退職金のおすすめ運用方法5選!必要性や運用する際のポイントを解説

執筆者:マネーFIX 編集部

退職金と年金を合わせれば老後の生活を賄える、という時代ではなくなりつつあります。

老後に安心して暮らせるだけの資金を確保するためにも、退職金を運用することがますます重要になってきています。

この記事では、退職金のおすすめの運用方法や、運用する際のポイントなどについて解説します。

退職金を運用する必要性

退職金の運用とは、ただ預貯金として預けておくのではなく、投資や定期預金などを行い、退職金を資産として活用することを意味します。

退職金の運用が重要とされている理由として、以下の2点が挙げられます。

1.退職から年金受給までの期間が空いていること

従来、年金受給開始年齢は60歳でしたが、現在は65歳に繰り下げられており、今後もさらに受給開始が遅くなる可能性があります。

そうすると、年金受給開始までの生活資金が必要となるため、退職金を運用して収入を得ることが生計を立てるうえで重要となります。

2.退職金の金額が減少してきていること

老後までに用意すべき資産は約2000~3000万円といわれていますが、今後退職金では賄いきれなくなる可能性があります。

また、日本人の平均寿命が延びてきているため、さらに多くの資産を用意する必要があるかもしれません。

また、介護施設に入所したり医療費がかかったりすると、より多くの資金が必要となります。

そのため、退職金を運用して老後資金を準備しておくことが重要です。

退職金を運用する前に知っておきたいこと

退職金を運用する前に注意点として知っておきたいことは、以下の通りです。

  • 資産を大きく増やそうとしない
  • 退職金すべてを運用に回さない

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

資産を大きく増やそうとしない

退職金の運用において、高いリスクを負ってまで資産を大きく増やそうとするのは賢明とはいえません。

なぜなら、退職金は年金受給までの生活費となるため、大きな利益を狙うあまり目減りしてしまうと生活ができなくなる恐れがあるからです。

FXや暗号資産などのハイリスク・ハイリターンな投資は避けた方が良いでしょう。

おすすめは、一定の利益は見込みつつ、ある程度リスクが抑えられる商品です。

例えば、債券や分散型投資信託などが挙げられます。短期的に大きな収益が見込めなくても、長期的に安定して収益を上げることの方が重要です。

退職金すべてを運用に回さない

退職金を全額運用に回すのは賢明とはいえません。

すべて運用に回してしまうと、生活費に充てる資金まで失う恐れがあるからです。

資産は以下の4つに分けて管理しましょう。

  1. 近いうちに使うお金
  2. 急な出費に備えるお金
  3. 将来のためのお金
  4. 自由に使えるお金

近いうちに使うお金

生活費や税金、保険料などの毎月発生する費用のこと。

これらは必ず必要になるため、投資に回してはいけません。

急な出費に備えるお金

例えば入院費用や、何らかの事情で働けなくなった際の生活費などを指します。

これらは必ずしも発生するわけではありませんが、備えておかないと万が一のことがあったときに困ります。

収益性を求めるよりも、元本保証のある普通預金などを活用するのが賢明です。

将来のためのお金

今後の使用目的が決まっているお金のことです。

例えばマイホーム購入やリフォームの費用。将来、介護施設への入居を考えているならその費用などが該当します。

使用目的が決まっていることから、必要となる時期も決まっているケースが多いです。

使用時期に合わせて、元本保証のある定期預金などを活用するのが良いでしょう。

自由に使えるお金

上記3つのどれにも該当しない余剰資金のこと。

資産運用に回せるのはこの資金です。

投資はリスクを伴うので、生活にダイレクトに影響しない余剰資金を使って行うのが、基本的な投資の考え方です。

ただし、損失を被らないためにも慎重に運用するべきです。

退職金のおすすめ運用方法5選!

退職金の運用方法として、以下の5つが挙げられます。

運用方法 収益性 リスク 預ける期間 途中での引き出し
定期預金 とても低い とても低い 1~10年 ×
貯蓄型の保険 低い 低い 保険による ×
個人向け国債 低い 低い 3~10年
投資信託 高い 高いもしくは低い
株式 とても高い とても高い

各運用方法の内容について説明します。

定期預金

定期預金とは、予め期間を決めて金融機関にお金を預け入れる資産運用方法です。

毎月指定の口座にお金を預け入れるだけなので、誰でも簡単に始められます。

メリット デメリット
・元本1000万円までは預金保険機構が保障してくれる ・元本が小さいと、ほとんど資産が増えない
・預金を途中で引き出せない

定期預金には預金保険制度が適用されるので、安全かつ確実に資産を増やせます。

普通預金よりも金利が若干高いですが、現在の超低金利の状況下では、ほかの投資方法と比べて利回りがかなり小さいです。

定期預金は中途解約をしないと預金を途中で引き出せません。

定期預金に回すのなら、余剰資金、あるいは使用時期が決まっている資金にしましょう。

定期預金がおすすめの人
  • 元本がある程度大きい
  • リスクを徹底して抑えたい
  • ライフプランが明確

貯蓄型の保険

貯蓄型の保険とは、毎月保険料を積み立てて、死亡時や介護状態になったときなどに保険金を受け取れる金融商品です。

満期まで保険金受け取りが発生しなかった場合に満期保険金を受け取れたり、途中で解約して解約返戻金を受け取ったりできる商品もあります。

老後のための貯えとして積み立てながらも、万が一資金が必要になった際にも安心です。

メリット デメリット
・万が一の場合に保険金を受け取れる
・満期保険金や解約返戻金を受け取れる商品もある
・掛け捨て型保険より保険料が高い
・掛け捨て型保険より払込期間が長い

