※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

マイホームの資金計画の考え方は?無理のない計画を立てるポイント

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

住宅の購入は、人生において最も大きな買い物といっても過言ではありません。そのため、一括で購入する人は少なく、多くの人がローンを組みます。住宅ローンを利用して住宅を購入する際には、資金計画を立てることが重要です。

この記事では、住宅購入にあたっての資金計画の基本的な考え方や、実際にかかる費用、無理のない資金計画を立てるポイントについて解説します。住宅の購入を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

住宅購入や住宅ローンの悩みは、お金の専門家FPに相談することもおすすめです! FPがあなたに合った住宅購入の資金計画や住宅ローンの選び方・組み方・返し方についてアドバイスします!

マイホーム資金計画の基本的な考え方

マイホームの資金計画を立てる際には、以下について計画を立てることが大切です。

  • 頭金
  • 住宅ローンでいくら借りられるか
  • 無理のない返済額

頭金

一般的に、頭金はマイホーム購入必要資金の20%以上が好ましいといわれています。もちろん、人によっては準備できないこともあるので、20%以下もしくは頭金なしのフルローンを組むことも可能です。

ただし、頭金が少ないと、借入額が多くなります。その結果、毎月の返済額が増え、家計に負担がかかることも予想されます。

準備する頭金の金額によって毎月の返済額がどのくらい違ってくるのか、シミュレーションします。

条件
  • 3000万円のマイホームを購入
  • 金利5%(固定金利)
  • 返済期間35年
  • 元利均等返済
  • ボーナス払いなし
頭金の割合 頭金の金額 住宅ローン毎月の返済額 住宅ローン返済総額
0% 0円 10万7248円 4504万4160円
5% 150万円 10万1886円 4279万2120円
10% 300万円 9万6523円 4053万9660円
15% 450万円 9万1161円 3828万7620円
20% 600万円 8万5798円 3603万5160円
25% 750万円 8万436円 3378万3120円

頭金の割合が大きいほど毎月の返済額は少なくなり、住宅ローンの返済総額を減らせることがわかります。

住宅ローンでいくら借りられるか

住宅ローンは、必ず希望金額を全額借りられるわけではありません。住宅ローンの利用には審査があり、返済能力に応じて借入可能金額が決められます。

1つの指標として、年収の6~7倍が借入できる金額の上限といわれています。

年収 借入可能金額上限の目安
300万円 1800万~2100万円
400万円 2400万~2800万円
500万円 3000万~3500万円
600万円 3600万~4200万円
700万円 4200万~4900万円

住宅ローンの審査では、年収以外にも「勤務先」「雇用形態」「勤続年数」「年齢」「他社からの借入状況」のほか、購入予定の住宅の担保価値も判断基準になります。

無理のない返済額

住宅ローンの返済プランをシミュレーションすることは、資金計画を立てる際に重要です。住宅ローンの年間の返済額は年収の25%以内に収まるようにすることで、無理のない返済を続けられるでしょう。

年収における無理のない年間返済額の目安と毎月の返済額は、以下の通りです。

年収 無理のない年間返済額の目安(25%) 無理のない毎月の返済額
300万円 75万円 約6.3万円
400万円 100万円 約8.3万円
500万円 125万円 約10.4万円
600万円 150万円 約12.5万円
700万円 175万円 約14.6万円

ただし、マイホーム購入には家の価格(物件価格)以外にもさまざまな費用がかかります。具体的にどのような費用がかかるのか、次項で詳しく解説します。

マイホーム購入時にかかる費用

マイホーム購入時にかかる主な費用は、以下の通りです。

  • 住宅価格
  • 不動産購入にかかる諸費用
  • 住宅ローンにかかる諸費用

住宅価格

住宅価格とは、マイホームそのものの価格です。新築および中古住宅を購入する際の価格相場は、以下の通りです。

  • 戸建て:新築4250万円 / 中古2959万円
  • マンション:新築4929万円 / 中古2990万円

出典:国土交通省住宅局「令和3年度住宅市場動向調査報告書

新築の場合、戸建てよりもマンションの方が金額は高くなることがわかります。

また、中古物件になると、戸建てとマンションで価格の違いはほとんどありません。おおむね新築の約6~7割程度です。

不動産購入時にかかる費用

不動産を購入する際にかかる費用は、次の通りです。

  • 印紙税
  • 仲介手数料
  • 火災保険料
  • 修繕積立金
  • 登記料(登録免許税)
  • 不動産取得税

印紙税とは、不動産売買契約書を交わす際に必要となる税金で、契約書に収入印紙を貼付して納めます。また、建売住宅や中古物件を購入する際には、不動産会社に対して仲介手数料を支払わなければなりません。

