2024年5月31日に、マイナンバー法の改正案が成立しました。
これによって、マイナンバーカードの氏名や住所、顔写真などの情報をスマートフォンに搭載できるようになりました。
今回の法改正によって、マイナンバーカードを搭載したスマホで何ができるようになるのでしょうか。
マイナカード搭載スマホが便利になる。カード不要で本人確認や各種手続き可能に。2025年にはiPhoneも対応
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
改正マイナンバー法で変わること
現在、マイナンバーカードでできることは、以下の5つです。
- 個人番号を証明できる
- 1枚で本人確認ができる
- 証券口座開設など民間のオンラインサービスで使える
- コンビニで住民票の写しなどの公的な証明書を取得できる
- 健康保険証として利用できる
現在、マイナンバーカードが搭載されたスマホでできるのは、以下の通りです。
- マイナポータルへのログイン:子育て支援や引越しの手続きがオンラインで申請可能
- コンビニ交付サービスの利用:各種証明書のコンビニ交付サービスが利用可能
マイナンバー法が改正されることで、マイナンバーカードの氏名や住所、顔写真などの情報をスマホに搭載できるようになりました。
これによって、マイナンバーカードの機能がすべてスマホに搭載できるようになります。
例えば、身分証明が必要な場面で、マイナンバーカードを持っていなくても、スマホの画面を提示すれば身分証明ができるようになります。
また、民間のオンラインサービスを利用する際、スマホでマイナカードを読み取ったり、暗証番号を入力したりする必要もなくなります。
改正マイナンバー法で見込まれるメリット
今回の改正で見込まれるメリットは、以下の通りです。
- 銀行口座や証券口座の開設手続きが簡素化
- 年齢確認がスマホで完結
銀行口座や証券口座の開設手続きが簡素化
スマホにマイナンバーカードの機能が搭載されると、カードの読み取りや暗証番号の入力が不要になります。
これまでは、銀行口座や証券口座の開設の際に、本人確認のためにマイナンバーカードをスマホで読み取り、カードを撮影したりする必要がありました。
今後は、カードが手元になくても、スマホ1台で手続きが可能になります。
年齢確認がスマホで完結
マイナンバーカードの情報をスマホ画面に表示できるようになるため、年齢確認や本人確認がスムースになります。
例えば、お酒やたばこを購入するには、身分証明書の提示が必要な場合がありますが、スマホの画面を提示すれば購入できるようになります。
対応する端末は?
現在、マイナンバーカードの搭載に対応しているのは、Androidスマホのみです。
2025年春には、iPhoneにもマイナンバーカードの機能が搭載できるようになる予定です。
今後は、スマホにマイナンバーカードの情報を搭載しておくことで、スマホ1台でさまざまな手続きやサービスが利用できるようになるでしょう。
利用にあたっての注意点
スマホにマイナンバーカードを搭載する際に、気を付けておくポイントは、次の2つです。
- 失効の手続き
- 一時利用停止の手続き
失効の手続き
失効の手続きは、スマホ電子証明書を無効にする手続きになります。
失効の手続きが必要なケースは以下の通りです。
- スマートフォンを下取・買取に出す
- スマートフォンを回収・廃棄してもらう
- スマートフォンを修理に出す
失効手続きは、マイナポータルアプリから行えます。
法律により、販売店では失効手続きの代行ができないので、自分で行う必要があります。
機種変更などでスマートフォンを手放す際は、手続き漏れがないように注意しましょう。
一時利用停止の手続き
一時利用停止の手続きが必要なケースは以下の通りです。
- スマートフォンを紛失したとき
- スマートフォンが盗難にあったとき
一時停止の手続き方法は、マイナンバー総合フリーダイヤルに連絡して、スマホ電子証明書の一時利用停止を申請します。
もしスマートフォンが手元に戻ってこない場合は、失効手続きが必要になります。