退職する日が近づいてくると、退職金をどのように使うか考える機会が増えるでしょう。
今年は新NISAがスタートしたことや、株高が続いていることから資産運用に関心がある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、退職金をもらったら運用をおすすめする理由とポイントについて解説します。
退職金1000万円もらったらどうする?運用をおすすめする理由とポイントを解説
マネーFix 編集部
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退職金の運用をおすすめする理由
退職金をもらったら老後の生活費のために、預貯金しておこうと考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、銀行に預貯金しておくことは必ずしも良い方法とはいえません。
老後の生活のために退職金を有効活用したい場合は、運用をすることがおすすめです。
その理由は、以下の通りです。
- 年金だけの生活では厳しいから
- 預貯金だと価値が目減りする可能性があるから
年金だけの生活では厳しいから
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金受給額は年々減少しています。
例えば、厚生年金保険の受給者平均年金月額の推移を見てみると、2018年時点で14万5865円、2022年時点で14万4982円です。
また、国民年金受給者の令和4年度の平均年金月額は5万6428円となっています。
月々の生活費は人によって異なりますが、物価高が続いている中、年金だけでの生活は厳しいといえるでしょう。
預貯金だと価値が目減りする可能性があるから
銀行の普通預金は金利が低いため、預けておいてもお金が増えることはありません。
そのため、退職金を預貯金しておくだけでは、お金の価値が目減りする可能性があります。
物価が上昇すると、いままでと同じ値段で同じモノを買うことができなくなります。
預金通帳に記載された1000万円という金額が変わっていなくても、物価が上がると1000万円でできることが減ってしまうのです。
つまり、お金の価値が目減りするということです。
お金の価値を目減りさせないためにも、運用をして資産を増やすことがおすすめです。
退職金を運用する際のポイント
運用をした方がよいといっても、やみくもにすべきではありせん。
投資なので株価が上がるときもあれば、下がるときもあります。
より安全に投資をするために、運用をする際は以下のポイントを意識することがおすすめです。
- 長期運用を前提にする
- 分散投資をする
- NISAを活用する
長期運用を前提にする
運用をする際に避けたいのが短期勝負の運用です。
短期的な投資方法は基本的にハイリスク・ハイリターンなので、運用に失敗すると多くの資産を失ってしまう可能性もあります。
投資は、必ず価格が上がるとは限りません。
価格が下がったとしても、後に価格の回復を待てるよう、長期運用を前提に投資をするようにしましょう。
分散投資をする
投資先を1つだけに絞って運用した場合、失敗した際に大きな損失になる可能性があります。
退職金は老後の生活を支える大切なお金なので、できるだけリスクを分散させて投資することが大切です。
例えば株式と債券のように、値動きが異なる複数の投資対象に分けることで、リスク分散ができます。
また投資時期を分散する、投資先の地域・国を分散することもおすすめです。
分散投資をすることでより安定したリターンが見込めるようになります。
NISAを活用する
通常、株や投資信託で得た利益には20.315%の税金がかかります。
しかし、NISAを活用することで、運用益を非課税にすることができます。
またNISAの対象商品は、金融庁がチェックをしているため、比較的低リスクで安全な商品が多いです。
退職金は老後の大切な生活資金なので、高リスクな商品は避ける方がよいでしょう。
さらにNISAで取り扱っている商品は、ノーロードと呼ばれる購入手数料がかからない商品が多く取り揃えられています。
退職金1000万円の運用シミュレーション
退職金1000万円を運用した場合、10年後にどのくらい資産が増えているかシミュレーションをしてみました。
一括投資
退職金1000万円を一括で株や投資信託に投資した場合は、以下の通りです。
- 年利2%:1219万円
- 年利3%:1343万9000円
- 年利4%:1480万2000円
- 年利5%:1628万9000円
- 年利6%:1790万8000円
普通預金(年0.02%)に10年預けても1002万円にしかなりません。
投資する商品によって期待できる利率は異なりますが、上手く運用をすることで大きく資産を増やすことが期待できます。
積立投資
退職金1000万円を10年間積立投資した場合のシミュレーション結果は、以下の通りです。
毎月積立額は8.3万円で計算しています。
- 年利2%:1100万6000円
- 年利3%:1157万4000円
- 年利4%:1217万6000円
- 年利5%:1281万2000円
- 年利6%:1348万5000円
積立投資は、一括投資に比べて利益が少ない結果になりました。
まとまった資金を積立投資で少額ずつ投資する場合、その資金の大半は、当面の間は投資に回らず利益を生まない点には注意が必要です。
自分にはどちらの投資方法が合っているのか検討してから投資をしましょう。