「保険はいつ見直せばいいの?」「見直す際のポイントは?」など、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。保険の契約内容は、ライフステージの変化に応じて随時見直すことが望ましいです。
いまの自分に合った保険に見直さないと、余分な保険料を支払ったり、万が一のときに保障が不足していたりする可能性があります。
この記事では、保険を見直しするべきタイミングについて、年代別、ライフイベント別に解説します。
- 年代別に保険を見直すタイミング
- ライフイベント別に保険を見直すタイミング
- 保険を見直すときの注意点
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
「保険はいつ見直せばいいの?」「見直す際のポイントは?」など、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。保険の契約内容は、ライフステージの変化に応じて随時見直すことが望ましいです。
いまの自分に合った保険に見直さないと、余分な保険料を支払ったり、万が一のときに保障が不足していたりする可能性があります。
この記事では、保険を見直しするべきタイミングについて、年代別、ライフイベント別に解説します。

保険は、自分が直面しているライフイベントに応じた見直しが必要です。
例えば、これまで独身だった人が結婚をしてどちらかが専業主婦(夫)になると、万が一のことが起きても家族が困らないだけの備えが必要になります。また、子どもが生まれると、備えるべき金額もさらに増えるでしょう。逆に子どもが独立すれば、備えるべき金額は減少します。
適切なタイミングで保険を見直すことで、不要な保障の保険料を削減できます。また、新たな保障を追加ときも若いうちの方が保険料を抑えることができます。
また、新しいタイプの保険商品が随時登場しているため、自分のニーズに合った商品が出てきたら見直しを検討する価値があります。

保険の見直しのタイミングを年代別に紹介します。
一般的に30代、40代は子どもが生まれて家族が増えることから、万が一の保障額も手厚くする必要があります。一方、50代、60代は子どもが独立して生活費が下がるうえ、ある程度資産形成ができているケースが多いです。そのため、万が一のときに保険で備える必要性は低下していきます。
30代は結婚をして子どもが生まれ、住宅購入をする人も多い年代です。保険料が家計を圧迫する可能性があるため、割安な保険料で適度な保障が用意できるものを検討しましょう。ケガや病気で働けず、収入が得られなくなるリスクにも備えが必要です。
高齢になるほど医療費が高額になる傾向があるため、保険料が割安な30代のうちに医療保険への加入を検討してもよいでしょう。
40代は子どもの成長に伴い、生活費が30代よりも増えるのに加え、子どもの入学・受験・塾の費用といった教育関連費も増加します。各年代の中でも最も支出が大きい傾向がある年代のため、30代よりも手厚い備えが必要です。
ケガや病気への備えも30代より多く必要となるでしょう。30代でまだ医療保険に加入していない人は、検討が必要です。また、40代後半からはガンのリスクが高くなってくるため、ガンへの備えをおすすめします。
50代は子どもが独立し、少しずつ教育費の負担が減少していきます。子どもが独立して別居になることで生活費が減少するため、保障額の大きな保険に加入していた人は見直しのチャンスです。
ただし老後の生活が視野に入ってくる年代でもあるため、子どもの教育費負担や生活費が減った分、個人年金保険などで老後への備えを充実させていきましょう。
定年退職を迎え、老後生活が始まる人が増える年代です。収入を公的年金のみに頼っていると、受け取れる年金額よりも生活費が上回り、貯蓄を取り崩す生活になるかもしれません。不要な保険があれば早めに見直しましょう。
老後を迎えるころには、ある程度の資金の準備ができている可能性が高いです。そのため、万が一のことがあっても遺族の生活費を保険で残す必要性は低くなる傾向があります。死亡保障に加入しているなら、解約をするか、葬儀代程度まで保険金額を減らしてもよいでしょう。
定年退職後も医療保険を継続するか、意見が分かれるところですが、状況に合わせて検討しましょう。まだ医療保険に加入していない人も、加入を検討してください。

