。
疾病 | 人数 | |
---|---|---|
3大疾病 | 悪性新生物(がん) | 366万人 |
脳卒中 | 146万人 | |
急性心筋梗塞 | 7万人 | |
7大・8大疾病 | 高血圧症 | 1503万人 |
糖尿病 | 578万人 | |
慢性腎臓病 | 62万人 | |
肝硬変 | 10万人 | |
慢性膵炎 | 5万人 |
いまは2人に1人ががんにかかるといわれていますが、がんよりも患者数が多いのが、高血圧症と糖尿病です。これらは生活習慣病で、偏った食生活や運動不足など日頃の生活習慣が乱れることで起こります。
また、脳卒中の患者数も146万人と多いです。脳卒中や急性心筋梗塞は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が引き金になるといわれています。
自分の生活習慣を振り返り、病気のリスクがありそうなら、疾病特約を考えてもよいかもしれません。
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3大疾病や、7大・8大疾病特約を付けた方がいい人は、次の通りです。
糖尿病や心筋梗塞、脳卒中、高血圧、がんなどは、生活習慣などのほか遺伝的要素が影響して発症する場合があるといわれています。
家族の中に、3大疾病や、7大・8大疾病に該当する病気にかかった人がいるときは、同じような病気にかかる可能性があります。もしものときに備えて、住宅ローンの団信に疾病特約を付けるのも1つの選択肢です。
家族の病歴で不安なことがあるとき、また自分だけでは判断できないときは、医師に相談しましょう。
生活習慣病は、食事や運動、睡眠、飲酒、喫煙などが原因で発症する病気です。生活習慣の乱れは健康に悪影響を与え、生活習慣病が発症するリスクが大きくなります。
生活習慣病になると、治療にお金がかかります。早期発見・早期治療ができればよいですが、症状が進んだ状態で治療を始めると治療期間が長くなり、医療費の負担が増えます。
自分の生活習慣を振り返り、以下のような点が気になる人は疾病特約を検討するとよいでしょう。
日頃から万が一のときに備えた貯蓄ができており、医療保険やがん保険に加入して病気のリスクに備えているのであれば、病気になったとしても治療費の負担は問題ないでしょう。
しかし、家計管理が苦手で、万が一の備えができていないのなら、疾病特約を付けるのも1つの方法です。
団信は、誰もが加入できるわけではありません。通常の生命保険と同じく、加入時に審査を受けます。また、団信の疾病特約の内容について、正しく理解しておく必要があります。
団信の疾病特約に関する注意点は、次の通りです。
団信は生命保険などと同じく、加入時に健康状態の告知をしなければなりません。健康状態に問題があったり、持病があったりすると、団信に加入できないことがあります。
また、金融機関で住宅ローンを組む際は、団信の加入が必須条件です。つまり、持病などで団信に加入できなければ、住宅ローンを組むことができなくなります。
持病があって団信に加入できないときは、加入条件が甘い「ワイド団信」を検討してもよいでしょう。ワイド団信は、持病がある人、病気の治療中の人でも加入しやすい団体信用生命保険です。ただし、ワイド団信でも加入には審査があり、必ず加入できるわけではありません。
団信の疾病特約は、医師から所定の病気と診断され、所定の状態が継続したときに住宅ローンの残債がゼロになる保障です。ただし、医療保険やがん保険とは異なり、病気による入院費用や手術費用が保障されるわけではありません。あくまでも住宅ローンの残債が対象となる特約なので注意が必要です。
病気の治療で入院費用や手術費用の負担があったときは、公的医療保険制度を活用しましょう。健康保険や国民健康保険などの対象となる治療費が高額になったときは、高額療養費制度が利用できます。
団信の加入には年齢制限があります。一般の団信では、年齢制限は70歳未満や65歳以下と設定されているところが多いですが、疾病特約付き団信の場合は50歳未満となっています。
住宅ローンを組むタイミングが50歳を過ぎる場合は、特約なしの団信を選び、医療保険やがん保険などで治療費の保障を得られるようにしましょう。
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住宅ローンを契約する際に加入する団体信用生命保険(団信)には、がん、脳卒中、急性心筋梗塞の3大疾病保障特約と、生活習慣病も含む7大・8大疾病保障特約が付いているものがあります。いずれも医師から対象の病気と診断され、所定の状態が続いたときに、住宅ローンの残債がゼロになる特約です。
上乗せされる金利の負担は問題ないか、自分が生活習慣病にかかるリスクがあるかどうかよく検討し、必要性を感じたら疾病特約付きの団信を選ぶとよいでしょう。
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