火災保険は、住宅を購入する際に必ず加入します。マンションの場合、修繕積立金が発生します。

さらに、所有権設定や所有権移転登記が必要なので、登記料(登録免許税)を納める必要があります。不動産取得税は、不動産を取得した際に一度だけ発生する費用です。

住宅ローンにかかる諸費用

住宅ローンを組む際には、住宅ローンを申し込む金融機関に対して支払う費用が発生します。具体的な内容は以下の通りです。

  • 印紙税
  • 融資手数料
  • 事務手数料
  • ローン保証料
  • 団信保険料
  • 登記料(登録免許税)

ここでいう印紙税は金銭消費貸借契約書の締結に必要で、契約書に収入印紙を貼付して納めます。

また、住宅ローンを利用するにあたり融資手数料や事務手数料が発生します。

ローン保証料は、保証会社を利用しない場合は発生しません。住宅ローンの利用には団体信用生命保険の加入が必須ですが、フラット35のように団体信用生命保険の加入を条件としていないケースもあります。

登記料は、抵当権設定登記にかかる費用です。住宅ローンを組む際には金融機関が必ず抵当権を設定するため、これを納める必要があります。

住宅取得にかかる諸費用一覧
  一戸建て マンション
注文住宅(土地購入有) 建売住宅 中古一戸建て 新築マンション 中古マンション
諸費用の総額(購入価格に対する割合) 10~12% 6~8% 6~8% 3~5% 6~8%
不動産(土地・建物)購入時 印紙税(売買契約書) ×
仲介手数料 × ×
火災保険料
修繕積立金基金 × × ×
登記費用(所有権)
不動産取得税
固定資産税清算金
住宅ローン契約時 印紙税(ローン契約書)
融資手数料
事務手数料
ローン保証料
団体信用生命保険料
登記費用(抵当権)
凡例:◯…かかる、△…かかる場合とかからない場合がある、×…かからない

マイホームに向けた資金づくりの方法

マイホーム取得に必要な資金を無理なく準備する方法は、以下の通りです。

  • 積立定期預金
  • 財形住宅貯蓄
  • 家族からの援助

積立定期預金

積立定期預金とは、毎月自分で決めた金額を普通預金口座から定期預金口座に振り替える方法です。積み立てられる最低金額は、金融機関によって異なります。

自動的に振り替えられ、一定期間を過ぎれば引き出すことも可能です。あまり高い金額を設定すると、家計の負担が大きくなる可能性があるので、無理のない金額を設定するようにしてください。

給与が振り込まれた時点で一定額が積立定期預金口座に振り替えられる方法をとると、残った金額の中で生活のやりくりをしなければならないため、確実にお金が貯まります。

積立定期預金は、普通預金よりも金利が高く設定されています。毎月安定した収入があり、貯蓄に回せるだけの余裕がある人におすすめの方法です。

財形住宅貯蓄

財形住宅貯蓄とは、厚生労働省が設けている「勤労者財産形成促進制度(財形制度)」の1つです。勤務先に財形制度が用意されていれば利用できるので、確認しておきましょう。

財形住宅貯蓄は給与から天引きされて積み立てる仕組みのため、確実にお金を貯めることができます。ただし、5年以上の積立期間が必要です。

財形住宅貯蓄を続けることで、住宅金融支援機構の「財形積立融資」を受けられます。低金利で財形貯蓄額の10倍まで借入できるため、制度を利用しているなら財形積立融資の利用も検討してみましょう。

家族からの援助

家族からの援助については、一定の要件を満たすことで最大1000万円の贈与が非課税になります。

通常は家族からの援助であっても、年間110万円以上の贈与を受けた場合は贈与税がかかります。しかし、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」の特例が適用されると、省エネ住宅の購入であれば1000万円、それ以外だと500万円までの贈与が非課税になります。

この特例を受けるためには、以下の要件を満たさなければなりません。

  • 贈与を受ける人が、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること
  • 贈与者は受贈者の親や祖父母など直系尊属であること
  • 贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下であること

