2024年は、公的年金にかかわる財政の健全性をチェックする「財政検証」が実施される年です。
公的年金は、物価や賃金の変動状況を踏まえて決められます。
では、2024年度の支給額は、2023年度と比べてどのように変わったのでしょうか。
この記事では、公的年金の支給額や支給日について解説します。
2024年度の年金支給額は2.7%引き上げ。支給スケジュールを確認
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
2024年度の年金額と支給日
公的年金の支給額は、毎年改定されます。
2024年度の年金支給額は、2023年度から原則2.7%引き上げとなりました。
老齢基礎年金と老齢厚生年金の支給額は、それぞれ以下の通りです。
出典:日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
2023年度と比較して、国民年金は月額1,750円、厚生年金は月額6,001円増額となりました。
公的年金は、2ヵ月に1回、偶数月に支給されます。
支給日は15日です。15日が土日祝日の場合は、直前の平日に支給されます。
支払月と支払対象月は、以下の通りです。
出典:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
原則として、支払月の前2ヵ月分の年金が支給されます。
2024年度分の年金支給日は、以下の通りです。
- 2024年6月14日(金)
- 2024年8月15日(木)
- 2024年10月15日(火)
- 2024年12月13日(金)
- 2025年2月14日(金)
- 2025年4月15日(火)
公的年金から天引きされる税金や社会保険料
年金からは、税金や社会保険料が天引きされるため、実際の手取り額は少なくなります。
公的年金から天引きされる税金や社会保険料は、以下の通りです。
- 介護保険料
- 国民健康保険料
- 後期高齢者医療保険料
- 所得税
- 住民税
公的年金から天引きされる要件は、以下の通りです。
出典:日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」、国税庁「高齢者と税(年金と税)」をもとに作成
ただし、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料は、以下の要件に該当していると、年金から天引きされません。
- 介護保険料との合計額が、実際に支給される年金額の2分の1を超える場合
税金や社会保険料が天引きされた手取り年金額を知りたい場合は、年金機構から送られる「年金振込通知書」で確認しましょう。
通知書に記載されている「(6)控除後振込額」が、実際の手取り額です。
出典:日本年金機構「年金振込通知書」
年金振込通知書は、毎年6月に送付されます。
特に、後期高齢者医療保険料を支払っている75歳以上の高齢者は、よく確認しておきましょう。
2024年度から、保険料が引き上げとなったため、手取り額が目減りしている可能性もあります。
こちらの記事も参考にしてください。
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
- 国税庁「高齢者と税(年金と税)」
- 日本年金機構「年金振込通知書」