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【奨学金】日銀の追加利上げで返済金利も上昇する?過去の記録から予想

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

日銀は7月31日に、政策金利を0.25%程度に引き上げると決定しました。

マイナス金利政策の解除を実施した3月以降、追加の利上げとなります。

金利が引き上げられると、奨学金の利率も高くなる可能性が高いです。

この記事では、日銀の金利が引き上げられると奨学金の金利がどのように変化するのかについて解説します。

日銀の利上げ

2024年に入って、日銀は金利を2度引き上げています。

  • マイナス金利政策の解除(2024年3月)
  • 金利の追加利上げ(2024年7月)

2024年3月に実施されたマイナス金利政策の解除では、それまでマイナスだった金利を0%から0.1%程度プラス水準に変更しました。

また、7月には政策金利の追加利上げを決定し、8月からは、政策金利を0.25%程度に引き上げています。

では、金利の引き上げは、奨学金の返済金利にどのように影響があるのでしょうか。

政策金利と奨学金の金利の関係

日本学生支援機構が調査した「学生生活調査」によると、奨学金の受給割合は増加傾向にあります。

それぞれの受給割合は、以下の通りです。

  • 大学学部(昼間部):55.0%
  • 短期大学(昼間部):61.5%
  • 修士課程:51.0%
  • 博士課程:58.9%
  • 専門職学位課程:41.4%

奨学金は、基本月額と増額部分に分かれます。

  • 基本月額:毎月の返済額
  • 増額部分:基本月額に上乗せした返済額

それぞれの項目で、返済利率が異なります。

マイナス金利政策が導入された2016年と、金利が上昇した2024年の貸与利率がどのように変化したか確認しましょう。

マイナス金利が導入された年の貸与利率

日銀がマイナス金利政策を導入した2016年前後の、貸与利率の推移は下表の通りです。

出典:日本学生支援機構「平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率」をもとに作成(以下同)

マイナス金利政策が導入された2016年1月前後で、奨学金の返済利率は減少しています。

次に、金利が引き上げられた場合の返済利率がどのように推移したのか確認しましょう。

2024年の貸与利率

次に、金利が引き上げられた2024年3月前後の、貸与利率の推移は下表の通りです。


出典:日本学生支援機構「平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率」をもとに作成

マイナス金利政策が解除された3月から4月にかけて、奨学金の返済利率が上昇しています。

7月に政策金利の追加利上げが発表されたため、8月以降、奨学金の金利も引き上げられる可能性が高いです。

教育ローンに影響が出る可能性も

政策金利の引き上げは、「教育ローン」にも影響が生じます。

2024年5月時点の教育ローンの金利は、年2.40%です。

今後、追加の利上げによって教育ローンの返済金利も上昇する可能性があります。

奨学金や教育ローンの金利が上がると、返済額が上昇するので家計の負担が増加します。

今後の金利変動が奨学金の返済金利にどう影響するか、注目が集まります。

出典
  • 日本学生支援機構「平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率」

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