奨学金を繰り上げ返済するメリット・デメリット|繰り上げ返済のやり方を紹介

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

奨学金の返済は、長期間にわたるケースが一般的です。「出産や子育て時にお金がかかるのに、奨学金の返済が負担になる」「家の購入などライフイベント時に負担になる」と不安を感じる人もいるでしょう。

奨学金は、支払いに余裕があるなら、繰り上げ返済を利用することで返済期間を短縮できます。

この記事では、奨学金の繰り上げ返済について解説します。

この記事でわかること
  • 繰り上げ返済のメリット・デメリット
  • 繰り上げ返済すべきかどうかの判断基準
  • 繰り上げ返済の手順

奨学金の繰り上げ返済とは

奨学金の繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別にまとまった金額を返済することです。

繰り上げ返済には「期間短縮型」「返済額削減型」の2種類があります。

期間短縮型の場合、返済した額に応じて返済期間が短縮されます。繰り上げ返済以降も毎月の返済額は変わりません。

返済額削減型では、返済した額の分だけその後の返済額を削減できます。返済期間はそのままです。

繰り上げ返済の返済額は元本の返済に充てられることから、期間短縮型を選ぶ方が最終的な返済額は少なくなります。

繰り上げ返済のメリット

奨学金の繰り上げ返済を行うメリットは、以下の通りです。

  • 利息負担を軽減できる(第二種の場合)
  • 支払い期間を短縮できる
  • 機関保証の保証金が返金される
  • 手数料がかからない

利息負担を軽減できる(第二種の場合)

繰り上げ返済した分は元本の返済に充てられます。繰り上げ返済後の元本をもとに利息負担額が計算されるため、最終的な利息負担が減ることになります。

例えば、500万円を年利1%の利息で10年間かけて返済する場合、毎月の返済額は4万3802円、最終的な返済総額は525万6182円です。返済開始から2年後に100万円の繰り上げ返済を行った場合、最終的な返済総額は518万3516円となり、7万2666円の利息負担を削減できることになります。

なお、利息がかかるのは第二種奨学金で、第一種奨学金の場合は無利息です。

支払い期間を短縮できる

繰り上げ返済を行うと、返済期間の短縮も期待できます。

前述したケースだと、返済開始から2年後に100万円の繰り上げ返済を行い、その後の返済金額も変わらない場合、2年(24回)の返済期間が短縮されます。

第一種の場合は無利息なので計算は簡単です。繰り上げ返済した金額の分だけ支払期間が短くなります。

例えば、100万円を借り、毎月2万円ずつ返済すると、返済完了まで4年2ヵ月(50回)かかります。しかし、返済開始から1年後に30万円繰り上げ返済することで1年3ヵ月(15回分)返済期間が短縮され、最終的に2年9ヵ月で完済できることになります。

機関保証の保証料が返金される

奨学金を利用する際には、保証制度として「人的保証」もしくは「機関保証」のどちらかを選ばなければなりません。

機関保証を選んで返還できなくなった際には、保証機関である「機関保証センター」が代わりに返済し、その後は機関保証センターに対して返済することになります。

機関保証を利用する場合は、貸与月額や貸与期間、および返済期間などをもとに算出された保証料を払わなければなりません。毎月の貸与額から保証料が引かれて口座に振り込まれる仕組みです。

繰り上げ返済をすることで返済期間が短縮された場合には、保証料の7割が返還されます。ただし、納めた保証料が少額の場合や、途中で延滞などがあった場合には返還されない可能性もあります。

手数料がかからない

一般的にローンの繰り上げ返済では、手数料がかかるケースがあります。手数料の金額によっては、繰り上げ返済を行ってもそれほど負担を軽減できない可能性もあります。

一方で、奨学金の繰り上げ返済に関しては手数料がかからないのはメリットといえるでしょう。

繰り上げ返済のデメリット

繰り上げ返済を行うデメリットは、以下の通りです。

  • 繰り上げ返済後支払いを休めるわけではない
  • 手持ちのお金が一時的に減る

繰り上げ返済後支払いを休めるわけではない

繰り上げ返済により返済期間を短縮できますが、翌月からは通常通りの返済を行わなければならない点に注意してください。

例えば、繰り上げ返済を行うことで1年間の返済期間短縮効果が得られたとしても、翌月から1年間返済しなくてもよいというわけではありません。

手持ちのお金が一時的に減る

繰り上げ返済は、返済額が多いほど利息負担削減効果が大きくなり、かつ返済期間も短縮することが可能です。とはいえ、繰り上げ返済をすることで、一時的に手持ち資金が減ることになります。

繰り上げ返済を行ったあと、急な支出が発生することも考えられます。そのため、繰り上げ返済を行う際には、緊急資金として毎月の生活費の最低3ヵ月分は残しておき、それ以外の金額を返済に充てるようにしましょう。

奨学金の繰り上げ返済の手順

奨学金の繰り上げ返済の手順は、以下の通りです。

  1. 繰り上げを希望する金額もしくは繰り上げ期間を決める
  2. 「繰上返還申込書」によって繰り上げ返済を申し込む(インターネットもしくは郵送)
  3. 申し込み時に申請した繰り上げ返済希望月の中旬頃に「繰上返還通知」が送付される
  4. 口座振替によって返還を行う

申し込み方法によって、申し込み開始日が異なります。インターネットから申し込む場合は繰り上げ返済を希望する月の約1ヵ月前から、郵送の場合は4ヵ月前から受け付けています。

繰り上げ返済すべきか迷ったらFPに相談

繰り上げ返済をするべきか、また繰り上げ返済するにあたってそのタイミングをいつにするか迷った際には、ファイナンシャルプランナー(FP)へ相談するのもおすすめです。

お金の専門家であるFPなら、繰り上げ返済を行うべきかどうか、行うのならいつ、どのぐらいの金額にすればいいのかなどを教えてくれるでしょう。家計の収支状況にあわせて適切なアドバイスをしてくれるのが魅力です。

FPへの相談には有料のものと無料のものがあります。無料でのFP相談なら、こちらから申し込むことが可能です。

まとめ

奨学金の繰り上げ返済を行うと、利息負担や返済総額の削減が可能です。預貯金に余裕がある場合や、臨時収入が入った場合などは、繰り上げ返済を検討してみるとよいでしょう。

繰り上げ返済を行うことで、どの程度の負担軽減効果があるかは状況によります。手持ちのお金が一時的に減るため、無理に繰り上げ返済するのは得策ではありません。

繰り上げ返済について悩んだ場合は、お金の専門家であるFPへの相談もおすすめです。

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