政府は、4月末までを期限としていたガソリン価格の補助金を延長する見通しです。
この記事では、ガソリン価格の高騰を抑える補助金について、制度内容や延長期間について解説します。
また、電気代やガス代の補助金についても解説します。
【光熱費】家計への負担が月1,850円増加か。ガソリン価格の補助金は延長だが、電気とガスは終了へ
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
ガソリン価格の補助金
ガソリン価格の補助金は、1リットルあたり170円を超えると支給される仕組みです。
1リットル5円を上限に、燃料油元売り各社に補助金が支給されます。
出典:経済産業省資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和補助金」
当初は、補助金の期限を4月末までとしていましたが、中東情勢の緊迫化や家計への影響を背景に、期限を延長すると決定しました。
燃料油価格激変緩和補助金は、ガソリンの価格によって補助率を変える制度です。
168円を基準価格として設定し、185円までは60%、185円を超える部分は100%を補助します。
2024年4月8日時点で、レギュラーガソリンの全国平均価格は175円でした。
経済産業省の調査によると「補助がない場合」のガソリン価格は、203.5円でした。
補助金によって、ガソリン価格が1リットル当たり23.7円抑えられています。
補助金の延長は、2024年6月末まで継続する案が検討されています。
ただし、現行制度より補助率が段階的に縮小する可能性もあります。
電気やガスの補助は5月末で終了
ガソリン価格の補助金が延長する一方、電気やガスの補助金については5月末に終了する予定です。
4月使用分まで、電気は1kWhあたり3.5円、ガスは1㎥あたり15円が値引きされます。
出典:経済産業省エネルギー資源庁「電気・ガス価格激変緩和対策事業」
標準世帯の使用量に換算すると、電気代は月1,400円、ガス代は月450円の価格抑制効果があります。
5月使用分は、補助額がそれぞれ半額になる予定です。
6月以降は補助がなくなる予定ですが、予期せず電気代やガス代が急騰した場合は、再開される可能性があります。
補助金が終了すると、標準世帯の6月以降の電気代とガス代は、あわせて現在より月1,850円程度増加する計算となります。
ガソリン価格の補助金が継続しても、光熱費の補助金が終わるため、家計の負担は重くなるでしょう。
- 経済産業省資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和補助金」
- 経済産業省エネルギー資源庁「電気・ガス価格激変緩和対策事業」