子どもはよくケガや病気にかかります。
そのたびにかかる通院費用や薬代、予防接種などの医療費が家計を圧迫する心配も出てきます。
そんな子育て世帯を助けてくれる制度が「子ども医療費助成制度」と、予防接種の「定期接種」です。
それぞれどのような制度なのか、詳しく解説します。
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子どもはよくケガや病気にかかります。
そのたびにかかる通院費用や薬代、予防接種などの医療費が家計を圧迫する心配も出てきます。
そんな子育て世帯を助けてくれる制度が「子ども医療費助成制度」と、予防接種の「定期接種」です。
それぞれどのような制度なのか、詳しく解説します。
子ども医療費助成制度とは、どのような制度なのでしょうか。
何歳までが無料になるのか、医療費の何が自己負担になるのか、対象にならない場合はあるのかを、順番に解説します。
病院を受診すると医療費が発生します。
しかし、健康保険を利用することで医療費の自己負担額が大きく減ります。
大人が病院を受診し、健康保険を使える診察を受けた場合、支払う費用は本来かかった医療費の3割になります(一般・低所得者のうち、70~74歳は2割、75歳以上は1割)。
例えば、5,000円の医療費がかかる診療を受けた場合でも、7割の3,500円は健康保険が負担してくれるので、実際に支払うのは1,500円で済みます。
これが、医療費の自己負担分になります。
子どもの場合は小学校入学前までは自己負担は2割、入学後は3割です。
つまり、小学生以降は大人と同じ自己負担割合ということになります。
ただし、これは公的な健康保険だけの場合です。
そして、子どもにかかる医療費の自己負担がより軽くなるように、都道府県や各自治体では「子ども医療費助成制度」を設けています。
この制度によって、子どもの医療費の負担が少なくなる、あるいは無料になりします。
助成内容は、都道府県や各自治体で異なっており、所得制限の有無・助成期間・自己負担の有無が一律ではありません。
子ども医療費助成制度は、都道府県によって定めている助成期間が異なります。
下記は東京都の規定で、小学校入学前後で助成内容が変わります。
乳幼児医療費助成制度(マル乳) | 義務教育就学児医療費の助成(マル子) |
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出典:東京都福祉保健局|乳幼児医療費助成制度(マル乳)、義務教育就学児医療費の助成(マル子)
さらに、自治体ごとに独自で助成制度を設けている場合もあります。
たとえば、東京都の北区と千代田区は、下記のように助成の範囲が広くなっています。
東京都北区 |
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東京都千代田区 |
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出典:北区|子ども医療費助成制度の拡大
出典:千代田区|こども医療費助成制度(乳幼児~義務教育就学児)、高校生等医療費助成制度
18歳まで一部負担金もなく、医療費が無料というのはとても手厚い制度です。
ちなみに、隣の埼玉県*では、県内23市町村で、通院と入院ともに18歳になる年度の3月末まで無料になっています。(2020年4月1日現在)
出典:埼玉県|乳幼児医療費助成制度
また、自治体によって保護者の所得制限が設定されている場合もあり、助成が受けられなかったり、一部負担金が最大1,000円や1,500円*になったりすることがあります。
出典:広島市|こども医療費の補助
東京都港区 |
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調布市 |
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出典:港区|子ども医療費助成
出典:調布市|乳幼児医療費助成制度、義務教育就学児医療費助成制度
このように、自治体によって助成期間や一部負担金の有無・金額などがさまざまですので、お住まいの地域の制度を事前に確認しておくと良いでしょう。
子どもの医療費の負担を軽減してくれる子ども医療費助成制度ですが、実は医療費のすべてが無料になるわけではありません。
子ども医療費助成制度で無料になるのは、健康保険の自己負担額で、下記の内容にかかる費用は自己負担になります。
通院の場合 | 入院の場合 |
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子ども医療費助成制度は、子どもなら誰でも医療費が無料になるわけではありません。
下記の条件に当てはまる場合は助成が受けられないことに留意しておきましょう。
子どもの予防接種には、無料で受けられる「定期接種」と、費用の自己負担が必要な「任意接種」があります。
定期接種と任意接種はなにが違うのか、またその種類など詳しく解説します。
定期接種と任意接種の違いは下記のとおりになります。
定期 接種 |
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任意 接種 |
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出典:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構|医薬品副作用被害救済制度に関する業務
定期接種と任意接種は、接種費用が無料と有料に分かれていますが、どちらも感染症を防ぐ重要な予防接種です。
また、任意接種なら受けなくてもいいというわけではありません。
効果も安全性も十分に確認されています。
例えば、B型肝炎ワクチン*は2016年10月から、ロタウイルスワクチン*も2020年10月から定期接種となりました。
任意接種は、費用が自己負担というデメリットはあるものの、子どもの感染症を予防できるという大きなメリットがあります。
万が一感染症にかかり、後遺症が残る、あるいは命に関わるようなことを防ぐためにも、できるだけ任意接種も受けることが望ましいです。
日本での定期接種のワクチンは、下記の11種類が認められています(2020年10月現在)。
定期接種は接種期間が定められており、
この期間内に接種をすれば費用が無料になります。
ただし、ワクチンは一定の間隔を空けて接種する必要があり、定期接種が可能な期間内に接種が終わるように、スケジュールを立て計画的に受けるようにしましょう。
