時短勤務で給料は25%以上減る?計算方法と家計見直しのポイント

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

時短勤務をすると、給料が25%以上減る可能性があります。子育てや介護を理由にフルタイムで働くのが難しい人なら、時短勤務により給料が実際にどのくらい減るのか知りたいのではないでしょうか。

この記事では、時短勤務時の給料の計算方法を解説します。収入が減少した場合の、家計の見直し方法も紹介するので、参考にしてみてください。

時短勤務で給料はどう扱われる?

時短勤務(短時間勤務制度)とは、所定の労働時間よりも短く働くことです。育児・介護休業法により、事業者に短時間勤務制度の導入が義務づけられています。

時短勤務時の労働時間は原則6時間となります。「1日の労働時間を所定労働時間よりも短くして働く」以外にも、「特定の曜日のみに勤務し月の所定労働時間を短縮する」など、取得方法はさまざまです。

育児による時短勤務の条件は、以下の通りです。

  • 3歳未満の子どもを育てる男女従業員
  • 1日の所定労働時間が6時間以下ではない
  • 日雇い労働者ではない

また、介護による時短勤務の対象者は以下の通りです。

  • 要介護状態の家族を介護している男女従業員
  • 日雇い労働者ではない

賃金はノーワーク・ノーペイの原則は基本

賃金の支払いにおいては、「ノーワーク・ノーペイ」の原則が採用されます。ノーワーク・ノーペイとは、「働いていなければ賃金は発生しない」という考えです。時短勤務時にも採用されるため、一般的に労働時間が短くなると給料が減額されます。

ただし、時短勤務をしたからといって不必要に賃金を減額することは、育児・介護休業法で禁止されています。次章を参考に労働時間の減少分よりも明らかに給料が下がっている場合は、速やかに会社に確認してみましょう。

なお、裁量労働制や歩合制であれば、時短勤務をしても給料が変わらない可能性もあります。

不利益取扱の禁止も厳守する必要がある

「不利益取扱の禁止」とは、育児や介護で時短勤務をした従業員に対して、不当な扱いを禁止することです。具体的には、以下のような扱いが禁止されています。

  • 給料やボーナスを不当に減らす
  • 正当な理由なく解雇する
  • 雇用形態を勝手に変更する
  • 時間外労働や深夜労働を強要する
  • 降格させる
  • 昇進や昇格の人事考課で不利益な評価をする

産後に正社員から契約社員になっていたなど、万が一不利益な扱いをされた際には、まずは各都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」に相談しましょう。

時短勤務時の給与の計算方法

一般的に、時短勤務をすることで給料が安くなります。「不当に給与を減らされていないか」「家計にどう影響するか」を確認するために、時短勤務時の給与の計算方法を理解することが大切です。

ここでは具体例を挙げながら、給料の減少について解説します。

基本給は労働時間の減少と比例する

ノーワーク・ノーペイの原則が採用されるため、一般的に基本給は労働時間が減少した分だけ減ります。所定労働時間が8時間で時短勤務により6時間に短縮した場合には、基本給は75%になります。

時短勤務時の基本給は、「基本給×実際に働いた時間/所定労働時間」で算出します。例えば、所定労働時間が8時間で基本給が20万円のケースでは、時短勤務で6時間働く場合の給料は「20万円×6時間/8時間=15万円」となります。

なお、収入から差し引かれる社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は前年の4~6月の給料を基準に決定されます。そのため、時短勤務で給料が減っているのに、差し引かれる社会保険料は変わらない状態になります。

時間外や深夜割り増しは時短勤務でも適用する

時短勤務時でも、時間外労働や深夜勤務は可能です。

時間外労働とは、原則として1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて勤務すること。深夜勤務とは、原則として22時~翌朝5時の時間帯に勤務することです。割増賃金率は25%以上となります。

時短勤務だと「6時間が労働時間だから、6時間以上だと賃金がアップする」と考える人もいるかもしれませんが、時間外労働は法定労働時間を超えなければ適用されません。時短勤務時に7時間働いても割増賃金はないので、注意してください。

時短勤務をする時は家計の見直しが必須

前述したように、時短勤務により給料が25%減少する可能性があります。時短勤務の期間が長くなるほど収入に大きく影響するため、家計を見直す必要もあるでしょう。

家計を見直すポイントは、以下の2つです。

  • 変動費よりも固定費の見直しを優先する
  • 家計簿をつけて収支を把握する

変動費よりも固定費の見直しを優先する

家計の見直しでは、変動費よりも固定費を優先するのがおすすめです。固定費は毎月かかるお金のため、削ることで支出を継続的に減らすことができます。

固定費と変動費の例は、以下の通りです。

固定費
  • 住居費
  • 水道・光熱費
  • 通信費
  • 保険料
  • 教育費
  • サブスクリプション
変動費
  • 食費
  • 医療費
  • 美容費
  • 交際費
  • 衣服費
  • 日用品費

固定費を節約するアイディアは、以下の通りです。

  • 電力やガスの契約プランを見直す
  • 格安スマホに乗り換える
  • 生命保険の保障内容が重複していないか確認する
  • 家賃の減額交渉をする
  • あまり使わないサブスクリプションを解約する
  • 自動車保険の変更を検討する

固定費を節約するためのアイデアをもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。より具体的な節約方法が紹介されています。

家計簿をつけて収支を把握する

家計管理を行うためには、家計簿をつけ、収支を把握することが大切です。「コンビニでお菓子を買う」「ペットボトルのお茶を買う」など、自分のクセがわかれば、「お菓子はスーパーなどで安いものを買う」「外出時にはマイボトルを持参する」など、やるべき行動が明確になります。

ノートに家計簿をつけるのが面倒な人には、家計簿アプリがおすすめです。家計簿をつける際には、項目を細分化しすぎると煩雑になるため、大まかに分類するとよいでしょう。

FPに相談する

FP(ファイナンシャルプランナー)に家計の見直し方法を相談するのもおすすめです。お金の専門家であるFPならば、収入や子どもの人数など、相談者の状況に合わせて適切なアドバイスをしてくれます。

FPに相談できる内容の例は、以下の通りです。

  • 必要な保障を踏まえた生命保険の見直し
  • 将来の教育費も見据えた家計の見直し
  • 時短勤務が長引くことも踏まえた家計の見直し

無料でのFP相談なら、こちらから申し込むことができます。

まとめ

時短勤務(短時間勤務制度)とは所定の労働時間よりも短く働くことで、給料は25%以上減る可能性があります。例えば、基本給20万円で、所定労働時間8時間を6時間に短縮した場合、基本給は15万円になります。

時短勤務による減少分を補うためには、固定費を中心に見直しをしましょう。自分の収入や家族状況に合った適切なアドバイスが欲しい場合は、信頼できるFPに相談するのもおすすめです。

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