ライフイベントに変化があると、家族構成や収入が大きく変わる可能性があるため、保険の見直しの良いタイミングといえます。
社会人になり親から独立すると、家計も親と別々になるため、自分自身で万が一に備える必要があります。
配偶者など養うべき人がいない場合は、死亡保障の必要性は低いでしょう。定期保険に入っておくと、万が一死亡した場合、死後整理金が入るため葬儀代をまかなえます。
ほかには、使わなければ貯金代わりにもなる終身保険で備えておくのもおすすめです。
結婚をすると、夫婦での共同生活になります。けがや病気の医療費で相手に負担をかけないよう、お互いに未加入の場合は医療保険で備えましょう。
どちらかが専業主婦(夫)となる場合、働き手に万が一のことがあると遺族は生活に困ります。夫婦のうち働き手となっている側は、万が一のことがあっても遺族が生活できる分の生活費を死亡保障で用意しておくことが必要です。
夫が会社員であれば万が一のことがあった場合、子どもの有無にかかわらず遺族年金のうち遺族厚生年金が妻に支払われます。しかし妻が会社員の場合、夫の年齢が55歳以上でなければ、遺族厚生年金が支払われません。
夫婦で死亡保障を検討するときは、余分な保険料が発生しないよう、遺族年金をふまえて検討することが大切です。
子どもが生まれると生活費が増えるうえ、教育費の備えも必要です。
どちらかが専業主婦(夫)である場合、遺族に残すべき生活費は子どもがいないときよりも多くなるため、死亡保険の増額を検討しましょう。保険料が負担にならないよう、割安な定期保険で備えるのがおすすめです。
また18歳以下の子がいる場合は、遺族年金のうち遺族基礎年金も配偶者に支払われます。子どもが生まれたのを機に死亡保険を検討するときも、遺族年金を考慮して保険を検討しましょう。
マイホームを購入する際、住宅ローンを利用するのが一般的です。
住宅ローンを利用する場合、万が一のことがあったときに残債がゼロになる団体信用生命保険(団信)への加入が必須となっているケースがほとんどです。そのため、これまで加入していた死亡保険金額を減額できる可能性があります。
死亡以外にも、ガンになったときや八大疾病に罹患したときに残債がゼロにできる団信もあるため、必要に応じてこうした特約の上乗せを検討しましょう。ただし、団信はローン返済が終わると保障がなくなるため、老後も引き続きガンや八大疾病などに備えたいときは注意が必要です。
転職をすると収入が増減するため、保険金額の見直しが必要になる場合があります。会社の福利厚生で従業員の死亡退職金や弔慰金を用意していたり、病気やケガ・死亡保障などに任意で加入できたりすることもあります。転職をして制度内容が変わるときは保険の見直しが必要になるでしょう。
また、独立をして個人事業主になったときも、死亡保険金額の見直しが必要です。個人事業主が一般的に加入する国民健康保険は傷病手当金がありません。そのため、ケガや病気で働けずに収入がなくなったときに備えて、就業不能保険への加入も検討しましょう。
死亡保険に加入する目的の1つに、万が一のことがあったときの子どもの教育費確保があります。
大学に進学したときにすでに卒業までの学費が確保できているのであれば、万が一のときの教育費として加入していた死亡保険は解約や減額を検討しましょう。
子どもが独立すると、子どもの分の生活費や教育費の負担がなくなります。また子どもが独立する時期は、ある程度預貯金ができていれば、配偶者の生活資金を保険で用意する必要性は低いでしょう。
定年退職をしたときも、子どもが独立したケースと同様、死亡保険の必要は低下するため解約、減額を検討しましょう。死亡保険は解約または、葬儀代などの死後整理に必要な金額まで減額を検討します。
高齢になるほどケガや病気で医療費がかかるケースが増えるため、不安な場合は医療保険やガン保険は残しておきましょう。
今の保険で良いのか不安な方、見直しの相談なら

