学資保険で元本割れするのはなぜ?|返戻率を上げるためのポイントを紹介!

執筆者:マネーFIX 編集部

「学資保険は、元本割れする可能性があるから不安」と感じている人はいませんか?

確かに保険会社によっては、元本割れする学資保険もありますが、契約内容によっては、払った保険料よりも受け取る金額の方が多くなる学資保険もあります。

本記事では、元本割れしにくい学資保険の選び方、学資保険の見直しのポイントなどについて解説します。

これから学資保険に加入したい人、すでに加入している人は、ぜひ参考にしてください。

学資保険の元本割れ

「学資保険の元本割れ」とは、払い込んだ保険料(元本)よりも、受け取るお金の方が少ない状態のことです。

例えば、子どもが生まれてすぐに月額約1万1550円の学資保険に加入して18年間保険料を支払い、総額240万円が受け取れる契約内容だったとします。

この場合、18年間で支払った保険料は「1万1500円×12カ月×18年=248.4万円」、それに対して受け取る金額は、総額240万円であるため、元本割れをしていることとなります。

なお、払い込んだ保険料に対して、どれくらいのお金が戻ってくるかを表す数値を「返戻率(へんれいりつ)」といいます。

上記の例で返戻率を計算すると、「(240万円÷248.4万円)×100=約96.6%」、つまり返戻率は、96.6%です。

返戻率100%未満は、元本割れを意味します。

学資保険が元本割れする原因

学資保険が元本割れする理由には、次が挙げられます。

学資保険が元本割れする理由
  • マイナス金利の影響
  • 保障型の学資保険であるため
  • 加入するときの年齢や性別
  • 途中解約

以下、それぞれについて、詳しく解説します。

マイナス金利の影響

「マイナス金利」とは、民間の銀行が日銀(日本銀行)に預ける一部の預金の金利をマイナスにすることです。

マイナス金利の下では、民間の銀行が日銀にお金を預けると、一部の預金について金利を支払うこととなります。

マイナス金利は、学資保険を含めた貯蓄の返戻率に大きな影響を与えました。

マイナス金利はなぜ導入された?

マイナス金利は、2016年にデフレ(物価が継続的に下落する状態)を脱却するための経済対策として導入されました。

マイナス金利を導入すると、民間の銀行は日銀に預けて金利を支払うよりも、積極的に企業や個人に融資した方が利益になります。

当時の日銀は、マイナス金利によって民間の銀行に積極的な融資を促すことで、経済を活性化させ、デフレを脱却しようとしたのです。

マイナス金利によって保険会社の収益が悪化

マイナス金利になると、お金を借りる側にとっては金利が下がるため、メリットとなるものの、債券などを運用して利息収入を得ている人にとっては、デメリットとなります。

保険会社は、契約者から預かっている保険料の一部を、債券などに投資して運用しています。

そのため、マイナス金利によって運用益が悪化してしまいました。

保険会社は「予定利率」といって、事前にどれくらいの運用利回りで運用できるかを予想し、保険料に反映させています。

つまり、保険料は保険会社が見込んだ予定利率が高くなれば下がり、予定利率が低くなれば上がります。

マイナス金利によって運用益が悪化した保険会社は、予定利率を下げざるを得なくなり、これに伴って保険料が高くなります。

その結果、返戻率は悪化し、元本割れする学資保険も出始めました。

マイナス金利の影響は大きく、一部の商品は販売停止に追い込まれたほどです。

保障型の学資保険であるため

学資保険は、本来の貯蓄機能を重視しているタイプと、保険料払込期間中に万が一のことがあった場合の保障を充実させているタイプがあります。

保障を充実させている学資保険の場合は、保障のあるぶんだけ保険料が上乗せされているため、多くの場合、元本割れします。

学資保険に付帯している保障には、子どもが手術や入院をしたときの医療費を保障する医療保険や、保険契約者(通常は親)に万が一のことがあった場合に年金が受け取れる育英年金などがあります。

