東京都は、卵子凍結にかかる費用の助成規模を拡大します。
2023年度に実施した助成への反響が高かったため、2024年度も継続して実施することが決まりました。
最大で30万円の助成が受けられます。
この記事では、卵子凍結の助成制度や対象者について解説します。
【最大30万円】東京都が卵子凍結の費用を助成。ほかの自治体や支援サービスも解説
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
東京都の支援内容
助成の対象となるのは、東京都に住む18~39歳までの女性です。
助成規模を2,000人に増やして実施されます。
採卵準備のための投薬・採卵・卵子凍結が対象です。
すでに不妊症の診断を受けていて、不妊治療のために採卵・卵子凍結をする人は、助成の対象になりません。
助成金の内訳
卵子凍結にかかわる費用の助成額は、最大30万円です。
卵子凍結をした年度に、上限20万円の助成金が支給されます。
その後、保管更新時の調査に回答した場合、一律2万円を最大5年間にわたって支給する予定です。
実際に卵子凍結を受ける場合は、登録されている医療機関で実施する必要があります。
助成金支給までの流れ
助成金が支給されるまでの流れは、以下の通りです。
- 説明会への参加
- 調査協力申請、決定通知書受領
- 登録医療機関を受診
- 卵子凍結の実施後に助成金を申請
- 助成金を受給
2024年度の説明会は、5月中旬の開催を予定しています。
自治体や保険による支援も
卵子凍結にかかる費用は、健康保険の適用外なので、全額自己負担となります。
そのため、クリニックにもよりますが30万~50万円の費用が必要です。
東京都が実施している助成のほかに、どのような支援があるのか確認しましょう。
山梨県でも助成スタート
山梨県では、卵子凍結にかかわる費用を助成する方向で調整を進めています。
助成額の上限は、年間20万円とする見通しです。
対象年齢は設けず、2024年度から実施する予定です。
詳しくは、山梨県から発表される情報を待ちましょう。
保険商品の販売もスタート
三井住友海上火災保険は、凍結した卵子を対象にした保険商品の販売を、4月から開始しました。
38歳以下で、LIFEBANKが提供する卵子バンクを利用したすべての凍結卵子が対象です。
未受精卵子の凍結後、融解までの間に、偶然な事故によって凍結卵子に生じた損害を補償します。
保険料は、LIFEBANKが負担するため、利用者が自己負担する必要はありません。
卵子凍結にかかわる行政や民間のサポートは、高い関心事になっています。
今後の動向に注目が集まります。