ワクチンの種類 | 回数 | 定期接種が可能な年齢 |
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4回 | 生後2ヶ月~ 5歳の誕生日前日まで |
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4回 | 生後2ヶ月~ 5歳の誕生日前日まで |
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3回 | 1歳の誕生日前日まで |
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2回 | 1価: 生後6週~24週0日まで 5価: 生後6週~32週0日まで |
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4回 | 生後3ヶ月~ 7歳6ヶ月まで |
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1回 | 11歳~ 13歳の誕生日前日まで |
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1回 | 1歳の誕生日前日まで |
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2回 | 1回目: 1歳~2歳の誕生日前日まで 2回目: 5歳~7歳の誕生日前日まで |
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2回 | 1歳~3歳の 誕生日前日まで |
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4回 | 1-3回目: 生後6ヶ月~ 7歳6ヶ月まで 4回目: 9歳~13歳の 誕生日前日まで |
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3回 | 2価: 10歳~高校1年生まで 4価: |
出典:公益社団法人 日本小児科学会|日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール
定期接種を受けるか最終的な判断をするのは、本人またはその保護者で、接種を受けるよう努めなければならない努力義務とされています。
しかし、命に関わる感染症を防ぐためにも、定期接種を受けることが推奨されています。
日本小児科学会での任意接種は下記の2種類が推奨されています。
これらも自治体によっては、費用の一部または全額を負担している場合があります(2020年10月現在)。
ワクチンの種類 | 回数 | 任意接種が可能な年齢 |
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2回 | 1歳~7歳の 誕生日前日まで |
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生後6ヶ月~ 12歳まで: 2回 13歳以上: 1回(2回も可) |
生後6ヶ月~ |
出典:公益社団法人 日本小児科学会|日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール
そのほかにも、一例ですが下記のような任意接種のワクチンがあります。
出典:NIID国立感染症研究所|日本で接種可能なワクチンの種類
これは、日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールに含まれておらず、海外に渡航する予定のある場合に接種しておくと良いワクチンです。
渡航する国や地域によっては接種が推奨されるワクチンがあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
<コラム>予防接種の管理はアプリが便利!?
予防接種のスケジュールは、ワクチンによって接種の間隔を空ける、同時に接種をするなど、病院の先生や健診の際に保健師さんから説明を受けます。
しかし、どのワクチンを何歳までに何回接種すれば定期接種の期間にすべて打ち終わるのかが簡単には把握できないため、とても大変な思いをされている親御さんは多いのではないでしょうか。
予防接種のスケジュールは、自治体からもらった母子手帳や予定表に書き込むほかに、スマホアプリで管理をする方法があります。
ここでは、いくつか予防接種の管理アプリをご紹介します。そのほかにも様々な種類のアプリがあるため、使いやすいアプリを選んで利用してみてください。
小児科医推奨!予防接種スケジューラー (赤ちゃん・子育て母子向け)
兄弟や姉妹など複数の子どもの予防接種スケジュールの管理が大変な方におすすめ。
ワクチンの説明も詳しく掲載されているので安心です。
ワクチンノート
-赤ちゃんの予防接種スケジュールを簡単管理-
予防接種のスケジュール管理のためのアプリ。
シンプルで、生後何ヶ月で何を接種するといいかという接種プランが一覧で見られるため、予定が立てやすいです。
母子手帳アプリ 母子モ~電子母子手帳~
予防接種のスケジュールだけでなく、健診の記録や地域の子育て情報などがアプリ一つで分かるため、成長の記録を残したい方におすすめです。
子ども医療費助成制度や定期接種のほかにも、子どもが受けられる助成制度はたくさんあります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
子ども医療費助成制度と定期接種は、どちらも子育て世帯の家計を助けてくれる制度であり、子どもの健康を守るために不可欠な制度です。
子ども医療費助成制度については、地域によって助成内容が大きく違っているため、他の自治体への引っ越す際は、事前に自治体のホームページを確認しておきましょう。
定期接種については、接種時期や回数を確認し、期間内に接種が終わるようにスケジュールを組んでおくのがおすすめです。
予防接種時期を管理するスマートフォンのアプリもありますので、必要に応じて利用してみましょう。
子どもの成長に伴い、教育資金の準備や、急な病気やケガに備えておくことも必要です。
家計の見直しや、子どもの保険について検討されている方は、ファイナンシャル・プランナー(FP)へ相談してみてはいかがでしょうか。下記よりお気軽にお問い合わせください。
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