ゆうちょ銀行が、通常貯金の金利を引き上げました。
これまで、各銀行が金利の引き上げを実施していましたが、ゆうちょ銀行も追随した形です。
ゆうちょ銀行の金利引き上げは、2007年3月以来、約17年ぶりです。
この記事では、ゆうちょ銀行の金利について解説します。
ゆうちょ銀行が貯金金利を17年ぶりに引き上げ。0.001%から20倍に。定期貯金は最大0.2%
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
ゆうちょ銀行の金利一覧
ゆうちょ銀行の貯金金利は「通常貯金」「通常貯蓄貯金」「定額貯金」「定期貯金」「財産形成貯金」の5つに分かれます。
通常貯金
「通常貯金」が、ほか銀行の普通預金に該当します。
これまでは、年0.001%でしたが、年0.02%に引き上げられました。
通常貯蓄貯金
10万円以上残高があれば、通常貯金よりも利子がつく貯金です。
- 10万円未満:0.02%
- 10万円以上:0.02%
通常貯蓄貯金は、金融情勢によって通常貯金と同一金利になる場合があるため、今回の金利改定で通常貯金と同金利になっています。
定額貯金
定額貯金は、預入後6ヵ月を経過すると払い戻しできる貯金です。
- 6ヵ月以上1年未満:0.023%
- 1年以上1年6ヵ月未満:0.023%
- 1年6ヵ月以上2年未満:0.023%
- 2年以上2年6ヵ月未満:0.023%
- 2年6ヵ月以上3年未満:0.023%
- 3年以上:0.11%
- 5年:0.11%
- 10年:0.11%
定期貯金
定期貯金は、預入期間を指定する貯金です。
- 1ヵ月以上3ヵ月未満:0.025%(定期貯金、満期一括受取型定期貯金)
- 3ヵ月以上6ヵ月未満:0.025%(定期貯金、満期一括受取型定期貯金)
- 6ヵ月以上1年未満:0.025%(定期貯金、満期一括受取型定期貯金)
- 1年以上2年未満:0.025%(定期貯金、満期一括受取型定期貯金)、0.125%(ニュー福祉定期貯金)
- 2年以上3年未満:0.025%(定期貯金、満期一括受取型定期貯金)
- 3年:0.15%(定期貯金、満期一括受取型定期貯金)
- 4年:0.15%(定期貯金)
- 5年:0.2%(定期貯金)
財産形成貯金
財産形成貯金は、会社員を対象とした財形貯金です。
- 6ヵ月以上1年未満:0.023%
- 1年以上1年6ヵ月未満:0.023%
- 1年6ヵ月以上2年未満:0.023%
- 2年以上2年6ヵ月未満:0.023%
- 2年6ヵ月以上3年未満:0.023%
- 3年以上:0.11%
(※財形定額貯金、財形年金定額貯金、財形住宅定額貯金のいずれも同じ金利)
通常貯金に預けた場合の利息
通常貯金の金利が0.001%から0.02%に引き上がると、利息がいくらになるか確認しましょう。
100万円、500万円、1000万円で通常貯金に1年間預けた場合の利息は、下表の通りです。
銀行の金利動向
次に、ゆうちょ銀行と同じく普通預金の金利を0.02%に引き上げた銀行について確認しましょう。
メガバンクでは、マイナス金利政策の解除を受けて、普通預金の金利を0.02%に引き上げられています。
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
- りそな銀行
また、地方銀行もメガバンクの後を追う形で、普通預金の金利を0.02%に引き上げました。
金利を引き上げた主な地方銀行は、以下の通りです。
- 北海道銀行
- 岩手銀行
- 北日本銀行
- 東北銀行
- 横浜銀行
- 神奈川銀行
- 北陸銀行
- 名古屋銀行
- 愛知銀行
多くの銀行では、普通預金の金利は4月1日から引き上げられています。
マイナス金利の解除を受けて、各銀行の普通預金や定期預金の金利は上がりましたが、それでもお金を効果的に増やすには、有効な手段とはいえないでしょう。
中長期的に効率よくお金を増やすためには、より金利が高い金融商品を活用するのが望ましいといえます。
投資や保険商品なども利用し、効率よくお金を増やす方法を検討してみてください。