「子どもが生まれたけど、3人だとどのくらい生活費がかかるのだろうか?」「夫婦2人のときとどう変わるのだろうか?」などと気になっている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、主に夫婦2人+子ども1人の3人家族を想定して、子どもの年齢、地域、世帯年収ごとの平均的な生活費を紹介します。少しでも余裕のある生活を送るためのポイントも解説するので、3人家族で生活を充実させたい人はぜひ参考にしてください。
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
「子どもが生まれたけど、3人だとどのくらい生活費がかかるのだろうか?」「夫婦2人のときとどう変わるのだろうか?」などと気になっている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、主に夫婦2人+子ども1人の3人家族を想定して、子どもの年齢、地域、世帯年収ごとの平均的な生活費を紹介します。少しでも余裕のある生活を送るためのポイントも解説するので、3人家族で生活を充実させたい人はぜひ参考にしてください。
まずは、夫婦2人と子ども1人の家庭の生活費について、国の統計をもとに平均値を紹介します。
生活費は家族構成や家族の年齢、生活スタイルなどによって異なります。住んでいる場所や居住形態(賃貸・持ち家・親との同居・親族からの借家など)による差も大きいですが、国の統計データではすべて含んだ結果になっています。ここでは、住居費を除いた生活費の相場を紹介します。
総務省が全国の世帯を対象に行った「家計調査」によると、3人家族の平均生活費は月額28万4300円でした(家賃や住宅ローンなど住居費除く)。内訳は、以下の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
食費 | 8万554円 |
水道・光熱費 | 2万5657円 |
家具・家事用品 | 1万2837円 |
服飾費 | 9,343円 |
保健医療費 | 1万5099円 |
交通・通信費 | 4万4465円 |
教育費 | 1万750円 |
教養・娯楽費 | 2万6428円 |
その他の支出 | 5万9167円 |
1ヵ月あたりの生活費合計 | 28万4300円 |
子どもが1人増えることで生活費の負担はどのように変わるのか、先述の調査をもとに2人家族と3人家族の平均生活費を比較してみましょう。
項目 | 2人家族 | 3人家族 |
---|---|---|
食費 | 6万7573円 | 8万554円 |
水道・光熱費 | 2万2037円 | 2万5657円 |
家具・家事用品 | 1万840円 | 1万2837円 |
服飾費 | 6,820円 | 9,343円 |
保健医療費 | 1万4895円 | 1万5099円 |
交通・通信費 | 3万4348円 | 4万4465円 |
教育費 | 413円 | 1万750円 |
教養・娯楽費 | 2万3118円 | 2万6428円 |
その他の支出 | 5万5981円 | 5万9167円 |
1ヵ月あたりの生活費合計 | 23万6025円 | 28万4300円 |
2人家族と3人家族の生活費の差は1ヵ月あたり約5万円です。水道・高熱費や保健医療費などそこまで差がつかない費目がある一方で、食費、教育費、交通・通信費では3人家族の方がそれぞれ月1万円程度高くなっています。
生活費は子どもの年齢によっても異なります。子どもの年齢別の生活費は、以下の通りです。
項目 | 0~2歳 | 3~5歳 | 6~11歳 | 12~14歳 | 15~17歳 | 18~21歳 |
---|---|---|---|---|---|---|
食費 | 4万9738円 | 5万7854円 | 6万8771円 | 7万5540円 | 8万229円 | 7万6248円 |
水道・光熱費 | 1万6102円 | 1万7560円 | 1万8630円 | 2万872円 | 2万1848円 | 2万1841円 |
家具・家事用品 | 9,683円 | 8,673円 | 8,936円 | 8,804円 | 1万122円 | 1万2154円 |
服飾費 | 1万2795円 | 1万4287円 | 1万5586円 | 1万6043円 | 1万6041円 | 1万9266円 |
保険・医療費 | 4万7077円 | 1万777円 | 9,656円 | 8,657円 | 9,909円 | 1万831円 |
交通・通信費 | 2万3816円 | 4万1780円 | 3万6424円 | 3万9432円 | 4万5612円 | 5万4506円 |
教育費 | 487円 | 1万8831円 | 8,606円 | 2万4639円 | 3万7794円 | 3万7697円 |
