シングルマザー(母子家庭)で、子育てや生活に不安を抱えている人もいるでしょう。
「シングルマザーの生活費がいくらかかるのか?」「ほかのシングルマザーの年収や貯金額はいくら?」という疑問はありませんか。
シングルマザーが受けられる公的支援制度もあります。
この記事では、シングルマザーの生活費について解説します。
- シングルマザーの生活費
- シングルマザーの平均年収や貯金額
- シングルマザー向けの支援制度
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
シングルマザー(母子家庭)で、子育てや生活に不安を抱えている人もいるでしょう。
「シングルマザーの生活費がいくらかかるのか?」「ほかのシングルマザーの年収や貯金額はいくら?」という疑問はありませんか。
シングルマザーが受けられる公的支援制度もあります。
この記事では、シングルマザーの生活費について解説します。
まずは、シングルマザー(母子家庭)の生活費について、以下2つを解説します。
総務省統計局の調査によると、シングルマザー(母子家庭)の生活費は、1ヵ月に約23万円かかるとされます。
子どもが18歳未満の場合の、1ヵ月あたりの生活費内訳は下表の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
食費 | 5万6574円 |
住居費(持ち家含む) | 2万4414円 |
水道・光熱費 | 1万8599円 |
家具・家事用品 | 1万2905円 |
被服代 | 9,341円 |
保険医療代 | 5,905円 |
交通・通信費 | 3万3535円 |
教育費 | 1万3704円 |
娯楽費 | 1万9420円 |
その他・雑費 | 3万7681円 |
支出合計 | 23万2078円 |
シングルマザー(母子家庭)で貯金をしたいと考えている人は、住居費と食費の支出割合を50%以下に抑えるとよいでしょう。
支出別の金額の目安は、下表の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
食費 | 3万3000円 |
住居(持ち家含む) | 6万6000円 |
水道光熱費 | 1万7600円 |
家具・家事用品 | 6,600円 |
被服代 | 8,800円 |
保険医療代 | 6,600円 |
交通費 | 1万3200円 |
通信費 | 1万7600円 |
教育費 | 2万2000円 |
娯楽費 | 1万3200円 |
その他 雑費 | 15万4000円 |
食費と住居費は支出の中でも金額が大きいため、これらを抑えられるように家計を見直しましょう。
生活費は、生計を共にする子どもの人数によって変わります。ここでは、以下のように人数別に生活費をシミュレーションします。
子ども1人で、月の支出を23万円とした場合のシミュレーションは下表の通りです。
支出項目 | 支出額 |
---|---|
住居費 | 5万円 |
食費 | 3万円 |
日用品費 | 3万8000円 |
水道・光熱費 | 1万5000円 |
交通・通信費 | 1万5000円 |
教育費 | 2万円 |
娯楽費 | 1万円 |
衣服費 | 5,000円 |
保険・医療費 | 1万円 |
その他 雑費(貯蓄) | 3万7000円 |
支出 | 23万円 |
支出の比率が高い「住居費」は、地域や物件によっても差があります。家計が厳しい場合、固定費である「水道・光熱費」「通信費」などから支出を見直すことをおすすめします。
子どもが増えると、必然的に生活費も増えます。子ども2人の場合のシミュレーションは、以下の通りです。
支出項目 | 支出額 |
---|---|
住居費 | 6万円 |
食費 | 3万5000円 |
日用品費 | 4万5000円 |
水道・光熱費 | 1万8000円 |
交通・通信費 | 1万8000円 |
教育費 | 2万5000円 |
娯楽費 | 1万2000円 |
衣服費 | 8,000円 |
保険・医療費 | 1万2000円 |
その他 雑費(貯蓄) | 1万2000円 |
支出合計 | 24万5000円 |
子どもが2人いる場合、生活費の目安は約24万5000円です。
最後に、子どもが3人いる場合を見てみましょう。
支出項目 | 支出額 |
---|---|
住居費 | 7万円 |
食費 | 4万円 |
日用品費 | 5万円 |
水道・光熱費 | 2万円 |
交通・通信費 | 2万円 |
教育費 | 3万円 |
娯楽費 | 1万5000円 |
衣服費 | 1万円 |
保険・医療費 | 1万5000円 |
その他 雑費(貯蓄) | 3,000円 |
支出合計 | 27万3000円 |
子どもが3人いる場合、約27万3000円が目安です。人数が増えるにつれ、食費や日用品費、教育費などが増える傾向にあります。
ここではシングルマザー(母子家庭)の年収や貯金事情について、以下を解説します。
シングルマザーとそれ以外の平均年収を比較すると、以下の通りです。
全体と比較して、シングルマザーの平均年収は少ないことがわかります。
月収にすると約22万円で、手取りは約18万円です。
前述の通り、シングルマザーの平均生活費は約23万円のため、平均月収以下だと生活費が足りなくなってしまう可能性があります。
続いて、シングルマザーの貯金額を見てみましょう。
シングルマザーの平均貯金額は約422.5万円ですが、貯金がない世帯も一定数います。また、貯金50万円未満も12%となっています。
収入を安定させるためには、就業形態が重要です。
厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、シングルマザーの就業状況は、以下の通りです。
正規雇用 | 44.2% |
---|---|
派遣社員 | 4.6% |
パートアルバイト | 43.8% |
会社役員 | 0.9% |
自営業 | 3.4% |
家族従業者 | 0.5% |
その他 | 2.5% |
正社員の場合、突然解雇になるリスクが低く、賞与にも期待できるため、収入が安定します。副業が可能な企業も増えているため、収入を安定させるために検討してみましょう。