保険の見直しは以下の手順で進めていきます。
自分が現在直面しているライフイベントに合わせて、必要な保障は何かを考えることが大切です。例えば、結婚したばかりでまだ子どもがいない場合、お互い独身であれば夫婦ともに医療保険に入りましょう。どちらかが専業主婦(夫)となるなら死亡保障が必要になるでしょう。
定年退職が近い時期であれば、死亡保険の解約あるいは減額を行い、医療保険の加入を検討します。ライフイベントに合った保険に加入できていないようなら、見直しが必要になるでしょう。
必要な保険が決まったら、保障額を見直しましょう。適切な保障額の考え方は保険の種類によって異なります。
例えば死亡保障は、必要保障額積み上げ方式で計算します。
上記1~3を合計し、最終的に4を引いた金額が必要保障額になります。現在加入している保険が必要保障額に満たない場合は見直しましょう。
保障額が決まったら、次に保険期間を見直します。保険期間は保険種類によって異なります。例えば医療保険は高齢になるほど使う可能性が高いため、保険期間を終身とするのが一般的です。
死亡保険は、備えたい期間が決まっているときは5年間、10年間といった定期保険に加入します。「歳満了」といって50歳まで、60歳までのように被保険者の年齢で満期を決めることも可能です。
ただし死亡保険に加入する目的が葬儀費用の場合は、医療保険と同じく、高齢になったときに保険を使う可能性が高いことから、終身保険で備えます。
また保険種類によっては、保険期間と保険料支払期間を別々に設定できることがあります。
例えば終身タイプの医療保険は、保険料払込期間を65歳などに設定できます。医療保障は一生涯ほしいけれど、定年退職後も保険料を負担するのは避けたいときは、保険料支払期間を自分のニーズに合った内容に見直しましょう。

保険の見直しプロセスの具体例を紹介します。
夫:30歳、妻:25歳、子ども:2歳
| 年齢 | 支払金額(月額) | 
|---|---|
| 30歳 | 7,939円 | 
| 40歳から | 1万1079円 | 
| 50歳から | 2万89円 | 
現在200万円の終身の死亡保険に加入し、60歳までの間に死亡した場合は800万円の保険金が支払われる特約を付けている状況です。
現在の保険を継続すると、将来的に保険のかけすぎで保険料の無駄が生じるでしょう。医療保険は定年退職後に保険料の支払いを残さないよう、60歳で払い込みを終了するものに見直しました。
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保険を見直す場合、以下の点に注意しましょう。
保険を見直して、加入中の保険を解約すると元本割れをする可能性があります。保険の元本割れとは、保険を解約して戻ってくるお金よりも、払込保険料総額の方が大きいことを指します。
終身保険や養老保険のように貯蓄性がある保険を、保険料払込期間前や満期前に解約すると元本割れする可能性があるため注意してください。貯蓄性がある商品は途中で解約しないように、払い続けられるかどうか加入前にシミュレーションしておきましょう。
また満期がある定期保険や、多くの医療保険は掛け捨てです。掛け捨ての保険は解約しても、戻ってくるお金がまったくないか、あってもごくわずかです。掛け捨ての保険のメリットは割安な保険料で大きな保障を用意できる点ですが、保険金額は必要最低限にとどめ、保険料をなるべく抑えることが大切です。
免責期間とは、保険会社の保障が受けられない期間のことです。
一般的にガン保険は、保険期間が始まっても90日間は保障されません。そのため、新しいガン保険に加入したからといって、すぐにこれまでのガン保険を解約すると90日間はガンの保障がなくなるため注意が必要です。
このように免責期間がある保険商品の保障を途切れることなく継続するには、保険を見直したあともこれまでの保険はすぐに解約をせず、重複して保険に加入するしかありません。
ほとんどの保険は、加入時に健康状態を告知して、保険会社の承諾がなければ加入できません。健康状態によっては、保険会社から加入を断られたり、一定の部位については保障されないなどの条件が付いたりする場合があります。
保険を見直すときは、希望通りの内容で加入できたことを確認してから、前の保険を解約するようにしましょう。
保険を見直す際は、必ず複数社の商品を比較検討しましょう。付加できる特約は保険会社ごとに異なるうえ、同じ保障内容だからといって保険料が同じとは限りません。
自力で多くの保険会社の商品を比較するのが難しいときは、保険のプロに相談してみてもよいでしょう。保険の相談窓口については、こちらの記事「おすすめの保険の相談窓口」も参考にしてください。

家族構成や収入が変動すると、保険の見直しが必要です。年代によっても必要な保険は異なります。社会人になったときや、結婚したとき、子どもが生まれたときなど、ライフイベントに合わせて適切な保険を選ぶようにしましょう。
保険を見直す際は、必要な保障は何か、必要な保障額はいくらか、保障期間・保険料支払い期間は適切かについて検討してください。保険を見直すタイミングによっては元本割れしたり、保障期間が途切れてしまったりするリスクもあります。保険選びに迷ったら、保険のプロに相談してみるのもおすすめの方法です。
生命保険の見直しで検討すべきポイントについてはこちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:50代は生命保険の見直しに最適な時期!検討すべきポイントを解説|シニアタイムズ
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