娯楽費 | 2万3816円 | 3万1551円 | 4万1941円 | 3万381円 | 3万1630円 | 3万1545円 |
その他の支出 | 5万644円 | 5万3746円 | 5万4704円 | 6万4292円 | 7万2504円 | 9万1945円 |
生活費合計 | 23万4158円 | 25万5059円 | 26万3254円 | 28万8660円 | 32万5689円 | 35万6033円 |
これによると、子どもの年齢が上がるほど生活費の額も上がっているのがわかります。特に食費と教育費の差が顕著です。
教育費は子どもの進路によっても変わるため、個人差が大きいです。私立か国公立か、大学に進学するかどうか、どのような大学に進学するのかなどによって、トータルで数百万円の差がつくこともあります。
次に、平均的な住居費はどのくらいなのか、地域や間取りごとの家賃相場を見ていきましょう。
2LDK/3K/3DK | 3LDK/4K/4DK | 4LDK~ | |
---|---|---|---|
東京23区(東京) | 18.9万円 | 26.3万円 | 48.5万円 |
大阪市内(大阪) | 10.3万円 | 15.4万円 | 16.0万円 |
名古屋市内(愛知) | 7.5万円 | 8.8万円 | 13.5万円 |
札幌市内(北海道) | 5.5万円 | 8.5万円 | 9.5万円 |
金沢市内(石川) | 5.1万円 | 7.3万円 | 8.7万円 |
岡山市内(岡山) | 5.6万円 | 7.4万円 | 7.3万円 |
高松市内(香川) | 4.9万円 | 5.7万円 | 7.4万円 |
福岡市内(福岡) | 9.5万円 | 12.1万円 | 16.0万円 |
一般的に、家賃の相場は交通アクセスのよい都市部ほど高い傾向にあります。なかでも、東京23区は群を抜いて高いです。東京23区で3LDKを借りて3人で暮らす場合、平均で生活費28万4300円+住居費26万3000円=合計54万7300円かかる計算になります。
一方、香川県高松市なら生活費28万4300円+住居費5万7000円=34万1300円と、月に20万円近い差が生まれます。
賃貸ではなく持ち家の場合、住宅ローンの返済が残っていればその金額が住居費として毎月かかります。また、固定資産税の支払いも必要です。
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世帯人数別の家計支出については、『みんなのお金に関するデータ 【家計】』で詳しく解説しています。
3人家族の生活費を世帯月収(手取り)ごとにシミュレーションしてみましょう。一般的に理想的とされている支出割合に当てはめると、以下の通りです。
費目 | 割合 | 月収20万円 | 月収25万円 | 月収30万円 | 月収35万円 | 月収40万円 |
---|---|---|---|---|---|---|
住居費 | 30% | 6万円 | 7.5万円 | 9万円 | 10.5万円 | 12万円 |
食費 | 15% | 3万円 | 3.75万円 | 4.5万円 | 5.25万円 | 6万円 |
水道・光熱費 | 5% | 1万円 | 1.25万円 | 1.5万円 | 1.75万円 | 2万円 |
家具・家事用品 | 4% | 0.8万円 | 1万円 | 1.2万円 | 1.4万円 | 1.6万円 |
服飾費 | 4% | 0.8万円 | 1万円 | 1.2万円 | 1.4万円 | 1.6万円 |
医療・保険費 | 5% | 1万円 | 1.25万円 | 1.5万円 | 1.75万円 | 2万円 |
通信・交通費 | 5% | 1万円 | 1.25万円 | 1.5万円 | 1.75万円 | 2万円 |
教育費 | 10% | 2万円 | 2.5万円 | 3万円 | 3.5万円 | 4万円 |
教養・娯楽費 | 10% | 2万円 | 2.5万円 | 3万円 | 3.5万円 | 4万円 |
その他 | 2% | 0.4万円 | 0.5万円 | 0.6万円 | 0.7万円 | 0.8万円 |
預貯金 | 10% | 2万円 | 2.5万円 | 3万円 | 3.5万円 | 4万円 |
できれば預貯金は月収の20%程度を目指したいところですが、手取りが少ない場合は難しいかもしれません。使うところと使わないところのメリハリをつけて、節約を意識するのがポイントです。
1つの目安として、食費と家賃をあわせて50%を超えないようにすることも意識してみてください。住居費(家賃など)を25%程度にして固定費を抑えると、やりくりがしやすくなります。
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3人家族が生活費を見直すときのポイントを4つ紹介します。
