こども家庭庁は、夏休みの時期だけ児童を預かる「サマー学童」に、補助金制度を創設すると発表しました。
2025~2026年度に実施される見通しです。
この記事では、サマー学童に補助金制度を創設する目的や、実施時期について解説します。
夏休み限定「サマー学童」に補助金を創設へ。待機児童の解消はいつになる?
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
補助金制度の概要
学童保育クラブには、国や都道府県、市町村から補助金が交付されています。
出典:こども家庭庁「令和6年度 放課後児童対策・こども・子育て支援関連予算 概算要求の概要」
学童保育クラブが補助金の交付を受けるには、さまざまな要件を満たす必要があります。
- 原則として年間250日以上の開所が必要
- 年間250日以上の開所が必要ない場合は、年間200日以上の開設でも特例で可
- 学校の授業がない日は1日8時間の開所が必要
- 学校の授業のある日は1日3時間の開所が必要
しかし、サマー学童は上記の要件を満たしていないため、補助金は交付されていません。
共働き世帯が増加し、サマー学童への需要が増える中、補助金制度を創設することによって、待機児童の解消が期待されています。
新たに検討されている補助金制度は、以下の2つです。
- 夏休みの期間30~40日開所するサマー学童に補助金を出す
- 夏休みだけクラスを増設する学童保育へ補助金を上積みする
補助金額については、今後検討を重ねて決める予定です。
補助金制度が導入される背景とは?
サマー学童への補助金制度が検討されている背景には、待機児童の解消があります。
こども家庭庁の調査によると、2024年5月時点で、学童保育を希望して入れなかった児童数は1万8462人で、過去最多となりました。
共働き世帯では、夏休み期間、低学年の子どもを自宅で留守番させなければならず、就業時間を調整したり、場合によっては離職をせざるを得なかったりするという状況があります。
こうした問題は「小1の壁」と呼ばれ、安心して働くために解決すべき課題とされてきました。
補助金導入はいつを予定?
サマー学童への補助金制度は、2025~2026年度に実施される予定です。
2024年にサマー学童に関する全国調査を実施し、自治体の取り組みや利用状況を確認します。
調査結果を踏まえて、補助金制度の具体策を策定する方針です。
学童保育の待機児童問題を解消するために、どのような補助金制度がとりまとめられるのか、注目が集まります。
- こども家庭庁「令和6年度 放課後児童対策・こども・子育て支援関連予算 概算要求の概要」