シングルマザー(母子家庭)は、公的支援制度を活用して生活費を補いましょう。
ここでは、以下8つの公的支援制度を解説します。
児童手当は、母子家庭だけでなく、子どもを養育している家庭すべてが受けられます。
支給額や条件は、以下の通りです。
支給額は子どもの数や所得控除額によって異なります。詳細は、児童手当の申請先である市区町村役場に確認しましょう。なお2024年10月から所得制限が撤廃され、給付金額が拡充される予定です。
児童手当については、こちらの記事『児童手当の金額はいくら?申請方法と支給月について解説』でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
児童扶養手当は、一定以下の収入があるひとり親家庭を対象にしています。
対象は、18歳誕生日後の最初の3月31日まで(障害児の場合は20歳未満)です。
支給される金額は、以下の通りです。
第一子 | 全額支給:月額4万3070円 一部支給:月額1万160~4万3060円 |
---|---|
第二子 | 全額支給:月額1万170円加算 一部支給:月額5,090~1万160円加算 |
第三子 | 全額支給:月額6,100円加算 一部支給:月額3,050~6,090円加算 |
児童扶養手当には所得制限があり、扶養人数によって制限額は変わります。子ども1人を扶養している場合の所得制限額は、以下の通りです。
年収によって受給できる金額は異なるため、市区町村役場に確認しましょう。
児童扶養手当の場合は、同居家族の所得も審査の対象になるので要注意です。
自治体ごとに独自の児童手当が設けられているケースがあるので、確認してみましょう。
例えば、東京都の場合は「児童育成手当」があります。
児童育成手当の対象は、18歳の誕生日後の最初の3月31日まで(障害児の場合20歳未満)で、支給額は以下の通りです。
各自治体によって設けられている育成手当は違うため、市区町村役場に確認しましょう
ひとり親家庭等医療費助成制度は、シングルマザーの親子が病院で診察を受けた場合に、負担額を減額できる制度です。
自治体が実施している制度であり、中身は市区町村で異なります。
例えば東京都は、通院の年間上限が14万4000円です。加えて住民税非課税世帯は負担額が0円になります。
シングルマザーで収入が少ない場合、申請すると、国民年金保険や国民健康保険料の減額・免除を受けられます。
保険料免除・納付猶予の承認基準(所得の基準)は、以下の通りです。
免除割合・納付猶予 | 条件 | 計算式 |
---|---|---|
全額免除 | 前年所得が計算式で計算した金額の範囲内である | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
4分の3免除 | 前年所得が計算式で計算した金額の範囲内である | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
半額免除 | 前年所得が計算式で計算した金額の範囲内である | 128万円(※)+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
4分の1免除 | 前年所得が計算式で計算した金額の範囲内である | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
納付猶予制度 | 前年所得が計算式で計算した金額の範囲内である | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
シングルマザーで夫と死別していた場合は、遺族基礎年金や遺族厚生年金を受け取れるケースがあります。それぞれ受け取れる条件は、以下の通りです。
遺族年金は、夫によって生計を維持していた遺族が受け取れる制度です。死別した夫の納付状況や年齢などに条件があるので、詳細は日本年金機構で確認しましょう。
子どもが高校に在学している場合、授業料の負担を軽減するための支援制度があります。
日本国内に居住している高校生が対象で、支給額は以下の通りです。
高等学校等就学支援制度には、所得要件が存在します。具体的には、世帯年収約910万円未満の生徒が対象です。
原則、入学時の4月に必要な書類を学校に提出すると、支援を受けられます。
自治体によっては、ひとり親向けの住宅支援制度があります。
支援内容は自治体によって異なりますが、家賃の一部を助成されたり、公営住宅への入居が優先されたりします。
例えば、東京都の公共社宅(ひとり親世帯入居サポート)で受けられる支援は、以下の通りです。
このほかにも受けられる住宅支援はあるため、自治体に確認してみましょう。
シングルマザー(母子家庭)で生活費に悩んでいる場合、ファイナンシャルプランナー(FP)への無料相談をおすすめします。
日々の子育てや仕事で忙しいなか、毎月の生活費を見直すのは大変です。各支援制度の情報を集めるにも時間と手間がかかります。
しかし無料のFP相談ならば、現状を整理して伝えるだけで、生活費に関する提案を受けられます。これまで選択肢になかった節約方法などの提案も受けられるでしょう。
FP相談を検討している方は、以下の記事も参考にしてください。
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シングルマザーでお金の不安があるのなら、この記事を参考に自分に合ったFP相談サービスを見つけてください。
シングルマザーの平均年収は約230万円で、月収にすると約22万円です。母子家庭における月々の生活費は23万円程度であるため、平均月収以下の場合は生活費が不足する可能性があります。
シングルマザーには、パートやアルバイトで生計を立てる人も多くいます。正社員に就業形態を変更できると、突然解雇になる可能性も低く、賞与を得られるケースもあるため収入は安定するでしょう。
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