親や祖父母からの援助が期待できるなら、非課税枠を有効に活用して援助を受けるとよいでしょう。

無理のない資金計画を立てるポイント

無理のない資金計画を立てるポイントは、以下の通りです。

  • 金利の種類と仕組みを理解する
  • 返済方法の種類と仕組みを理解する
  • 不安や悩みがあるならFPに相談してみる

無理のない資金計画を立てるためには、金利や返済方法の種類や仕組みを正確に理解することが大切です。金利の種類や、返済方法についての理解を深めておきましょう。

金利の種類と仕組みを理解する

金利には、変動金利と固定金利(全期間固定型)、固定期間選択型の3つがあります。それぞれの特徴を以下で解説します。

変動金利

変動金利

変動金利とは、経済の状況に応じて金利が定期的に見直されるタイプです。3つの金利タイプの中では最も金利が低く設定されています。現在の低金利が続く状況下では、変動金利を選択する人が多いです。

金利は半年ごとに見直されますが、見直された金利がすぐに毎月の返済額に反映されるわけではありません。見直された金利によって返済額が変わるのは5年後です。また、見直し前と見直し後の返済額の変動率が25%を超えることはありません。

固定金利(全期間固定型)

固定金利

契約時点から完済まで金利が変わらないタイプです。変動金利や固定期間選択型と比べると金利が高く設定されています。毎月の返済額が変らないため、安定した返済計画が立てられるのがメリットです。

ただし、契約後に市場金利が下がっても変動金利のように恩恵を受けられない点がデメリットです。

固定金利選択型

固定金利選択型

固定期間選択型では、最初の2年、5年、10年など、一定期間は固定金利が適用され、固定期間終了後は変動金利か固定金利かを選びます。

固定金利期間終了後に再度、固定金利を適用する場合、選択した時点の金利が適用されます。

返済方法の種類と仕組みを理解する

ローンの返済方法には、「元利均等返済」「元金均等返済」の2種類があります。どちらの返済方法を選ぶかによって返済総額が変わってくるため、仕組みを正しく理解しておくことが重要です。

元利均等返済

元利均等返済

元利均等返済とは、毎月の返済額を一定にし、その中で元本と利息の割合が変化していく返済方法です。

返済開始当初は返済額のうち利息部分が占める割合が大きいですが、返済が進むにつれて利息部分が減り、元本部分が増えていきます。

元金均等返済

元金均等返済

元金均等返済とは、元本部分を一定にする返済方法です。

返済開始当初は利息が大きいため返済額が大きく、返済が進むにつれ返済額が少なくなっていきます。返済開始当初の返済額が大きいため、資金に余裕がある人に向いています。

住宅ローンの返済方法については、こちらの記事「住宅ローンの返済早見表」も参考にしてください。

不安や悩みがあるならFPへ相談してみる

無理のない返済計画を立てるためには、以下のようなさまざまな要素を考慮する必要があります。

  • 子どもの教育費用など長期的な支出
  • 車を買い替える予定はあるか
  • 旅行や冠婚葬祭などまとまった出費にも備える
  • 退職後も無理なく返済できるかどうか

とはいえ、将来のことはなかなか予想がつきにくく、返済計画を立てる際に難航するケースもあるでしょう。

家庭によって抱えている不安は異なるため、返済計画に悩んだ際には、お金の専門家であるFPに相談し、無理のない返済計画を立てるためのアドバイスをもらうことをおすすめします。

ファイナンシャルプランナーは、お金の専門家です。お客様のライフプランに沿った総合的なアドバイスを提供します。
マネードクターの無料相談では、お客様の現在の家計状況を分析し、キャッシュフロー表を作成、将来のライフプランを提案します。
家計の見直し、保険の見直し、教育資金、住宅ローンなど、あらゆるお金の不安を解消します。
お金の専門家に相談して、あなただけの「お金の羅針盤」を見つけ、幸せな未来を築きましょう!

まとめ

マイホームを購入する際には、慎重に資金計画を立てる必要があります。戸建てかマンションか、新築か中古かによって価格は変わってきます。物件価格以外にも、各種税金や火災保険料などさまざまな費用がかかります。

住宅ローンを利用するなら、頭金をどれぐらい用意するか、金利タイプ、返済方法についても検討しなければなりません。返済計画を立てるのが難しいと感じたら、お金の専門家であるFPに相談してみるのも1つの方法です。

「住宅ローン相談」に行くまえに知っておくべき知識に関しては、こちらの記事で詳しく解説されています。合わせてご確認ください。

キーワードで記事を検索