少子高齢化が進む中、政府や自治体によるさまざまな少子化対策が実施されています。
自治体によっては、多額の子育て応援金や、入学祝金を実施している所もあります。
この記事では、子育て支援が充実している自治体とその支援策について解説します。
子育てしやすい自治体はどこ?最大200万円の子育て応援金や、入学祝金を支給する自治体も
マネーFix 編集部
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約半数が感じる子育て環境の地域間格差
株式会社トラストバンクが、小学生以下の子どもを持つ20代以上の1,063名を対象に「子育て環境の地域間格差と行政サポートに対する意識調査2024」を実施しました。
出典:株式会社トラストバンク「子育て環境の地域間格差と行政サポートに対する意識調査2024」(以下同)
子育て環境に関する地域間の格差があるかについては、「ややそう思う」(45.9%)が最も多く、「そう思う」(34.9%)と続きました。
全体の80.8%が子育て環境に地域間の格差があると回答しています。
地域間格差がより大きいと感じるものについては、「子育て関連の施設・設備が充実しているか」(51.1%)が最も多く、「子育て関連の補助金・助成金が充実しているか」 (44.0%)、「学校や園以外で子どもが多様な経験を得られるか」(42.7%)と続きました。
約半数の人が、子育てをサポートする施設や補助金について、自治体によって差があると感じているようです。
出産・育児をきっかけとして引っ越しをした経験については、「ない」(53.1%)、「ある」(44.1%)となりました。
4割以上の人が、出産や育児をきっかけに引っ越しの経験があることがわかりました。
引っ越す前に住んでいた地域の子育て環境における不安・不満については、「自治体による交付金・補助金制度」(39.7%)が最も多く、「交通機関や買い物の利便性」(33.7%)、「自治体による仕事との両立支援策」(28.8%)と続きました。
子育てにかかる負担を金銭面やソフト面、ハード面において、自治体がどれくらいサポートしてくれるかが重要なようです。
子育て支援が充実している自治体
ここでは、子育て支援に力を入れている自治体の事例を2つ紹介します。
東京都葛飾区
東京都葛飾区には、妊娠期・出産・育児期の3段階において、さまざまな給付や助成サービスがあります。
妊娠期には、「マタニティパス」として、交通系ICカードにチャージ可能な電子マネー6,000円分が給付されます。
また、「妊娠子育て応援券」として商品券1万円分や、「出産応援ギフト」としてクーポン5万円分が給付されます。
出産期には、「かつしか出産応援給付金」として現金5万円、「子育て応援ギフト」としてクーポン10万円分が給付されます。
さらに、育児期には、「1歳児子育て応援券」として商品券1万円分が給付されます。
令和6年度からは新たに「子ども2人乗せ自転車等購入費助成事業」が始まりました。
子どもを乗せられる自転車の購入費用の半額を、5万円を上限に助成する制度です。
大分県豊後高田市
大分県豊後高田市は、全国トップレベルの子育て支援を目指しています。
「子育て応援誕生祝い金」は、妊娠・出産時に5万円ずつ合計10万円が支給されます。
第3子の場合、1歳と2歳に達した際に各20万円、第4子の場合、1歳と2歳と3歳に達した際に各30万円ずつ祝い金が支給されます。
第5子以降は、6歳に達するまで、毎年30万円ずつ、最大200万円が支給されます。
このほか、保育園・幼稚園・小中学校の給食費はすべて無料、医療費が高校生まで無料、市営塾が無料など、子育てしやすい環境が整備されています。
令和6年度からは、子どもの小中高校入学時に「入学祝い金」として5万円が支給されます。
国の異次元の少子化対策
政府は異次元の少子化対策として、出産一時金を42万円から50万円へ増額したり、出産・子育て応援給付金10万円分を支給したりしています。
さらに、2024年10月からは児童手当の所得制限が撤廃され、児童手当の支給対象年齢が18歳まで延長されます。
今後の支援策としては、出産費用の保険適用化や3人以上世帯の大学授業料や入学金無償化なども検討されています。
政府の支援を受けつつ、さらに自治体の支援が受けられれば、子育てにかかる家計への負担も軽減されるでしょう。
自治体の子育て支援については、各自治体のWebサイト等で確認してみてください。
- 株式会社トラストバンク「子育て環境の地域間格差と行政サポートに対する意識調査2024」