4月は、お金に関する制度が変わる節目の月でもあります。
2024年4月からは、電気料金やガス料金の値上げのほか、新しい税金の導入などが予定されています。
この記事では、「生活費」「教育費」「税金」について、4月から変わる点を解説します。
4月から変わるお金のあれこれ。電気・ガスは値上げ。新しい税金も
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
生活費
生活費については、「電気代」「ガス代」「運送代」「食品」が値上げされます。
電気代
大手電力会社は、4月から電気代の値上げを発表しています。
大手電力会社10社のうち、7社が値上げとなります。
【電力会社各社の値上げ幅】
・北海道電力:65円
・東北電力:▲24円
・東京電力:▲2円
・中部電力:38円
・北陸電力:5円
・関西電力:65円
・中国電力:27円
・四国電力:▲3円
・九州電力:23円
・沖縄電力:35円
(※各社従量電灯Bのモデル料金)
値上げとなる電力会社がある一方、東北電力、東京電力、四国電力では値下げとなります。
ガス代
大手都市ガス4社は、ガス料金を値上げします。
標準家庭における1ヵ月の使用料を3月と比較すると、値上げ幅は以下の通りです。
・東京ガス:80円
・東邦ガス:83円
・大阪ガス:77円
・西部ガス:59円
宅配料金
一部の運送会社の宅配料金も値上げされます。
ヤマト運輸は約2%、佐川急便は約7%値上げされます。
出典:ヤマト運輸「2024年4月1日から宅急便の届出運賃・料金を改定」をもとに作成
佐川急便では、飛脚宅配便(飛脚クール便含む)、飛脚特定信書便、飛脚国際宅配便が値上げされます。
出典:佐川急便「2024年4月1日付宅配便届出運賃等の改定のお知らせ」をもとに作成
食品
帝国データバンクの「『食品主要195社』価格改定動向調査」によると、4月は加工食品を中心に、2,782品目が値上げとなる見通しです。
2023年10月以来、半年ぶりの大規模な値上げとなります。
2024年は、最大1万5000品目前後の食品が値上げとなる見通しです。
教育費
教育費については、東京都と大阪府で「高校の授業料無償化」が実施されます。
東京都
東京都では、都内に住む保護者を対象に、以下の高校や一部の大学にかかる授業料を実質無償化します。
- 都立・私立高校
- 都立大学
- 都立産業技術大学院大学
- 都立産業技術高等専門学校
これまでは授業料の助成を受ける要件として、所得制限が設けられていました。
2024年度から、所得制限なく授業料が無償化となります。
また、都内の私立中学に通う生徒がいる世帯にも年間10万円を上限に助成を行います。
大阪府
大阪府では、高校授業料の完全無償化が始まります。
東京都と同じく、所得制限を撤廃します。
無償化の対象となる高校は、府内の公立高校と授業料無償化制度に参加している私立高校、高等専門学校、専修学校です。
2024年度は、高校3年生を対象として、徐々に適用範囲を拡大する予定です。
2025年度は高校2年生まで、2026年度には全学年の完全無償化を目指す見通しです。
税金
税金は、4月から新たに「森林環境税」が徴収されます。
森林環境税は、国内の森林を整備する目的で導入されます。
各市町村の個人住民税とあわせて、年間1,000円が徴収されます。
以下の要件に当てはまる場合は、森林環境税が非課税となります。
- 生活保護を受給している人
- 前年の合計所得が135万円以内の未成年者、障害者、寡婦またはひとり親
- 前年の合計所得が政令で定める金額以下の人
ただし、地方自治体の防災対策費として徴収されている税金(年間1,000円)が3月で終了するため、実質負担額は増加しません。
- ヤマト運輸「2024年4月1日から宅急便の届出運賃・料金を改定」
- 佐川急便「2024年4月1日付宅配便届出運賃等の改定のお知らせ」