子どもの教育資金の準備だけでなく、保険料払込期間中の万が一のリスクに備えたい人は、保障のあるタイプを選ぶと良いでしょう。

加入するときの年齢や性別

学資保険の場合は、加入時の子どもや親の年齢、性別によって保険料が変わるため、元本割れする可能性があります。

途中解約

学資保険を途中解約すると、受け取ることができる解約返戻金が、払い込んだ保険料の総額よりも少なくなる可能性が高いです。

特に、契約してから解約するまでの期間が短い場合には、多くの場合元本割れしてしまうので注意が必要です。

元本割れしにくい学資保険の選び方

返戻率は、加入時の年齢や子どもの年齢、性別で異なるため、一切元本割れしないという商品はありません。

ただし、元本割れしにくくする方法はあります。

元本割れしにくい学資保険の選び方のポイント
  • 返戻率を確認する
  • 契約内容を確認する
  • できるだけ早い時期に加入する

返戻率を確認する

学資保険は、自分や子どもの年齢で加入した場合の返戻率を確認し、100%を超えているものを選びましょう

返戻率が100%を超えているものとは、払い込んだ保険料よりも、受け取った金額の方が上回る状態のことです。

例えば、保険料が月額約1万3400円を18年間払い続けて、受取総額300万円の学資保険に加入した場合、払い込んだ保険料の総額は「1万3400円×12カ月×18年=約289万円」、「(受取総額300万円÷289万円)×100=返戻率は約103.8%」となります。

つまり、この学資保険は、返戻率100%を超えていることになります。

ただし、保険会社によっては、保障を付けていないものでも返戻率100%未満のものがあるため、確認が必要です。

契約内容を確認する

学資保険の返戻率によっては、満期を迎えて受け取れる金額が同じだったとしても、毎月の支払額が異なることもあります。

また、保障付きの学資保険に加入した場合や、学資保険に特約を付加した場合は、元本割れする可能性が高くなります。

返戻率重視か、保障重視か、学資保険の契約内容が自分のニーズに合っているかを確認しましょう。

できるだけ早い時期に加入する

学資保険の返戻率は、契約者や被保険者が若くて加入期間が長いほど、返戻率が高く設定される仕組みとなっています。

これは、加入期間が長いほど、保険会社は預かった保険料を運用できる期間が長くなるため、運用益を出しやすくなるからです。

保険商品によっては、子どもが生まれる前から加入できるタイプもあります。

返戻率を上げるためにできること

すでに加入している学資保険の返戻率が低いときは、解約するよりも以下のような対策を検討してみましょう。

学資保険は、途中解約すると元本割れとなり、保険料が無駄になる可能性があるため、注意が必要です。

返戻率を上げるためのポイント
  • 特約などは外す
  • 払い込み方法を変更する
  • 払込期間を短縮する
  • 祝い金を据え置きにする

特約などを外す

学資保険に特約が付いていると、毎月の保険料に特約の保険料も含まれているため、返戻率は下がります。

不要な特約を外せば、その分の保険料が下がるため、返戻率を高くすることができます。

払い込み方法を変更する

学資保険を含めた生命保険の保険料は、月払いよりも半年払いや年払いの方が割安になります。

払い込み方法を変更したとしても、満期時に受け取れる金額が変わるというわけではありません。

しかし、払い込んだ保険料が少なくなるぶん、結果的には半年払いや年払いの方が返戻率は高くなります。

払込期間を短縮する

払込期間を短縮すると、保険会社は、多くの運用原資を早い段階で確保できます。

手元にある運用原資が多ければ多いほど、保険会社が得られる運用益も大きくなるため、返戻率が高くなります。

祝い金を据え置きにする

学資保険の中には、満期時に受け取れる満期金のほか、小学校や中学校の入学時に一時金として祝い金が受け取れるタイプもあります。

しかし、祝い金を受け取らず、据え置きにすることも可能です。

据え置きにすれば、保険会社は運用が継続できるため、結果として返戻率が高くなります。

祝い金をすぐに受け取る必要性がない場合は、据え置きも検討しましょう。

まとめ

学資保険は、払った保険料よりも、受け取るお金の総額の方が上回るため、教育資金を準備する方法として有効です。

しかし、契約者や子どもの年齢、性別、保障内容によっては、元本割れする可能性があります。

元本割れしにくいものを選んだり、内容を見直したりすることで、学資保険で教育費を効率的に準備しましょう。

また、学資保険の元本割れが心配な人、返戻率と保障のどちらを優先すれば良いのか分からない人は、保険会社やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

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