支出を抑える方法はいくつもありますが、なかでも特に効果が高いのが固定費の見直しです。
固定費とは、毎月一定額の支払いが発生する費目のことです。それに対し、毎月金額が変わる費目は変動費といいます。具体的には以下の通りです。
固定費の見直しは面倒に思われがちですが、一度しっかりと見直しておけば効果が長く持続します。変動費は目につきやすく、節約の対象になりやすいですが、支出のたびに常に意識しなければなりません。「節約疲れ」状態になってしまう人もいるため注意が必要です。
固定費を節約するためのアイデアをもっと詳しく知りたい方は、『家計の見直し方法や節約アイデア』をご覧ください。より具体的な節約方法が紹介されています。
水道代や電気代、ガス代の節約方法は以下の通りです。
食費同様、「猛暑なのにエアコンを使わない」といった健康によくない節約は避けましょう。使用量を減らすことももちろん効果的ですが、設定温度を変えたり、サーキュレーターを併用したりすることで、費用を抑えられる可能性もあります。
通信費を節約したい場合の節約方法は、以下の通りです。
スマホの料金は通信容量(ギガ数)に応じて決まっていることが多いので、まずは自分の普段の通信容量を確認し、それに合ったプランになっているか確認してみるのがおすすめです。
交通費の節約方法として最も効果が高いのは、「車を手放す」ことです。本体だけでなく自動車税、駐車場代、車検代などの負担が膨らむので、レンタカーやカーシェアなどへの切り替えを検討してもよいでしょう。
医療費の節約方法は、例えば以下の通りです。
保険料を抑えるためには、定期的に保険を見直すのもおすすめです。家族の人数が増えた(減った)、家を購入したなど生活スタイルが変わったときは、必要な保険も変わっている可能性があります。
FPに相談するのもおすすめです。現状に合わせて、最適なプランを教えてもらえるでしょう。
保険に入らないのも心配ですが、入りすぎも負担になるので、ちょうど良いバランスを見極める必要があります。
家賃は食費と違い、一度決めてしまうと頻繁に見直すことができません。あらかじめ調べて慎重に決めるのが理想的ですが、あとから見直したい場合にとるべき方法は以下の通りです。
すでに住宅を購入しているなら、住宅ローンの借り換えを検討してみましょう。
多くの3人家族にとって、子どもの教育費は重要な問題でしょう。例えば、私立大学に進むと4年間で合計400万~500万円ほどかかることになります。進学時などまとまった金額が必要になるタイミングで、家計が一気に圧迫されるかもしれません。
負担を抑えるためには、できるだけ早いうちから計画的に学費に充てる分をコツコツと準備していくのがおすすめです。学費は進路によって大きく異なりますが、あらかじめ準備しておけば焦らず余裕を持って支払うことができます。
どうしても足りない場合は、奨学金や教育ローンなどを利用するのも1つの方法です。奨学金には給付型と貸与型があり、貸与型は無利息のものと有利息のものがあります。
近いうちに使う予定のない資金があるなら、投資に挑戦してみてもよいでしょう。銀行口座で預貯金しているよりも効率よく増やせる可能性があります。もちろん、投資にはお金が減ってしまうリスクもあるので、慎重に検討して行うことが大切です。
初心者なら、まずはNISAを活用して投資を始めてみてはいかがでしょうか。非課税枠が用意されており、税制面の優遇措置を受けながら運用できます。
「家計を見直したいのにうまくいかない」「よくわからなくて先に進めない」と感じたときは、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみるのも1つの方法です。
お金の専門家であるFPには、例えば以下のような悩みを相談できます。
夫婦で話し合ってもなかなか上手くいかない家計管理が、FPという第三者を挟むことで一気にスムーズに進むケースもあります。知識が豊富で信頼できるFPを探して相談するのがおすすめです。
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国の統計によれば、3人家族の平均的な生活費は1ヵ月あたり28万4300円です。これは住居費を除いた金額なので、実際は家賃や住宅ローンの返済などの支出も上乗せされます。
同じ3人家族でも、家族構成、子どもの年齢、住んでいる地域など、さまざまな条件によって生活コストは大きく変わります。今回紹介したさまざまな数字を参考に、家計を振り返ってみてはいかがでしょうか。節約するなら、固定費の削減を意識してみてください。FPに相談するのもおすすめです。
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