貯蓄型の保険では一生涯あるいは長期間にわたり保険料を払い込まなければなりません。

保険料が高く、生活を圧迫してしまう恐れもあります。

毎月の収支をしっかりと把握したうえで、無理なく保険料を支払うことができる保険を選びましょう。

貯蓄型の保険がおすすめの人
  • 不測の事態と老後の資金両方の対策をしたい
  • 長期間保険料を払うことになっても問題ない
  • 掛け捨て型の保険はもったいない

個人向け国債

個人向け国債とは、個人が購入できる国債のことです。

国債の償還期限は3年、5年、10年から選択でき、利率は0.05~0.17%(募集期間:令和4年11月4日~同11月30日の場合)。

満期3年、5年タイプは固定金利、10年タイプは半年ごとの変動金利が適用されます。

メリット デメリット
・債務者が国なので比較的安全性が高い
・途中で売却して現金化が可能・1万円から始められる
・信用度が高い国の国債ほど金利が低い
・金利が高い国債ほど元本割れのリスクがある

個人向け国債のリスクは、国の財政が破綻する可能性がゼロではないこと。

破綻すれば国債は紙切れとなってしまいます。

また、満期10年の場合は変動金利なので、金利変動リスクにも注意が必要です。

個人向け国債がおすすめの人
  • 比較的安全性が高く、かつ流動性のある資産が欲しい
  • 少額から投資を始めたい
  • 資金に余裕が出てきたら買い増ししたい

投資信託

投資信託とは、資産運用のプロが投資家から集めたお金を運用し、運用益を投資額に応じて投資家に分配する投資方法です。

投資先は、資産運用の専門家が決定します。

メリット デメリット
・投資をプロに任せられる
・手間がかからない
・元本割れすることがある
・手数料がかかる

投資信託には比較的ローリスク・ローリターンの「分散型投資信託」と、ハイリスク・ハイリターンの「アクティブ型投資信託」があります。

実際の運用内容はプロに一任するものの、ある程度はリスクとリターンをコントロールできます。

投資信託のリスクは、他の投資商品と同じく、元本割れの可能性があることです。

いくら資産運用をプロに運用を任せるといっても、100パーセント利益が出るとは限りません。

例えば、為替変動や株式の価格変動により運用資産が減ってしまう可能性があります。

投資は余剰資金で運用するのが、投資の基本的な考え方です。

投資信託がおすすめの人
  • ある程度リスクを負ってでも資産を増やしたい
  • 投資先の選定や運用をするだけの知識や時間がない
  • 少額から投資を始めたい

株式

株式とは、株式会社が出資をしてくれた人に対して発行する証券のことです。

株式を保有する人は「株主」となり、株主優待を受けられたり、株式会社の利益の一部を配当金として受け取れたりします

メリット デメリット
・上手くいけば大きなリターンを得られる
・配当金を継続的に受け取ることができる
・株価が暴落すると資産が大きく減ってしまう
・外国株式では為替変動リスクがある

例えば、株式会社が上場すれば株価が大きく上昇し、そのタイミングで株式を売却すれば大きな利益が手に入ります。

一方で、株式会社が不祥事や業績不振を起こせば株価は暴落します。

株式投資は不確実性が大きいため、余剰資金で行う方が賢明です。

株式投資がおすすめの人
  • ハイリスク・ハイリターンの投資がしたい
  • 投資に関する知識がある
  • 特定の業界の動向に詳しい

退職金を運用する際のポイント

退職金を運用する際のポイントは、以下の通りです。

  • 運用方針を決めておく
  • 投資先は分散させる
  • わからない場合はプロに相談する

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

運用方針を決めておくこと

退職金を運用する際は、必ず運用方針を決めてから運用を行いましょう。

なぜなら、運用方針によって適切な運用方法は異なるからです。

例えば、絶対に資産を減らしたくない場合は元本が保証される定期預金が向いています。

一方で、多少のリスクを許容できるのであれば、債券や投資信託の方が資産を大きく増やせる可能性があります。

運用方針を決める際は、現在の収支や将来必要な資金を把握する必要があるため、ライフプランを立てることが大切です。

投資先は分散させること

退職金の投資先は、なるべく分散させることが望ましいでしょう。

投資先を分散させることにより、万が一1つの投資先で損失が出てしまっても、ほかの投資先でカバーできるからです。

分散投資は、投資の基本でもあります。

例えば、株式を保有していた場合、株価が下がることによって資産が減りますが、同時に債権を保有しておくことである程度資産を守ることができます。

自分で投資先を決めるのが難しければ、投資先をプロに任せられる投資信託を利用するのも1つの方法です。

わからない場合はプロに相談しよう

自分で資産運用に関して判断するのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなどのお金の専門家に相談することをおすすめします

ファイナンシャルプランナーは、家計管理、税制、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度などお金に関する幅広い知識を持ち、相談者のサポートを行う専門家です。

ファイナンシャルプランナーに相談したいなら、インターネットで検索してホームページから問い合わせをしたり、知人から紹介してもらったりすると良いでしょう。

人によって得意分野や保有資格のレベルが異なるため、複数のファイナンシャルプランナーを比較することをおすすめします。

まとめ

老後にゆとりある生活を送るために、退職金の運用は重要です。

ただし、退職金の運用にあたってはハイリスク・ハイリターンを求めるより、長期的かつ着実に資産を増やせる方法を選びましょう。

退職金の運用方法で悩んでいる場合は、ファイナンシャルプランナーなどのプロの力を借りてみるのもおすすめです。

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